伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2018年11月

沖縄でのどもる子どもたちのキャンプ

おきなわキャンプ、終わりました

 沖縄の子どもたちにも、滋賀の吃音親子サマーキャンプのような出会いをしてもらいたい、沖縄リハビリテーションセンター福祉学院の教員で言語聴覚士の平良和さんの強い思いで始まった沖縄でのどもる子どもたちのキャンプ。今回は、その第3回目でした。2回目から約1年半が過ぎましたが、11月23・24日に行われたキャンプの様子をお知らせします。

 このキャンプには、大阪スタタリングプロジェクトから、僕を含めて7人参加しました。そして、吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会のメンバーも2人、鹿児島と千葉から参加しました。これら県外からの参加者9名を含めて、100人参加という大所帯のキャンプでした。

 僕は、このキャンプが始まる前に、言語聴覚士養成校の学生に、90分の講義を4コマ、終日、講義するため、みんなより1日早く沖縄入りしました。
 天気予報を見ると、沖縄は、24度とか25度と出ていますが、大阪は、初冬のような天気でした。薄手のダウンジャケットで出発しました。11月21日夕方、那覇空港に着くと、暖かい、というより暑い。歩いている沖縄の人は、みんな半袖です。セミこそ鳴いてはいませんでしたが、やはり、沖縄は暑かった、です。
 第1回目のキャンプのときには、同じ11月でしたが、今年より少し早かったせいか、セミが鳴いていて、びっくりしたことを思い出します。

 滋賀県での吃音親子サマーキャンプのエッセンスを盛り込んだキャンプは、前日のスタッフ向けの事前研修から始まり、出会いの広場、話し合い、作文、表現活動、振り返りと、充実したものでした。

 大阪から参加したメンバーは、どもる当事者であるという、それぞれの持ち味を充分に発揮し、子どもたちやその保護者との話し合い、学習会、表現活動などで、活躍しました。
 内容については、少しずつ、このブログで紹介していきたいと思います。
 どもる子どもの保護者の心配は、将来、我が子はどうなるのだろうかということです。そんなとき、どもりながら、自分らしく生きている見本のような僕たちの存在は、何にも代えがたいもののようです。

 キャンプが終わってからは、大阪、鹿児島、千葉から一緒に参加したみんなで、沖縄の町を楽しみました。わいわいとにぎやかに、まるで修学旅行みたいな一行でした。ステーキ350グラムをぺろりと平らげた豪傑な人もいました。そんなおまけも楽しんで、無事、帰ってきました。

 沖縄で、大阪吃音教室をしているような錯覚を覚えた、おきなわキャンプでした。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/28

ナラティヴ・アプローチと吃音の、新しい本


ナラティヴ・アプローチと吃音の、新しい本が、金子書房から12月出版!


 1年間、取り組んできた『どもる子どもとの対話〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力』が、いよいよ12月上旬、金子書房から刊行されることになりました。
 共著者の国重浩一さんの、分かりやすいナラティヴ・アプローチの解説と、ことばの教室での具体的な実践、子どもとの対話の実例をたくさん紹介しています。
 ぜひ、手にとっていただければと願っています。


金子書房より12月刊行!
 『どもる子どもとの対話』
   〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力〜
                 定価 2200円+税  四六判250ページ
                 編著 伊藤伸二・国重浩一   
 「吃音に対する否定的な物語」を書き換えることが大切だとする、ナラティヴ・アプローチ。
 そのために、子どもと親、子どもとことばの教室の担当者や言語聴覚士に、どのような対話が必要か、ニュージーランドの大学院でナラティヴ・アプローチを学んだ臨床心理士の国重浩一さんと、吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会の仲間たちがディスカッションして作り上げた、実際の子どもとの対話に役立つ本。
……………………内 容…………………
序章 どもりのふしぎさ…国重浩一
 当事者でもない、吃音の研究者でもない国重浩一さんが、どもりについて率直に感じたことをナラティヴ・アプローチとからめた、この本の導入。
  1.どもりの原因   2.ふしぎなどもり   3.たくさん語ってもらうことの大切さ
  4.ナラティヴ・アプローチとは   5.いくつかの主要な用語

ナラティヴ・アプローチとは何か…国重さんが分かりやすく解説。
  1.ナラティヴ・アプローチの考え方
   物語としての問題/将来を示唆するアイデンティティ/
   コミュニケーション問題としてのどもり/ナラティヴ・アプローチの会話
  2.外在化する会話法(マップ1)
外在化する会話法の効果/外在化する会話法にはどんな影響があるのか
   自分の話し方の特徴を表現する言葉/問題を擬人化する
   問題の外在化だけではない、外在化する会話/外在化する会話における主語の作り方
  3.再著述する会話法(マップ2)
   再著述する会話法の方向性/再著述する会話への糸口/外在化する会話の再登場
   「行為の風景」と「アイデンティティの風景」/他者の視点からこそ語りえること
  4.関心を分かち合うコミュニティ
   
