伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2018年09月

第29回吃音親子サマーキャンプ 親の学習会&ウォークラリー

第29回吃音親子サマーキャンプ5 親の学習会&ウォークラリー


 話し合い、作文、話し合いというサンドイッチのプログラムが終わり、2日目の午後は、保護者は学習会、子どもは劇の練習とウォークラリーです。
 吃音親子サマーキャンプは、親子での参加を原則としています。親は、単なる付き添いではなく、親自身も自分を語り、自分のこれまでの人生を振り返り、子育てや子どもとのつきあいを考えてもらいたいと思うからです。
 昨年の親の学習会は、どもりながら、自分が一番したかった消防士という仕事に就いている兵頭さんに僕がインタビューして、その話を聞いてグループごとに彼のレジリエンスを模造紙にまとめていくという作業をしました。
 今年は、全員に質問を書いてもらい、それに答えていくという形をとりました。
親の学習会 全体親の学習会 伸二親の学習会 伸二とみんな
・見守り続けるだけでいいのだろうか。これから面接などがあるので、何かできることはないだろうか。
・職業を選ぶとき、大切にすることは何か。
・吃音には波があるが、それに心理的負担は影響しているのか。
・大阪吃音教室では、発音・発声の練習をしていると聞いている。吃音と構音障害を併せ持つ我が子に、訓練は必要か。
・話している途中にどもってしまい、そのために話すことをあきらめてしまうことがある。親として、そんなときどう対処したらいいか。
・どうせ僕は吃音だから…と言うことが多い。どもっていても、いろいろなことに挑戦してほしいと思っているのだが。
・どもっている子どもの口元を見るのは失礼なことだろうか。
・友だちから傷つくようなことばをかけられたとき、どう声かけしてやったらいいか。
・どもりのことを話題にしようとしたら、子どもから「言わないで!」と言われた。こんなとき、どうしたらいいか。

 ほかにもいろいろな質問が出されました。事前に知らされているわけではないので、答えの準備はできませんが、そのときそのとき、せいいっぱいの、僕なりの考えていることを話します。きっと、僕の頭はフル回転しているのでしょう。これまでに出会ったたくさんの人の体験が蓄積されていて、瞬間瞬間にふっと浮かび上がってきます。僕の意見を押しつけることはしないけれど、こんなふうに生きている人がいるよという、実際の体験をできるだけたくさん紹介していきたいと思います。最終決断は、本人が決めることですが、それに至るプロセスに誠実につきあっていきたいと思っています。

 親の学習会がちょうど半分過ぎた頃、子どもたちは、劇の練習を終え、荒神山へのウォークラリーに出発します。生活・演劇グループごとに集合し、リーダーを中心にスタートです。ウォークラリー1ウォークラリー2 神社ウォークラリー3 琵琶湖
 僕は、学習会に参加していますから、このウォークラリーには参加したことがありません。登っているとき、頂上に着いたとき、そして下りるとき、おそらく、たくさんのドラマがあることでしょう。
 頂上からは、琵琶湖がきれいに見えるそうです。お茶やジュースを飲み、サマーキャンプ中唯一のおやつタイムです。
 保護者も同じです。午後1時から5時半までの長い学習会の途中でのおやつタイムは、僕もほっとします。

 学習会が終わりに近づいたころ、今年も無事に、全員が山から下りてきました。
 汗をかき、からだを動かし、荒神山を登り切った子どもたち。語り、聞き、考えて頭をいっぱい使った親たち。2日目の夕食は、まだ明るい野外で、カレーを食べます。その様子は、次回に。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/9/29

第29回吃音親子サマーキャンプ4  しあわせなどもり 

第29回吃音親子サマーキャンプ4 しあわせなどもり

 子どもは年代別に、親は今年は4グループに分かれて、話し合いが行われました。それぞれに、どもる大人と、ことばの教室の担当者や言語聴覚士などの臨床家が、ファシリテーターとして入ります。 それぞれのグループでさまざまな話題が出たようです。笑いあり、涙あり、この時間こそが、吃音親子サマーキャンプの真髄、ともいえるような吃音の奥深さを感じさせてくれるいい時間でした。
 
 中学生のグループの話を少し紹介します。中学生グループは、全員で5人。小学生のときから参加しているベテラン組が多いのですが、今年で2回目という子もいます。話し合いは、参加者全員が本当に対等な立場で進んでいったそうです。1回目の話し合いで、子どもたちが、自分のことを正直にすなおに話しているのを聞いて、それに影響されたのか、スタッフも、ひとりひとりが自分のことばで自分のことを語り出したそうです。お互いによく知っているスタッフもいるのですが、今まで聞いたことがないような内容の話が出てきてびっくりしたということでした。

