伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2017年01月

どもりそうな時、どんな手を使っても話す

 言い換えは、ことばの魔術師、得意技   「学習・どもりカルタ」より

 2017年 東京ワークショップ 簡単報告

 第5回目となる、東京での伊藤伸二・吃音ワークショップ。毎回、新しい出会いがあり、刺激を受けます。
 今回は、半年前くらいにホームページから問い合わせがあり、「スタタリング・ナウ」の定期購読をして下さっている公認会計士の男性、ホームページの案内を見て前日に申し込んで下さった外資系のコンサンティング会社で働いている男性、昨年夏のサマーキャンプに参加した高校1年生の女子、以前サマーキャンプに参加したことがある高校2年生の男子とその母親、どもる幼児の指導をしている言語聴覚士、ことばの教室の担当者など、様々な立場の人が参加して下さいました。

 午前10時から始まったワークショップは、どもる人の人生が語られる温かく深い雰囲気の中で進んでいきました。
 たくさんの吃音に関する書籍の中で、「吃音は治る・改善する」には一切目を向けず、僕の「吃音とともに豊かに生きる」主張の僕の書籍をかなり読んでいる、公認会計士のAさんは、吃音は治らないだろうし、治せないだろう、吃音を受け入れて生きていこう、そう心に決めました。そう決めたものの、時に、そうできない自分に気づき、悩み、生きづらさを感じています。そんな彼と、いつのまにか、対話が始まっていました。

A 職場で仲間が聞いている中で電話をしないといけないことが多いと思った瞬間から、電話のことばかり考えてしまって、電話への不安から能率が悪くなる。不安や嫌だなあと思う気持ちが長く続き、それを消すことができない。伊藤さんの本をいろいろ読んだ。10歳ころにどもり始めて、今までに変化はない。だから、吃音は治すものではないと本能的に思ったから、どもりながら話していこうと思っている。「治す」と「治さない」があったら、僕は、「治さない」の方だとは思っている。でも、吃音を受け入れようとしている僕が、どもらないようにと、言い換えをすると、後ろめたい気持ちになる。言いたいことを、どもって言えるようになるのが、僕の考えるゴールなんですが。

伊藤 ゴールの設定がまずいな。言い換えてしまった自分に後ろめたさを持つのはやめましょう。アメリカの研究者・臨床家の中には、言い換えしないでごまかさないで言うべきだ、吃音と向き合うのなら突破すべきだという。でも、これは、非現実的。どもる本人が言い換えなしではなすなんて無理です。
 今、僕はこうしてしゃべっているけれど、いっぱい言い換えをしている。その言い換えは子どものころからしているので巧妙で、無意識になっている。言い換えをしたという意識すらない。言い換えは、どもる僕たちの生きていくためのサバイバルと考えよう。近視の人に、近視は治せないが不自由を減らすために、眼鏡がある。どもる人にとって、ことばの言い換えや、ことばが詰まったとき、言いやすいことばを先に持ってきたり、「あのー、えー」と言ったり、語順を入れ替えたりして、僕たちは生き延びてきたんだ。その才能と工夫を全肯定する。

 不登校になった子に、本当につらくなったら、逃げてもいいよと僕たちは言う。選択肢の中に、逃げるということを入れるのは、とても大切なこと。どんな手を使っても、自分がしたいと思った仕事は、やり続ける。目の前の相手と話をする。これは逃げるけれど、これは逃げないと自分の中でメリハリをつける。強行突破もいいけれど、選択肢は多い方がいいと思う。

A 僕がどもるということを知っている人は多分いないと思う。

伊藤 どもりを改善すること、軽くなることが幸せにつながると思い込んでいる言語聴覚士やことばの教室の担当者は多いけれど、そうではない。卒業式で子どもの名前を呼ぶのに困った先生がいたが、同僚、校長や教頭、クラスの子どもたち、保護者に、自分のともりのことを伝えて、卒業式を乗り切った。

A 同僚には言えたとしても、初めて電話する相手には伝えようがない。

伊藤 落語家の桂文福さんは、言いにくい固有名詞の前にいろいろつけている。つけても悪くない、かっこいいものはないかな。郵便局員が、亀有郵便局に転勤したひとがいて困っていたけど、「かめあり」が言えないとき、どうしたらいいと思う。

A えー、あーをつけるくらいしか思い浮かばない。

伊藤「か」をやめて「めあり郵便局」と言う。これでも十分通じる。通じさえすればいい。アナウンサーと比較しないで、要求水準を下げる。仕事さえきちんとすれば、電話でどもってもいいのだという覚悟を決めることだ。どんな手を使っても、ぎりぎりまでしのぐ。そして、最後にはどもってもいいと覚悟を決める。言い換えはサバイバルであり、芸であり、技だ。