ナラティブ・アプローチで読み解く伊藤伸二の体験と、
     それをもとに解説する吃音の特徴、吃音問題の本質

 吃音に対する否定的な物語と、「吃音は治る、治すべきだ」との言説が人生を縛ったと考え、その物語を書き換えていった伊藤伸二が、吃音に悩み始めた原因と、悩みから解放されていったきっかけを整理。世界の吃音研究・臨床の動向やさまざまな領域から学び、対話を続けたことを基に、吃音の特徴と吃音問題の本質を解説。

子どもたちの吃音に対する否定的なストーリーを
      肯定的なストーリーに書き換える共著者としての実践

 ☆初めて子どもと出会うとき    ☆吃音チェックリスト・吃音の氷山
 ☆言語関係図           ☆どもりカルタ
 ☆吃音キャラクター        ☆当事者研究 
 これらの具体的な取り組みの中で、実際に対話している、ことばの教室での11の学習場面を、睫攅戚澄ε邉美穂・溝上茂樹・黒田明志が紹介。

それぞれのナラティヴが変わる
 どもる子ども、どもる大人、どもる子どもの親、言語聴覚士、ことばの教室の教員の体験。
 ☆世界的なミュージシャンのスキャットマン・ジョンの体験 
 ☆世界的な小説家のデイビッド・ミッチェルからのメッセージ
 ☆消防士になりたいという夢をもっていたひとりの青年のインタビュー
 ☆3人の言語聴覚士、野原信(帝京平成大学)、平良和(沖縄リハビリテーションセンター)、池上久美子(カナダ・アルバーター大学吃音治療研究所)らの、自身の経験を丁寧にみつめ直し、「吃音を治す、改善する」の考え方から変わっていった体験。北米の吃音事情の報告は貴重。

伊藤伸二が語る、「どもる君へ」のメッセージ
 16のメッセージは、子どもたちの周りにいる大人へのメッセージ。
 ☆どもりは病気でも障害でもない  ☆君は自分の人生を自分で選択する力がある
 ☆君には耐える力がある  ☆どもりと仲良くなろう  ☆「小さな悩み」になったらいいね ☆相手に敬意をもち、尊重しよう  ☆安全基地をもとう  ☆生活習慣は変えられる
 ☆実力をつけよう  ☆考える力をつけよう  ☆さわやかに自分の気持ちを表現しよう
 ☆自分で自分の苦労を研究しよう  ☆楽しく、幸せに生きることをまず考えよう
 ☆君の強みは何か、それを知って生活に使おう  ☆哲学的対話が君を変える
 ☆自分なりのゆっくりさを身につけよう

牧野泰美(国立特別支援教育総合研究所)による「対話への期待」とする推薦のことば



日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/21

ナラティヴ・アプローチと吃音の本、12月出版

『どもる子どもとの対話〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力』、12月発行!

 「吃音が問題ではなく、吃音から受ける影響が問題だ」と考えている僕たちは、その影響への対処を、吃音ショートコースと名づけた2泊3日のワークショップで様々な領域から学んできました。その最終回と位置づけた20回目の吃音ショートコースのテーマに「ナラティヴ・アプローチ」を選びました。講師は、ニュージーランド在住の国重浩一さんにお願いしました。
 その吃音ショートコースの報告として昨年6月に年報を出しました。それを読んだ国重さんから、「本にしましょう」と提案していただきました。
 年報は、ショートコースの報告という意味合いが強く、参加者にはよく分かる内容ですが、本となると、読者の対象は大きく広がります。原稿を整理し、考えているうちに、どもる子どもが否定的なナラティヴをもたないように、ナラティヴ・アプローチを活用する本が、今、求められているのではないかとの思いに至りました。
 僕が吃音に悩み始めたのは、吃音に対してもった否定的なナラティヴで、そのナラティヴを書き換えていくことが、僕の吃音の旅でした。その体験から、子どもの頃に吃音に対する否定的なナラティヴをもたないことが最も大切だと考えてきたからです。
 僕の体験をナラティヴで整理するとともに、どもる子どもとの、ナラティヴ・アプローチ的な対話を続けることばの教室の実践を紹介することはできないかと、国重さんに相談しました。
 私たちの吃音の取り組みは少数派で、「吃音を治す、改善する」考え方が圧倒的多数であることを理解して下さっている国重さんが、この大きな編集方針の変更に賛成して下さったおかげで、「子どものナラティヴ・アプローチ」の本にすることが固まりました。
 共著者の国重浩一さんが、私たちの思いからくる、無理なお願いを聞いて下さったことで、「どもる子どもとの対話」のタイトルにふさわしい本になりました。国重さんには、ナラティヴ・アプローチを分かりやすく解説していただき、紹介した実践に対して解説・コメントしていただきました。ナラティヴ・アプローチが最も大切にしている、たくさんの質問も提示していただきました。実践を意味づけ、後付け、厚みを増していただいたと感謝しています。
 ナラティヴ・アプローチに関心をもつ人々にとっても、入門書的な分かりやすい本になりました。
 