 今年、初めて参加した、定年間近のことばの教室の担当者も、とまどいの中、スタートしたはずだと思うのですが、いつの間にか、大きな流れの中で、自分を語り始めました。

 昔、自分が担当したどもる女の子の話でした。何か大きな発表会のような場があり、それに向けて、ことばの教室で対策を考え、それなりに練習もし、当日を迎えたそうです。どもる子なのだから、どもって当たり前なのですが、当日、その女の子は、みんなの前でどもってしまい、その担当者は、「失敗した!」と思ったそうです。なんとかその場をしのいでほしいと思っていたのかもしれません。どもる姿を見せてしまったことは、その担当者にとっては失敗だったと思ったようなのです。

 それを聞いていた中学生からは、「どもったことが、なぜ失敗と思うのか」と質問が出たそうです。「どもる、どもらないに関係なく、大きな発表会に出たことが成功だ」と、質問した中学生は思ったのでしょう。そこから、そもそも失敗とは何か、そんな話につながっていったと聞いています。長年参加している子も、2回目の子も、しっかり考えることのできる子どもたちだと改めて思いました。

 さあ、参加したスタッフの1人、大阪の藤岡千恵さんが感想を送ってくれました。承諾を得ていますので、紹介します。
話し合い 溝上話し合い 渡邉話し合い 辻話し合い 渡辺話し合い親 西山話し合い親 奥村話し合い親 松本話し合い 山田
  
しあわせなどもり
        藤岡 千恵(42歳 会社員)
 吃音親子サマーキャンプの全てのプログラムが終わり、大阪へ向かう列車の中で私は三日間の余韻に包まれている。河瀬駅から乗り込んだ一緒にサマキャンを過ごした人たちが、一人またひとりと列車を降りていく。そのたびにちょっと切ない気持ちになる。そして大阪駅で皆と別れたあと、ひとりになった瞬間の心許なさに動揺する。大勢の人とともに時間を過ごしたあとに一人の生活に戻るということに、まだ気持ちが追いつかない。その時の私の中に渦巻く感情もそのままに大阪駅をあとにする。
 渦巻いている感情の大半は、さみしさ。心から泣いて笑って心がジンと震えて、「ああ、私は生きているなあ」と思う。「人」が好きになる。一年で一番ご飯が美味しい三日間。そんなサマキャンが終わると私は本当にさみしいのだ。そんな贅沢な時間を今年も存分に味わえたことが心からうれしい。そして、あとからじわじわと湧いてくるのは、人が愛おしいということ。サマキャンで出会う全ての瞬間が愛おしい。一瞬も見逃したくないくらい、人を愛おしいと思う瞬間に出会う。私はサマキャンの間、時々ふっと我に返って、この中に自分がいられることの幸せをかみしめていた。
 サマキャンではたくさんの、心に残ることばに出会う。
 初日のプログラム「出会いの広場」で強く残ったのは、各グループに分かれて考えた童謡「村祭り」の替え歌と振り付けだった。最初に発表したグループの迫力に心を奪われた。「ドンドンドンドン ドンヒャララ」を「どんどんどんどん どんどもり」という歌詞に替えて、グループの全員が一斉に中央に向かって太鼓のように自分の太ももをたたいた。どもりが愛おしく思える「どんどもり」。可愛らしいことばで心に残った。こういう共通語のようなことばに出会うとささやかな喜びを感じる。

 同じく初日のプログラムにスタッフの顔合わせがある。学習室と呼ばれているじゅうたん敷きの部屋に全員がひとつの円になって座る。毎年のことながらこの光景は迫力がある。今年は茨城から沖縄まで、42名のスタッフが集まった。ここで、一人ひとりが所属や名前など簡単な自己紹介をする。どもる大人の当事者、全国のことばの教室の教員、言語聴覚士を中心に、どもりの縁で集まった人たちで今年もバラエティー豊かな顔ぶれになった。
 神戸スタタリングプロジェクト会長の伊藤照良さんが自己紹介をした時、いつものようにどもりながら自己紹介をする照良さんに、誰かが「(昔と)どもり方が変わってへんな〜」と言った。私は12年前に照良さんに初めて会った時、どもりながら皆の前で発表する姿に勇気づけられた。その頃の私は人前でどもることに大きな抵抗があったが、気持ちのいいどもり方の照良さんを前にして、どれだけどもっても、一生懸命伝えたいと思うその気持ちこそが人の心を動かすのだとわかった。サマキャン事務局の溝口さんが、照良さんが話したあと「そのどもり方、好き!」と言った。

 最終日のプログラム、保護者のパフォーマンスも忘れられない。今年初めて参加した子どもの祖母である女性がパフォーマンスで華をそえた。演技の最後に、両サイドから子どものお父さんに抱えられて、会場にいる子どもたちに向かって「だだだだ大好き!」と両手を大きく広げた。どもることばのインパクトに、完全に心を持っていかれた。

 サマキャンで出会うたくさんのことばは、どもる子どもたちに向けた応援歌のようにも感じる。その応援歌をもれなく、どもる大人の私も受け取って胸がいっぱいになる。

 私は長い間、どもりを人目にさらさないように息を詰めて生きてきた。その頃は自分のどもる話し方を、自分の耳で聞くことも耐えられなかった。私の中からどもりが消えてしまうことをひたすら願った。自然と、人からどもりだと見られない話し方を身につけた。身につけたところで一瞬足りともホッとできず、人前で話す時は、どもりがバレないか心配がつきまとった。
 思えば、どもりの悩みの始まりは、どもって話す喋り方を自分の中で否定したことだった。どれだけ否定しても自分の中からどもりがなくなることは無い。そんな自分のどもりを「いいね」と言ってくれる人がいること。
 私はこれまで、どもりを通じて出会った人たちから、「どもり方が素敵」と言われ続けてきた。
 幼心に「どもる自分は愛されない」という強い物語を自分で作り、ずっと、その物語の中で生きていた。そんな私の両腕をぐっとつかみ、深い底から「そのままのあなたがいい」と、明るい世界に引き上げる。「あなたのどもり方が素敵」のことばには、そんな力があった。私は今、どもれることがうれしい。

 サマキャンの最後に、今年初参加だった保護者やスタッフが次々に感想を話した。初めて参加した小2の男の子は、感情が表に出なくて能面のようだったのが、ここで過ごして目が大きく開き、表情が変わったというのだ。私は彼と生活グループで同じで、一緒に劇の練習もした。カラス役でセリフを一生懸命読む愛らしい演技に、本番は会場から笑いが起こった。
 高校生の男の子が彼に子守唄を歌ってあげていたのだという。体の大きなお兄ちゃんが子守唄を歌って寝かしつける光景はコミカルだが、そこにはやさしい時間が流れていたのだろうと想像した。
 この三日間が、彼のなかでやさしく存在し続けるといいなと思う。その感想を話した彼の祖母は、自称「鉄の女」と言った。鉄の女がぼろぼろ涙するほどの人間くさい交わりがここにはある。

 二日目、今年初めて参加したスタッフの一人とお昼を食べた。日に焼けた快活そうな外見と穏やかで優しい雰囲気が印象的だった。丼ぶりを食べながら「滋賀のサマキャンで“自分がどうありたいか”、“どういう自分で生きていきたいか”ということを考えた」と彼女は言った。私は、今年の5月に聞いた「どもりはそんなにやわじゃないので、心してかからないといけない」という伊藤伸二さんのことばを思い出した。どもりのことについて考える私たちは、いつのまにかどもりによって人生を考えさせられている。私はサマキャンに出会ってどもりの虜になったが、どもりの魅力はまだまだ計り知れない。

 最後の感想を聴きながら、この人たちと同じ時代に生きて出会えたこと、今年も奇跡のような時間を一緒に味わえたことが本当にうれしいと思った。「私はなんてしあわせなどもりだ」と、もう何回痛感してきたかわからない感情が、この時も込み上げてきた。
 そんな幸せな時間を心に刻み、一人になった瞬間のさみしさも味わい、サマキャン前よりも元気になった私で、また日常に戻っていく。
 −−−また来年会いたい人たちがいる。
 そんな幸せを、一人かみしめながら。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/9/27

第29回吃音親子サマーキャンプ サマーキャンプの伝統と文化 

第29回吃音親子サマーキャンプ3 2日目が始まりました

 2日目の朝、朝のスポーツ担当の若いスタッフたちが、子どもたちを誘って、広場に行ったようです。そんな話し声や物音を聞きながら、僕はもう少しベッドにいました。ラジオ体操
 8月18日の朝の荒神山の気温は19度。さわやかです。酷暑の夏を過ごしてきた身には、何よりのプレゼントでした。みんなでラジオ体操をして、2日目が始まりました。
 食堂に無理をお願いして、貸していただき、食堂が作文教室に変わります。参加者全員が書きます。「テーマは吃音」です。どもる子どもは、自分の吃音にまつわるエピソードを、親は我が子の吃音にまつわるエピソードと自分の思いを、ことばの教室の担当者や言語聴覚士は担当している子どものことを、きょうだいは自分の兄や姉、弟や妹の吃音のことを、作文に書くのです。作文を書くことがあまり好きではない子どももいるでしょうが、聞こえてくるのは鉛筆の音だけという中で、それなりに書いているようです。作文1作文2作文3
 僕たちは、どうしても書けないときはそれでもいいと思っています。書けない自分と向き合う時間も悪くないと思うからです。前日の話し合いの90分では、みんなで吃音のことを考え、翌朝はひとりで90分、吃音に向き合い、そして、作文の後、2回目の話し合いが120分あります。このサンドイッチになっていることが、吃音に向き合い、吃音の人生を考える時間を豊かなものにしてくれていると、密かに僕は思っているのです。