 その金子書房からの新しい本『どもる子どもとの対話〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力』が、いよいよ12月上旬の刊行となりました。金子書房のホームページにも、素敵な表紙と共に近刊予定の本として紹介されています。
 ブログを読んで下さっている皆様には、一足先に、ご案内します。


金子書房より12月刊行!
 『どもる子どもとの対話』
     〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力〜
                  定価 2200円+税  四六判250ページ
                  編著 伊藤伸二・国重浩一   
 「吃音に対する否定的な物語」を書き換えることが大切だとする、ナラティヴ・アプローチ。
 そのために、子どもと親、子どもとことばの教室の担当者や言語聴覚士に、どのような対話が必要か、ニュージーランドの大学院でナラティヴ・アプローチを学んだ臨床心理士の国重浩一さんと、吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会の仲間たちがディスカッションして作り上げた、実際の子どもとの対話に役立つ本。

………………………内 容…………………………
ナラティヴ・アプローチとはなにか
 国重浩一さんが分かりやすく解説。

ナラティブ・アプローチで読み解く伊藤伸二の体験と、
      それをもとに解説する吃音の特徴、吃音問題の本質

 吃音に対する否定的な物語と、「吃音は治る、治すべきだ」との言説が人生を縛ったと考え、その物語を書き換えていった伊藤伸二が、吃音に悩み始めた原因と、悩みから解放されていったきっかけを整理。世界の吃音研究・臨床の動向やさまざまな領域から学び、対話を続けたことを基に、吃音の特徴と吃音問題の本質を解説。

子どもたちの吃音に対する否定的なストーリーを
        肯定的なストーリーに書き換える共著者としての実践
 ☆初めて子どもと出会うとき   ☆吃音チェックリスト・吃音の氷山
 ☆言語関係図           ☆どもりカルタ
 ☆吃音キャラクター        ☆当事者研究 
 これらの具体的な取り組みの中で、実際に対話している、ことばの教室での11の学習場面を、睫攅戚澄ε邉美穂・溝上茂樹・黒田明志が紹介。

それぞれのナラティヴが変わる
 どもる子ども、どもる大人、どもる子どもの親、言語聴覚士、ことばの教室の教員の体験。
 ☆世界的なミュージシャンのスキャットマン・ジョンの体験 
 ☆世界的な小説家のデイビッド・ミッチェルからのメッセージ
 ☆消防士になりたいという夢をもっていたひとりの青年のインタビュー
 ☆3人の言語聴覚士、野原信(帝京平成大学)、平良和(沖縄リハビリテーションセンター)、池上久美子(カナダ・アルバーター大学吃音治療研究所)らの、自身の経験を丁寧にみつめ直し、「吃音を治す、改善する」の考え方から変わっていった体験。北米の吃音事情の報告は貴重。

伊藤伸二が語る、「どもる君へ」のメッセージ
 16のメッセージは、子どもたちの周りにいる大人へのメッセージ。
 ☆どもりは病気でも障害でもない  
 ☆君は自分の人生を自分で選択する力がある
 ☆君には耐える力がある 
 ☆どもりと仲良くなろう 
 ☆「小さな悩み」になったらいいね
 ☆相手に敬意をもち、尊重しよう 
 ☆安全基地をもとう 
 ☆生活習慣は変えられる
 ☆実力をつけよう 
 ☆考える力をつけよう 
 ☆さわやかに自分の気持ちを表現しよう
 ☆自分で自分の苦労を研究しよう 
 ☆楽しく、幸せに生きることをまず考えよう
 ☆君の強みは何か、それを知って生活に使おう 
 ☆哲学的対話が君を変える
 ☆自分なりのゆっくりさを身につけよう

牧野泰美(国立特別支援教育総合研究所)による「対話への期待」とする推薦のことば


日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/21

高知市で、吃音相談会をします

親子吃音相談会in高知


☆同じ立場の保護者と話すことや誰かとつながることで、少し楽になるかもしれません。
☆小学校2年生の秋から吃音に強い劣等感をもち、1965年にどもる人のセルフヘルプグループを設立されるまで吃音に深く悩んできた伊藤さんとの交流から「吃音との上手なつきあい方」についてのヒントを得られるかもしれません。
 お気軽にご参加下さい。

 こんな呼びかけのことばで始まる吃音相談会をご案内します。
 これは、滋賀県で開催している吃音親子サマーキャンプに参加した高知の保護者が、地元高知でも、ぜひ、どもる子どもや保護者の集まりをもちたいと、子どもが通うことばの教室の担当者に声をかけ、高知市の教育委員会にも働きかけて、計画して下さったものです。その保護者は、昨年、今年と2年続けてサマーキャンプに参加しました。その抜群の行動力に敬意を表すとともに、ここでの新しい出会いをとても楽しみにしています。

 20年も前に、高知での講演会を計画し、僕を呼んで下さったことばの教室の担当者が、しばらくことばの教室を離れていたけれど、今、また、ことばの教室担当者として戻ってきて下さっています。今回の相談会を計画した保護者のどもる子ども担当している担当者は、第1回新・吃音ショートコースに参加し、そのとき担当していた小学6年生の男の子のことを話して下さいました。そんな、不思議な、縁のある高知です。

 年の瀬が近づき、何かとあわただしい時期ですが、お近くの方、ぜひ、ご参加下さい。また、関心のある方にご紹介いただければ幸いです。

日時  2018年12月22日(土)13時30分〜16時30分(受付 13時)
会場  はりまや橋小学校体育館・新堀コミュニティホール
講師  伊藤伸二
参加費 1000円(パンフレット、資料代を含む)
対象  子どもと保護者同伴でご参加下さい。
内容  伊藤伸二の講演/レクリエーション/グループごとに話し合い
問い合わせ先 TEL088−882−0273(西本さん)
申し込み  ―蚕蝓´∧欷郤圓量樵亜´子どもの名前・学年 な垢たいこと、知りたいことを書いて、FAXでお申し込み下さい。
       FAX088−882−0619

 なお、翌日、高知市言語聴覚士会主催で、吃音の研修会が開かれます。こちらへもぜひ、ご参加いただけますよう、ご案内します。次のブログで紹介します。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/20 

千葉で、吃音研修会と吃音相談会を行います

千葉で、吃音研修会&吃音相談会

 千葉で行われる、吃音研修会と吃音相談会の案内です。
 どちらも、会場は千葉市民会館、日時は12月1日で、研修会は午前中、相談会は午後に開催します。千葉市立院内小学校ことばの教室の渡邉美穂さんが企画して下さった研修会&相談会です。
 お気軽にご参加下さい。
 お知り合いの方、関心をおもちの方に、ご紹介いただければ、うれしいです。

吃音研修会
日時   12月1日(土)9時30分から12時まで(受付9時)
会場   千葉市民会館 第3会議室
講師   伊藤伸二(日本吃音臨床研究会会長)
対象   ことばの教室の担当者、言語聴覚士、通常の学級の教師、幼児教育の関係者等
内容   講演<演題> 幼児期・学童期の吃音の理解と対応
               〜子どもの非認知能力を育てる〜
参加費  1500円
申し込み ―蠡亜´∋疚勝´E渡暖峭罅´な垢たいこと、知りたいこと 
     をお書きいただき、下記まではがきかFAXで、お申し込み下さい。
       〒260−0007 千葉市中央区祐光1−25−3
        千葉市立院内小学校ことばの教室 渡邉美穂 宛
           FAX  043−222−0196
TEL  043−227−5576



吃音相談会
日時   12月1日(土)13時30分から16時30分まで(受付13時)
会場   千葉市民会館 第3会議室
講師   伊藤伸二(日本吃音臨床研究会会長)
対象   どもる子どもの保護者、どもる子どもにかかわる関係者
内容   どもる子どもとどうかかわるか、参加者からの相談や質問に答える
     自身の体験や最新の研究・情報をもとに、子育てについて提案する
参加費  1500円
申し込み ―蚕蝓´∧欷郤圓了疚勝´E渡暖峭罅´せ劼匹發了疚召版齢(学年)
     チ蠱未靴燭い海函知りたいこと、困っていること 
     をお書きいただき、下記まではがきかFAXで、お申し込み下さい。
       〒260−0007 千葉市中央区祐光1−25−3
        千葉市立院内小学校ことばの教室 渡邉美穂 宛
           FAX  043−222−0196
TEL  043−227−5576