 みんなが作文を書いている時間、2階の学習室では、参加1回目や2回目など比較的浅い回数のスタッフ向けのサマーキャンプ基礎講座を開いています。1日目を過ごした後、キャンプについて、各自が気づいたこと、聞きたいこと、疑問に思ったことを自由に出してもらいます。「なぜ演劇活動が大きな柱なのか?」「実行委員会などの準備がないのに、どうして140名もの参加者の運営ができるのか?」など質問が出されます。長年スタッフをしているどもる人、ことばの教室の教師、どもる子どもの親と私が答えていきます。 それぞれが経験したことを大切にして、このサマーキャンプを味わってほしいと願っていますが、キャンプで基本的に大切にしていることは、きっちりと伝えます。それが、1年1年積み重なって、キャンプの伝統、文化になっていくのです。基礎講座

 もうひとつの平行プログラムは、午後からのウォークラリーの準備です。4つに分かれている生活・演劇グループごとに荒神山に登ります。それぞれのグループからリーダーが出て、自然の家の人との打ち合わせをします。その後、もう一度、独自に確認します。このリーダーは、すべてサマーキャンプの卒業生です。参加者として登ったことがあり、よく知っている荒神山ですが、グループのみんなのことを把握しながら安全第一で登るのとは少々勝手が違うようです。でも、子どもたち同士のつながりを大切にしながら、年上の子どもたちにも任せながら登るよう、心配りをしてくれているようです。そんな打ち合わせの時間でもあります。

 作文が終わるころ、基礎講座もウォークラリーの打ち合わせも終わり、次のプログラムが始まります。2回目の話し合いです。作文に書いたことをきっかけにして始まるところ、昨日の話し合いのつづきからスタートするところ、何を話し合いたいか宿題が出ていたところなど、いろいろな形で話し合いが始まります。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/9/26

第29回吃音親子サマーキャンプ 圧巻のスタッフの芝居とスタッフ会議

吃音親子サマーキャンプ2 スタッフの芝居・スタッフ会議

 芝居の事前レッスンに参加したスタッフにとって、初日のあわただしさはかなりのものです。出会いの広場が終わってすぐ、学習室に集合し、夕食前にリハーサルを半分。残りの後半は、夕食を短く切り上げて話し合いの前にリハーサルのつづきをします。
 事前レッスンの様子を大阪スタタリングプロジェクトの井上詠治さんが動画配信してくれているので、それぞれ復習してきているのですが、やはり動きや、出入り、人とのからみは実際に演じてみないと感覚がつかめません。小走りに移動し、リハーサルを終えて、話し合いの部屋に戻っていきました。

 一回目の話し合いが終わって、午後8時、全員が学習室に集合します。ここで、今年の芝居のスタッフによる上演が始まります。「いい芝居になるかどうかは、観客次第!」なんてことを言ってスタートします。

サマキャン 見本の劇1サマキャン 見本の劇2サマキャン 見本の劇3サマキャン 見本の劇4

 どもる大人がどもりながら芝居をする、その姿を間近で、どもる子どもも親もことばの教室の担当者や言語聴覚士も見る、この時間のもつ意味は大きいと思います。「大人になったら治るのではないか」と思っていた子どももいますが、そうではない現実を見ることになります。でも、それは悲惨なことではなく、あれだけどもりながら、いきいきと楽しそうに演じているということは、どもっていても大丈夫とことばに出して言わなくても伝わるのではないでしょうか。
 子どもたちは、スタッフの芝居を見て、自分はあの役をしたいな、この役がおもしろそうと、自分の姿を重ね合わせて見ています。親たちも、芝居に出ていないスタッフも、楽しそうに見てくれていました。でも、誰よりも楽しんでいるのは、演じているスタッフです。

 思えば、小学2年生の秋、学芸会でせりふのある役を外されてから66年。僕がどもりに悩むようになったきっかけの学芸会。もう十分に、その悔しさは取り戻せたように思います。

 長い一日が終わり、午後9時、スタッフが学習室に集まります。
 沖縄から関東地方から、全国から集まることばの教室の教師、言語聴覚士、大阪スタタリングプロジェクトのどもる人たちでつくるスタッフの輪は、圧巻です。

サマキャン スタッフ会議1サマキャン スタッフ会議2
 話し合いで出てきた話題、生活の中で気になったこと、いろいろなことが出されます。この時間、いつも、子どもたちのことをみんながよく見ていてくれるなあと感心します。
 そんな細やかな気遣いのできるスタッフが集まり、お互いに信頼し、温かいやわらかい雰囲気の中で、サマーキャンプは進行していっているのを感じています。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/9/25

第29回吃音親子サマーキャンプ 圧巻の「出会いの広場」

吃音親子サマーキャンプ1 圧巻の「出会いの広場」

第29回目を迎えた今年の吃音親子サマーキャンプ。今年のサマーキャンプは、8月17〜19日の2泊3日でした。会場の彦根市荒神山自然の家は、前日までの酷暑が一休みしたようで、涼しく心地よい風が吹いていました。2日目の朝の気温は、19度。青い空と緑の山と参加した人たちの笑い声が響く場は、別世界でした。