日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/17

法隆寺へ、ショートトリップ

法隆寺へ、ショートトリップ

   柿 食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺

で有名な法隆寺に行ってきました。テレビを見ていたら、法隆寺参道の奈良漬け屋さんの柿の奈良漬けが紹介されていたのです。瓜や西瓜などは珍しくもないのですが、柿の奈良漬けは食べたことがありません。おいしそうに見えました。
 僕の家から、放出、久宝寺と乗り継げば、そう遠い所ではありません。久しぶりに電車を使って、ショートトリップです。
法隆寺1法隆寺2 法隆寺、名前はよく知っているけれど、行ったことはあるのかないのか、覚えていないくらいなので、行ったとしても、かなり昔のことでしょう。五重塔と金堂、大宝蔵院、夢殿など、ゆっくり見て回りました。広い敷地です。日曜日なのに、人出はそれほどでもなく、ゆったりしています。京都なら今頃かなりの混雑だろうなと思いましたが。

 金子書房からの新刊『どもる子どもとの対話〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力〜』の最終校正が終わり、表紙やオビのデザインも決定し、後はできあがりを待つのみとなりました。ほっとしています。その気持ちを味わいたくて、秋のやわらかい日射しの中、古都・奈良を歩きました。
期待して行った柿の奈良漬け、試食してみて、(う〜ん、思っていたのと違う)となり、買わずに帰ってきました。

 3、4日前の暖かさとは変わって、初冬のような空です。例年よりかなり遅い雪が北海道で観測されたとか、季節は秋から冬へと確実に移りゆくようです。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/15

寝屋川公園 カモの大群、発見

カモの大群、発見

 このブログによく登場する僕の家の近くの寝屋川公園も、秋が深まってきました。
 9月の台風の影響は大きく、公園の中にある大きな高い木が何本も、根こそぎ倒れていましたが、ようやくその片付けが始まったようです。その台風の影響もあってか、今年の紅葉はあまりきれいではありません。葉が早く落ちてしまった木もたくさんあります。食後のスロージョギングを続けていますが、今年はどうやらそんな感じです。寝屋川公園 紅葉寝屋川公園 紅葉2寝屋川公園 紅葉3
 でも、公園の中を流れている小さな川には、忘れず、今年もカモがやってきました。初めは、2羽、4羽、9羽、15羽と増えてきました。
寝屋川公園 カモ2羽寝屋川公園 カモ3羽
 そして12日の月曜日、夕食を終えて、いつものようにジョギングへ。30分ほど走って、いよいよマンション近くの広い原っぱまで来ると、「ピヨッ」というなつかしい声がします。これは、確かにカモの声だ! みると、なんと150羽あまりの大群です。ここ2年ほどは、年を越して1月か2月にその大群を見ているのですが、こんなに早い時期に見るのは初めてです。もしかしたら、気づいていないだけで、毎年、この時期に来ていたのかもしれませんが。
寝屋川公園 伸二 昼間は一体どこにいるのか分かりませんが、夜に大集合です。「よく来たね」と、お互いにねぎらっているのかも、歓迎パーティかウェルカムパーティをしているのかも、と想像がふくらみます。
 しんどいジョギングですが、カモのミーティング風景を見ることができる楽しみができました。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/14

第10回吃音キャンプ IN GUNMA

  第10回吃音キャンプ IN GUNMA

 「最低気温は5度の予定です。寒さ対策をしてお越し下さい」、事務局の佐藤雅次さんから、最後のメールをいただき、11月3日、群馬に向けて出発しました。東京へは飛行機が多いのですが、その後の乗り継ぎもあって、群馬のキャンプはずっと新幹線を使っていました。今年は初めて、東京まで飛行機を使いました。かかる時間は変わりないと思うのですが、長い時間、じっと座っていないといけないのがだんだん苦痛になってきています。
 覚悟をして行ったけれど、それほど寒くはなく、いい天気、秋晴れの2日間でした。昨年も、すごく寒いとの情報にも雪景色が見られるかもと、覚悟と期待をして行ったけれど、雪どころかいい天気でした。

 10回目というひとつの節目にあたる今回の群馬のキャンプ。花火のように最初に打ち上げることは比較的できますが、継続するのは大変です。群馬のキャンプ、よく10年間続いていると、スタッフの皆さんに大いなる敬意をもって臨んだキャンプでした。
 