最近は、大阪スタタリングプロジェクトの若いメンバーが早い電車に乗って、会場に一足早く着いてくれます。参加者に渡すしおりや芝居の台本の製本を、その場でしてくれるのです。全国からスタッフが集まってくるサマーキャンプは、事前に実行委員会をもつことができません。当日、初めて顔を合わせる人も少なくないのです。事前の準備はなかなか完璧にはできないのですが、できるだけのことをして、当日を迎えることにしています。

そろそろ参加者が乗ったバスの第一便が着く頃だというときに、大体の準備が終わります。一年ぶりの懐かしい顔、初めて会う顔、みんなを迎えながら、サマーキャンプが始まる幕開けのわくわく感を味わいます。広い体育館のような集会室で、開会の集いが始まります。自然の家の人からオリエンテーションを受け、すぐフリータイムです。この間に、スタッフ会議をします。自己紹介、顔合わせ、プログラムの説明、話し合いのグループに分かれての打ち合わせ、これらを小1時間で行います。初めて参加するスタッフは、とまどいの連続だと思うのですが、いつのまにか、慣れて下さって、それなりに動いて下さっているのが、いつも不思議です。「対等」を重視しているキャンプでは、世話する、世話されるという関係がないので、自分から積極的に動くことが求められます。
サマキャン オリエンテーション

スタッフ会議をしている間、参加者は、部屋に入り、休憩したり、荷物の整理をしたり、おしゃべりしたり、自由に過ごしているようです。このときの様子は見たことがないので、みんながどんなふうに過ごしているのか、分からないのですが、次に全員が集まったとき、いきいきとした顔で学習室に入ってくるので、楽しい時間を過ごしていたのだなあと想像しています。

 まずひとりひとりの参加者をどこから来たかも含めて紹介します。名前を呼んで、その場で立ってもらいます。あたたかい拍手が全員に贈られます。沖縄など、遠いところからの参加者には、一段と大きな拍手がおきます。「ようこそ。よく来たね。これから3日間、よろしくね」そんな意味をこめた拍手です。受付ということをしていないので、これが受付代わりになっています。
サマキャン 開会の集い 伸二挨拶
 そして、最初のプログラム、出会いの広場がスタートです。千葉市立院内小学校のことばの教室担当の渡邉美穂さんが担当してくれています。参加者の気持ちを少しずつほぐすように進行してくれます。
サマキャン 出会いの広場 ゲームサマキャン 出会いの広場 神輿サマキャン 出会いの広場 パフォーマンス
 最後には、来年30回を迎えるサマーキャンプの前年祭の意味をこめて、「村祭り」の替え歌をつくり、それに振り付けで踊るという、最初のプログラムとしてはかなり難度の高いパフォーマンスを提示しました。任意でできたグループごとに20分ほどでできあがり、全員の前で披露されました。それは、見事なものでした。初めて参加した人もいる中で、この完成度には驚かされます。これが、吃音親子サマーキャンプの伝統、文化というものでしょう。
替え歌の歌詞だけ、紹介します。

々喊聖海凌斥佑痢〆Fはめでたい30年
 どんどんどもろう どんどもろう
 どんどんどもろう どんどもろう
 朝からきこえる どもる声

∋海亮然の神様の 今年もやるぞサマーキャンプ
 ワイワイ ガヤガヤ 勇気が出るぞ
 ワイワイ ガヤガヤ 力がでるぞ
 朝から楽しい サマーキャンプ

みんなと一緒に30年 作文 劇に話し合い
 緊張しても がんばる劇
 共感できる 話し合い
 みんなで楽しく 祝いましょう

ずGはめでたい30年 カレーにのるのはエビフライ
 こんこんこんこん こんにちは
 わわわわ 私は伊藤です
 みんなでどもろう サマーキャンプ

こんな幕開けでした。歌っているうちに、元気が出てくるようです。初参加の二年生の男の子が、神輿の上に乗ってすてきな笑顔を見せていました。
今年もいいキャンプになりそうな、そんな予感のする出会いの広場でした。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/9/24

東京大学先端科学技術研究センターでのイベント、終わりました

東京大学先端科学技術研究センターでのイベント、終わりました


9月7日、午後1時半より、東京大学先端科学技術研究センターで、「どもる人たちの当事者運動を振り返る 伊藤伸二さんを囲んで」というイベントが行われました。
東大イベント 先端研前
 これは、東京大学先端科学技術研究センターの大学院生の山田舜也さんが企画して下さいました。
山田さんは、昨年10月、大阪吃音教室に初めて参加され、その後、2度の新・吃音ショートコースや東京ワークショップ、吃音親子サマーキャンプでご一緒しています。東大スタタリングというグループを運営し、当事者研究についてもグループで取り組んでいる若きどもる当事者です。
 山田さんが所属する東京大学先端科学技術研究センターには、盲ろうを生きる福島智・東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野教授、車いす生活の熊谷晋一郎・東京大学先端科学技術研究センター当事者研究分野・准教授が所属しておられます。
東大イベント タイトル東大イベント 伸二講演
 僕が75分、お話した後、福島さんと熊谷さん、山田さんも登壇し、僕の話を受けた感想を語るところから、総合討論が始まりました。
東大イベント 福島・熊谷東大イベント 伸二
 僕は、この講演のお話を受けてから、いろいろこれまでのことを振り返りました。1965年の夏、大学1年生の時に入寮し、吃音治療に励んだ、東京正生学院での30日間は、僕にとってどんな意味があったのか、その秋に創立した言友会というセルフヘルプグループの持つ意味、言友会創立後10年の動きとその意味など、これまでも考え、語ってきたことだけれど、改めて資料を持ち出して考えました。その中で、僕は、自分の学童期までさかのぼりました。
 小学2年生の学芸会でせりふのある役から外され、その後、どもりに悩むようになったという話はよくしています。そのエピソードから、教師の配慮、配慮の暴力、対等に子どもと相談する必要性など提案してきました。そして、そのときに持ってしまった「どもりは悪いもの、劣ったもの、恥ずかしいもの」「どもっていれば、有意義な人生は送れない」「どもりを治さないと僕の人生は始まらない」などのストーリーのまま、僕は21歳まで生きました。
 21歳で別のストーリーを手に入れました。セルフヘルプグループで活発に活動していくのですが、小2から21歳までの「勤勉性のまったくない、無気力」のブランクがありながら、どうして学童期・思春期の取り戻しができたのか、それは、僕の学童期以前、小2以前の、両親からの基本的信頼感と、僕の非認知能力のおかげだったのではないかと気づきました。非認知能力は、ひとつのことに粘り強く取り組む力、内発的に物事に取り組もうとする意欲のことであり、忍耐力、社会性・自信・楽観性などですが、それがあったから、僕は、21歳のとき、方向転換できたのだと思います。言い換えれば、言語訓練より、非認知能力を育てることこそが、幼児期・学童期に大切なのではないかと思うのです。
 東大でのイベントに向け、いろいろと考え、準備する中で、整理したことをきっかけに、まとめてみました。
 
 盲ろうの福島さん、脳性まひで車いす生活の熊谷さん、それぞれの支援者・通訳者、そしてこの企画を考えてくれた山田さんたちのおかげで、充実した豊かな時間を過ごしました。盲ろうの福島さんとのコミュニケーションは、支援者のおかげで時間差がまったくなく、障害を感じさせないもので本当に驚きました。映像や本の表紙でしか知らない福島さん、熊谷さんと、楽しく話せたことは、不思議な感覚でした。
 「あの本の人、実物の伊藤がいる」と時々言われることがありますが、こんな感覚かと初めて思いました。どもりでよかったと思える瞬間です。

 平日なのに、関東地方の、吃音プロジェクトの仲間が参加してくれ、心強く感じながら、壇上にいました。また、会場には、元TBSのデイレクターの斎藤道雄さん、医学書院編集者の白石正明さん、「どもる体」の著者伊藤亜紗さんもいて下さり、それぞれが、僕の話はおもしろかったと感想を言って下さり、一所懸命考えて用意した甲斐がありました。
 どもる子どもの子育てについて、これまでもいろんな柱をたててきましたが、東京大学での今回の話が、今後の僕の話の中心的な話題となりそうです。

 今回のことで考えた事、とても大切なことがありましたので、おいおい紹介していきます。今回は、イベントが終わったことの紹介です。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/9/12