 私のかかわっているキャンプにはそれぞれ特徴があります。それぞれの事情があるので、僕は皆さんの計画にのっていくだけです。
群馬キャンプ 幕
群馬キャンプ 佐藤さん群馬キャンプ 講演 伸二 群馬のキャンプの特徴の一つが、最初のセッションである僕の講演会には、キャンプ参加者だけでなく、講演だけの参加も呼びかけていることです。第1回の時は、初めて群馬県に呼んでいただいたということもあり、大勢の人が参加して下さり、たくさん用意した書籍も完売でした。驚いたことを覚えています。
 今回は10回目の講演ということになります。今年も参加人数が多く、何回も続けて参加して下さる方もいらっしゃるので、同じ話にならないよう、僕も、できるだけ工夫し、準備をしました。

 秋のキャンプロードは、千葉に始まり、岡山、島根、群馬と続き、沖縄で終わります。共通の基本の配布資料を用意するのですが、話して帰ってくるたびに、次のところでは、これを付け足そうとか、こういう言い方に変えようとか、かなり変化していきます。なので、事前に配布資料の印刷をお願いしていても、追加の資料印刷を直前にお願いすることになってしまうのです。

群馬キャンプ 講演 伸二とみんな群馬キャンプ 講演 伸二2群馬キャンプ 講演 伸二とみんな2 大好きな落語家の、立川志の輔さんの、連続5日間くらいの公演で3日目くらいに行くと、枕で「1日目、2日目と練習をしてきて、本日の3日目は、完成度の高いものをお届けします」なんて言って笑いをとるのですが、それを思い出します。もちろん、初日は初日で、きっと「もう今日で使い果たすくらいの全力投球をして、後は惰性で流します」なんて枕で言うのですが。僕にとっては、一回一回、この人たちに話すのはこれが最後かもしれないという気持ちで話をしています。一期一会です。

 金子書房から刊行される『どもる子どもとの対話〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力』で伝えたかったことが中心テーマです。発行が間に合わなかったので、そのさわりを話して、宣伝もしてきました。

 群馬のもうひとつの特徴は、帰りに、必ず感想をコピーして渡して下さることです。僕の話がどう伝わったのか、すぐに分かることはとてもありがたいことです。後片付けの忙しいときに、感想をまとめ、コピーをして下さることは、スタッフのみなさんにとってはあわただしいことだと思います。帰りの時間を気にしながら、でも、そのことを大切にして下さっています。感想を車中で読むのが、僕にとって、幸せなひとときでしたが、今回は飛行機の待ち時間に読ませていただきました。
  
 その感想の一部です。

<ことばの教室担当者や言語聴覚士の方の感想>
・初めて聞かせていただきました。ご自身の体験を振り返って、過去のとらえ直しをされたとのこと、その中で、活発に元気だった本来のご自分を取り戻し、克服していったとのお話を伺い、感動しました。今、小学2年生を担当していますが、通級でどんなことをすればいいか、今、していることの意味が見えてきたように思います。新しい著書との出会いもとても楽しみです。

・伊藤さんの話を毎年聞かせていただいていますが、吃音についていろいろ知ることができ、またもっと勉強しようと思わせていただき、ありがたいです。

・伊藤さんの話を聞くのは5回目くらいですが、毎回心に残る話があります。幼少期から2年生までの「非認知能力」の話、また、21歳から「どもれる体」になったとのことが心に残りました。また、伊藤さんの話を伺うのを楽しみにしています。

・ことばの教室で、どもる子どもを今年初めて担当し始めました。伊藤さんの講演を初めて聞かせていただきました。教室にある伊藤さんの著書や「スタタリング・ナウ」は読ませていただいています。「吃音から逃げずに、共に生きる」という気持ちの持ち方で、どもっても話したいことを話せる「どもれる体」になったという伊藤さんの話を聞いて、本では入らなかったいろいろなことがストンと心に落ちた気がしました。また、子どもが幸せに生きるために、親がオープンダイアローグの立場で、子どもと対していくことも、吃音の子だけでなく、自分の娘にもすごくつながることだなと思いました。


<保護者の感想>
・初めて参加しました。どもるのを治さなくちゃと思っていたのですが、話を聞いて、考え方が変わりました。今の子どものままでいいんだと思えるようになりました。子どもの良い部分をたくさんみつけ、できない部分ではなく、できることやがんばっていることに目を向けようと思います。子どもが安心していろんなことを自分らしく話してくれるような親子関係を築いていきたいと思います。ちゃんと向き合っていきたいと思います。

・1年に一度、伊藤さんの話を聞かせていただいています。毎回、講演会を聞く機会がいただけるこのキャンプに感謝しています。聞くたびに、自分の気持ちや環境が違ったりすると、いろんな視野で見られるので、新しい発見があったりします。「対話から自己肯定感を育てる」は、私も最近見えてなかったなあと、できてなかった気がして、また今日からがんばろうという気持ちになりました。