強烈な台風21号 大阪を直撃

強烈な台風21号、大阪を直撃

 9月4日、朝はまだ青空が広がっていました。早々と電車の運休が決まっていて、これで本当に台風がくるのかなと思うくらいでした。それが、突然、急変しました。
 午後1時過ぎ、空が暗くなったかと思うと、激しい雨風になりました。たたきつけるような雨と風です。
 東京大学先端科学技術研究センターでの講演の、パワーポイント、レジメ作成の最終の追い込みの時期だったのですが、ベランダの様子が気になります。風が強く、外の樹は大きく揺れ、マンション自体も揺れているように感じます。
 そして、午後2時半ころ、風が強くなり、窓ガラスも揺れています。こんなすごい風は、これまで経験したことがないなあと思っていた時、バキッと大きな音がして、ベランダにある、お隣の部屋との仕切り板が割れました。火事のときなど、ここを蹴破って避難して下さいとある、あの仕切り板です。お隣のベランダに置いてあった、ゴミ用のポリバケツ3個が、仕切り板を打ち破って、侵入してきました。そして、仕切り板がなくなったベランダを、ポリバケツは自由に左右に行き来していました。
台風 ベランダ 仕切り板
 風雨のピークは、午後2時から4時ころまででした。
 後でニュースで見るテレビの映像も、トラックがひっくり返る様子や樹が根元からなぎ倒される様子、工事現場の足場が崩れる様子、家の屋根がはがれる様子を映し出しています。台風で、こんなすごいのは、初めてかもしれません。昼間の直撃だったので、よけいにその思いを強くしました。
 夜もまだ風は強く、雨も時折強く降っていましたが、一夜明けて、5日は、さわやかな風と青空の朝を迎えました。
 今朝、かなり集中して、昨日、送るはずだったレジメをようやく仕上げて、送りました。
 やれやれと思い、ゴミを捨てに外に出てみると、マンションのゴミステーションのそばのフェンスが見事になぎ倒されたかのように曲がっています。
 買い物に行くため、車を走らせると、ところどころ屋根にブルーシートが掛けられている家や、屋根の瓦が落ちている家もありました。また、信号機が斜めを向いていて、どこを見て進めばいいのかとちょっと迷うところもありました。警察官が出て、信号機代わりをしている姿も見ました。
 夕方、近くの寝屋川公園をスロージョギングしてみると、太い木が根こそぎ倒れているのを何本も見ました。倒れている木で通れなくなっているところもありました。
 今年は、6月の地震、7月の水害、そして酷暑、今回の台風と、自然の恐ろしさを実感した年でした。
 自然災害は、我が家には直接の被害はもたらしていません。おかげさまで、元気です。電話やメールで心配していただいたので、現状をお知らせしたく、ブログで報告させていただきました。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二  2018/09/05

東京大学先端科学技術研究センターでの講演、近づく

東京大学先端科学技術研究センターでの講演が近づいてきました

 吃音ホットラインという、僕が開設している電話相談には、いろいろな人から電話がかかってきます。どもる本人、どもる子どもの保護者、ことばの教室の担当者や言語聴覚士など、どもる子どもやどもる人にかかわる臨床家、そして、看護師や保健師など援助職の方からも、電話があります。
 さきほども、新潟の看護師さんから電話があり、少しお話しました。そのとき、間近に迫った7日の、東京大学先端科学技術研究センターでの講演を紹介しました。来年の東京ワークショップのこともお伝えしました。
 直接お会いできる、なかなかない機会です。
 平日なので、難しいとは思いますが、間近に迫ってきたので、再度、ご案内します。


 東大スタタリングという自助グループを運営している山田舜也さんという人と、最近、いろいろなところでご一緒することが増えました。東京で開催する東京ワークショップ、関西で行った新・吃音ショートコース、そして終わったばかりの吃音親子サマーキャンプなど、濃密なおつき合いが始まったところです。その山田さんが、私を講師に、次のような内容で話しをしてほしいと、講演の企画を立ててくれました。

・どもることに悩んでいた大学生の頃の伊藤が、誰と出会い、どのような対話を通じて、どのように、どもることについての考えが変わっていったのか。
・50年の活動の中で、伊藤の考え方がどのように変化していったのか。
・言友会を創立して最初の10年ぐらいのエピソードで印象に残っていることはどんなことか。

 また、講演の後のディスカッションでは、今の吃音についてのメディアでの取り上げられ方や、若い世代のどもる人たちの活動など、今の吃音をめぐる状況が、伊藤にどう見えているのか、などについて話を聞きたいとのことです。

 平日の午後の開催というイベントですが、ご都合が合いましたら、ぜひ、ご参加下さい。

 東大先端科学技術研究センターのホームページからの案内です。

『どもる人たちの当事者運動を振り返る 伊藤伸二さんを囲んで』

概要:吃音者の自助グループ『言友会』を立ち上げ、世界で初めて、第1回吃音問題研究国際大会を開催するなど、日本の吃音の当事者活動の先頭に立たれてきた伊藤伸二さんをお招きし、これまでの吃音者の歩みを振り返り、話り合うイベントです。

登壇者(敬称略、五十音順):
 伊藤伸二(日本吃音臨床研究会会長)
 熊谷晋一郎(東京大学先端科学技術センター准教授/小児科医)
 福島智(東京大学先端科学技術センター教授)
 山田舜也(東京大学大学院博士課程/東大スタタリング主宰)

主催:東京大学先端科学技術センター 福島研・熊谷研

日時:9月7日(金)13:30〜17:00

場所:東京大学駒場競ャンパス先端科学技術センター3号館南棟 Eneosホール

プログラム:
  13:00    受付
  13:30    開会挨拶
  13:45−15:00 講演 伊藤伸二
            「吃音の当事者活動の50年を振り返って」
  15:15−16:00 総合討論 福島智、熊谷晋一郎、伊藤伸二、山田舜也
  16:15−16:55 フロアからの質疑応答
  17:00     終了

参加申し込み 〇疚勝´∀⇒軅茵´所属 を記入し、メールにてお申し込み下さい。
メールアドレス  info@bfr.jp

詳しくは、下記を参照して下さい。
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/events/index_ja.php#events434


日本吃音臨床研究会会長 伊藤伸二  2018/09/05

丁寧に、ことばを大切に生きる

新・吃音ショートコースの感想〜丁寧に、ことばを大切に生きる〜

 新・吃音ショートコースで出されたひとりひとりの問題や課題について、あるときは交流分析の手法で、あるときは論理療法で、あるときは当事者研究風に、関わりました。話題を提供した本人はもちろん、参加している周りの人たちのその場でのしっかりとした支えとその後のレスポンスが、充実していました。ニュースレター「スタタリング・ナウ」で紹介する予定です。ここでは、参加者の感想を紹介します。

・吃音を治す、改善するといった考え方でなく、うまくつきあう、吃音の自分を受け入れることを心がけていきたいと考えることができました。そのために必要な考え方として印象に残っていることばが「自分が自分を傷つけている。悩みは比較することから生まれる。要求水準の高さ」です。これらのことばは、吃音以外の悩みにも当てはまると思うので、自分自身の生き方を豊かにする材料にしたいです。もちろん悩むことがいけない訳ではなく、悩みをなくそうとは思いません。ただ、悩みに支配されない、前を向ける人間になろうと思います。
 そして一番大きいのが、吃音に対するプラスの誤解です。吃音が必ずしもマイナスなイメージではなく、誠実といったプラスのイメージにもなり、また、自分が抱えていた対人援助職として生きていけるかという不安も軽減されました。これが実際の場で定着するためには時間がかかるかもしれません。しかし、自分を大切にして、吃音とうまく向き合いたいと思います。

・「幸せになることは人間の権利であり、義務である。決心さえすれば、今からでもすぐに幸せになることができる」ということばに一番感銘を受けました。一日目に私の話を聞いてもらったとき、相手が自分を傷つけているのではなく、自分が自分を傷つけているということを言ってもらいました。自分で自分を苦しめていたんだと思います。
 自分のだめな考え方に気づく練習をしたり、相手の強みを認めてリスペクトしたりする、紹介されていた「ポジティヴ心理学」を学んでいきたいと思います。すぐにはできないでしょうけど、そのように意識して自分を大切にしていく姿勢を身につけていきたいです。自分の心が浄化できた2日間でした。多くの人のいろいろな考えや意見を聞くことができてよかったです。

・私は初めてこの会に参加したので、皆さんとお会いするのは初めてでしたが、そういった感じがしないくらいアットホームな場で、皆さんが「ここに来たらほっとする」とおっしゃっていた気持ちがよく分かりました。当事者研究では、皆さんが普段の生活の中でたくさん悩み、自分のことも周りの人のことも、とにかくたくさん考えて生きておられることが分かり、楽天的な私はいかに普段「なんとなく」生きているかを思い知りました。話し合いの中で出てきた「ていねいに、ことばを大切にしながら過ごしていく」ということをモットーにしてこれからより良く生きていこうと思います。ことばの教室が子どもたちにとっての安全基地にできるように、これからの教室経営を考えていこうと思います。

・ただなんとなく参加をしただけなのに、たくさんのことを学ばせていただきました。「強みを探す」ということばが心に残っています。「いいところをさがす」は、よく聞くことばですが、嫌いな人の特徴はどうしても「いいところ」とは考えることができずにいました。「強み」と考えることで、人と問題を切り離して考えることができるような気がします。まだしっかりと把握できているわけではありませんが、楽になりました。
 声を出すレッスンは楽しい時間でした。普段は大きな声をあまり出すことがない自分が、大きな声で歌った時、気持ちよかったです。

・普段は、ことばの教室で関わる、子どもや保護者のことを考え、自分のことはついつい後回しにしていました。この2日間で、皆さんのことを通じて自分の今を振り返ることができました。人の中で生きたいと思いつつ、人との関係について悩み苦しむこと、みんなもそうかと思ってほっとしたところもあります。今回、人との関わりで悩みながら今日まで過ごしてきたことを、ひとつひとつ確かめることができました。相手をリスペクトする、相手の強みを見つける、1年経ったときに自分の気持ちをそっと伝える、などです。ああ、よかったんだ、なんとなくではなく、私なりにきちんと丁寧に取り組んできたんだと、心がすーっとしました。私、すごい!と思って日常に戻ることができます。これからは、なんとなくに流されず、ていねいに自分をみつめていきたいと思います。

 ひとりひとりの感想は、真摯に自分をみつめ、自分のこととして考えたこの2日間の充実した時間を仲間と一緒に共有できたことへの感謝であふれていました。このような時間をともに過ごすことができ、僕もとても幸せでした。
 来年も、同じ時期に、第4回新・吃音ショートコースを行いたいと思っています。
 真剣に人生を考える人たちと過ごす時間は、心を豊かにします。
 よかったら是非。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二   2018/09/01
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