・2度目の参加です。伊藤さんの話を聞いてから、私も息子のどもりを心配するより、息子の良さをみつけ、本人に伝え、どもりへの悩みを話してくれることも増えました。それからは、息子へ、「吃音は個性であり、できないことも他の人と比べると多いわけじゃなく、何でもできる。言いたいことはちゃんと伝えていこうね」と話せることも増えています。本人への対話も増えたためか、自分で自分の良さを自信に変えて生きていっているように思います。まさに、今日のお話、自己肯定、他者への信頼は、本人も含め、自分の気持ちも変えてくれるように思います。「愛される自信」は、全ての方に本当に大切なんだなと感じています。吃音を通して、親子で自分をみつめ、探り、知るきっかけとして寄り添っていきたいです。

・うちの子はまだ5歳なので、どもって話すことを恥ずかしいと思ったり、話さないようにすることはありませんが、この先、「どもれる体」を意識して、対等の立場で対話していきたいと思いました。どもっていてもちゃんと生きている人がたくさんいることも教えていきたいです。私は介護の仕事をしているので、認知症の話もとても勉強になりました。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/13
 

パラグアイからの声

懐かしい人からの電話 パラグアイからの声


 11月3・4日は、第10回吃音キャンプ IN GUNMAでした。
 熱心に取り組んで下さる方のおかげで、どもる子どもたちや保護者と有意義な時間を過ごし、4日夜、大阪に戻りました。そして、その日の夜、珍しい人から電話をもらいました。

 僕がまだ東京にいて、東京言友会で活動してきたとき、一緒に活動をした仲間の一人です。合田義雄さんと言います。会を創立してから、数年ほど一緒に活動しました。彼は、その後、パラグアイに移住し、そこで、大学時代に学んだことを活かして、パラグアイに農業を根付かせる仕事をしていたと記憶しています。
 声を聞くのは、45年ぶりぐらいでしょうか。
 彼は、今回、世話になった大切な先輩が亡くなったため、パラグアイから日本に一時帰国したとのことでした。ひとしきり、近況を伝え合いました。僕が、今なお、吃音にかかわる仕事をしていること、今、どもる子どもたちとのキャンプから帰ってきたばかりだと話すと、「伊藤さんは、すごい。すごいね」と言ってくれました。僕は、自分が一番したいことをしているだけで、好きで続けてきただけですが、「すごいね」と言ってもらって、うれしくなりました。

 合田さんは、東京言友会時代、「ことばのりずむ」という雑誌の編集委員をしていて、創刊号には、「沖縄からのレポート」という文章も書いていました。理論研究部にも所属していて、調査研究の報告の文章も書いていました。

 そして、なんといっても、合田さんといえば、言友会の歌を思い出します。会創立5年目に、言友会の歌を制作することにし、作詞は仲間から応募しました。作曲は、黒澤明監督の映画音楽の多くを担当していた映画音楽の第一人者で、「若者たち」の作曲者でもある佐藤勝さんにお願いしました。たくさんの応募作品の中から佐藤勝さんに選んでもらい、佐藤さんが少し手直しをして下さり、言友会の歌が誕生しました。創立5周年記念祭の時、フォークグループのシュリークスが歌ってくれました。電話を切ってから、あの当時を思い出して、歌いました。なつかしかったです。
 合田さんは、来年も日本に帰国する予定だと聞きました。そのときはぜひ、会おうと約束しました。

     
輝く明日  
                        作詞    合田義雄  
                        補作・作曲 佐藤勝
      
1 昨日まで私は一人
  故郷(ふるさと)を出てから
  夢を語る人もなく
  やさしい春の陽(ひ)の中で
  昨日まで私は一人

    2 今日はもう私は二人
      名前を呼びあえば
      あなたのその瞳(め)の中に
      輝く星の光りみて
      今日はもう私は二人

        3 明日から私は全て
          喜びも哀しみも
          仲間と共にかみしめて
          冬に陽(ひ)の響く上をみて
          明日から私は全て


日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/7

第20回島根スタタリングフォーラム 子どもの強みをみつけよう

第20回島根スタタリングフォーラム  子どもの強みをみつけよう
 

島根フォーラム 講演会島根フォーラム 講演会伸二 20回も続いている島根のキャンプ。連続して参加して下さる方も多いので、毎年、同じ話にならないようにと考えます。もちろん、伝えたいことはひとつで、それは変わりようがないのですが、少しでも、新しいことを、僕自身が学んだことをかみ砕いてお伝えしたいと思って、準備をしました。特に島根では、僕が保護者に話す時間がたっぷりあります。1泊2日の中で、7時間30分もあるのはすごいことです。急がず、じっくりと対話することができるのがありがたいです。

 今回は、金子書房からの新しい本『どもる子どもたちとの対話〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力』に書いたことで、今、僕が注目しているポジティブ心理学について話しました。これは、レジリエンス、アドラー心理学と通じていて、今まで大切だと思って追ってきたことと、見事につながっているのです。このことは、今まで考えてきたあのこととつながっている! そう発見したときは本当にうれしくなります。出会うべくして出会った!という感じともいえます。

島根フォーラム 円くなってみんな島根フォーラム 円くなって伸二 午後の3時間は、ひとりひとりの保護者の思いに耳を傾け、僕なりのコメントをしていきました。その中のひとりの母親が「みなさんの子どもが、どもりを受け止めて学校でがんばっているのに、うちの子どもは、学校へ行きたくないと言って行かなくなった。行っても保健室や会議室にいる」と涙ながらに話しました。少し話を聞いて、じっくりとみんなで考えるいいテーマだと思ったので、「みんなも一緒に考えた方がいいので、後で当事者研究をしましょう」と提案して、午後のセッションが終わりました。夕食前になって「実は、私たちは今日は泊まらずに、夕食後帰ります」と父親が言いに来たのであわてました。翌日にみんなで考えようと思っていたのですが、それができません。そこで、夕食の時に、父親、母親と私の3人で「当事者研究」をしました。
 
 小学6年の息子は、学校に行ったり行かなかったり。フォーラムに参加している他のどもる子どもたちはがんばって学校に行っているのを聞いて、お母さんは、自分の息子はみんなと比べてまだまだだなあと思ったそうです。そんな息子の強みなんて言われても、何もないなあと悲観的でした。
 僕は、それでも何かあるはずだと思い、詳しく様子を聞いていきました。すると、学校には行けていないが、地域の野球クラブにはがんばって参加し、ポジションはピッチャーだとのことでした。1対0の緊迫した試合に出て、ちゃんと抑えて勝ったこともあると言います。そんなすごいことをしていると聞き、僕は、この子の強みは、ちゃんとあるじゃないかと思いました。また、完全に行けていないわけではなく、時々、音楽や図工、体育の時間は行くこともあるそうです。学校に行っていないのに、地域の野球クラブには行っている。学校に行かないで地域の野球だけするなんて…と言われるのが嫌で、普通なら地域の野球に参加することはしないと思うのですが、それを超えて彼は参加しています。
 何が彼をそうさせているのだろう、社会などの教科の時間には行けないが、図工などは行けるのはなぜか。クラスでは、吃音について何か言われてうまく人間関係ができないのに、野球部ではちゃんとできているのはなぜか。
 「このようなことを子どもと話し合ったことはありますか」と尋ねると、「聞いたことはないし、なぜだか分からない」と言います。いろいろと話を聞いていくと、僕の目にはその子どものポジティヴな特徴、強みが探れそうに思えました。
 1対0の緊迫した試合で、投げ切って勝利したのは、彼にどんな力が、どんな強みがあるからだろうと考えます。「こんな緊迫した試合に勝って、すごいな」と親も周りも思うだけで、そのすごさがどこから来ているのか、その子の強みとして、どんなことにつながっているのか、言語化し、概念化していくことがまったくできていません。
 「粘り強さ」もあります。チームのことを思う連帯感も、責任感もあります。何よりも好きなことに「熱中する力」もあります。それらをひとつひとつことばにし、意味づけをして、子どもに伝えていくことを提案しました。親が子どもの強みを発見し、それをもとに対話を続け、その強みを、学校に行って、算数や社会などの教科の授業に参加することにつなげるのです。対話をしてこなかったことに気づいた両親にとって、食事をしながらの45分ほどの短い時間でしたが、新たな気づきとなってストンと落ちたようでした。強みなんて何もないと思っていたらしいのですが、母親と父親の表情が変わっていきました。
 そのやりとりを、僕は、翌日のプログラムの中で紹介しました。強みを探そう、そのために子どもと対話をしようと話をしていましたが、対話の大切さは分かったけれども、では、具体的にどう対話していったらいいのか、もうひとつ分からなかったという保護者やことばの教室の担当者が、この具体的な話を聞いて、よく分かったと言ってくれました。
 「子どもと会話」はよくしていると思っていたが、「対話」はしてこなかったと何人もの人が発言しました。苦手なところ、弱点はすぐにみつけることができるし、目につきやすいです。そうではなく、強みをさがし、みつけることです。子どもと一緒に対話しながら、強みをみつけていく過程は、楽しく愉快な旅だと思います。
島根フォーラム 伸二挨拶
日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/6
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