A 治すか、受け入れてどんなにどもっても言っていくのふたつの選択肢を持っていなかった。

伊藤 どもる子どもたちにも必ず複数の選択肢をもつようにと言っている。吃音以外のことでも、選択肢の幅を広げられたらいい。生きやすくなる。

A どもれるようになろう、に結論を置いていた。でも、そうではなくて、なんとかことばが出るようにいろいろな手を使って、サバイバルして、どうしても出ないときは、どもって言う覚悟を決めましょうということですね。

伊藤 そう。相手に伝えるということを一番大事に考えたら、何でもあり。大事にしたいのは、人と人との関係。ギリギリまで悪あがきをしたらいい。そして、最後はどもるに任せる。

 昼食休憩の1時間をはさんで午後5時まで、ワークショップは続きました。
 また、後日、「スタタリング・ナウ」などで、このワークショップでの報告をしたいと考えていますが、こうした時間を過ごすと、僕は、このような時間が好きなんだなあと、つくづく思います。小さな集まりで、目の前の相手とやりとりをしながら、深く話を聞いていく。その中で僕自身も自分のことを語る。そして、周りの人が、その人を、その場を支える。この形が、今一番好きなスタイルです。

東京ワーク 全体

東京ワーク 話を聞く伊藤

 小学校2年生の秋から、吃音に深く悩んできた僕は、21歳で吃音を治すことをあきらめ、同じようにどもる仲間と対話を続けてきたことで回復してきた経験をもっています。言語訓練ではなく、哲学的対話が大切、その確信を新たにした東京ワークショップでした。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017/01/29

空前の落語ブーム

看板1看板2鈴本演芸場

もうずいぶん前になったような気がしますが、年末年始の話題です。
東京では、大好きな落語も楽しみました。
年末と年始に、落語を聞きに、寄席に行きました。

僕はずいぶん前から落語は好きで、大阪のサンケイホールで桂米朝一門の会にはよく行きました。桂米朝が脂ののりきっているころの大ネタ、『地獄八景亡者戯』(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)は、もうずいぶん前なのに、鮮明に思い出される落語のひとつです。上方落語しか知らなかったのですが、立川志の輔を好きになってからは、新年のパルコでの公演には、その落語のためにだけ何度か東京へ行ったことがあります。パルコ劇場の建て替えで公演が中止になりましたが、その代わりに、志の輔が全国各地に行って、落語会をするということになったようです。そのファンクラブに入っているので、先行予約ができるのですが、応募しても予約がなかなか取れません。

 さて、12月28日、東京へ行くたびに訪れる浅草に出かけました。
 浅草は、僕の大好きな町です。そもそも東京の下町が好きなのですが、浅草は特別の思いがあります。コント55号を見たのも浅草が最初でした。また、大学生の頃、大学紛争のまっただ中であったためか、何度か、職務質問されました。目つきが鋭かったのか、悪かったのか、全学連の闘争が激しかった頃だからなのか、よく呼び止められました。どもると、よけいに怪しいと思われたこともあったのかもしれません。あまりたびたび職務諮問されるので、遊んでやろうとのらりくらりと答えて、最後に学生手帳を出したりしました。

 その浅草には、浅草演芸ホールがあります。午後6時過ぎ、ふらっと前を通りかかると、「年忘れ二つ目の会」をしていました。昼夜入れ替えなしということで、長くいる人は、午前11時40分から、夜の9時ころまで、いることもできます。終演まではまだ何人も出演するので、入ることにしました。
 二つ目は、真打ちの前の人たちで、上に上がろうと必死にがんばっている人たちです。落語家は、この二つ目を通り、真打ちとして成長していくのですが、たくさんいる中で、真打ちとしてあがっていくのは本当に大変なことでしょう。この春に、真打ちに昇進が決まった人もいました。柳家ろべえは小八に、春風亭朝也は三朝に名前が変わるそうです。さすがに気合いが入っていました。
 落語家にとって、声は命。プロになると、滑舌の良さ、みたいなものも大事なのでしょうか。聞き取りにくい人とどんなに早口でも聞き取りやすい人がいます。母音がしっかり出ているかどうかなのだろうと、竹内敏晴さんのレッスンを思い出していました。
 一所懸命がんばっている姿に、若手芸人さん、がんばれ、そんな気持ちになりました。


 1月1日は、鈴本演芸場で、吉例落語協会初顔見世特別公演 正月初席 新春爆笑特別興業がありました。
 志の輔の地方公演の予約がとれなかったので、今回、志の輔をあきらめて、鈴本演芸場の正月公演に行くことにしました。
 鈴本演芸場は、上野にあります。上野も大好きな町です。間口はあまり広くはなく、閉まっていれば通り過ぎてしまうほどです。正月は、特別興業が組まれていました。第三部は、夕方5時30分から始まります。柳家小三治、柳家三三、柳家喬太郎など、好きな落語家が出演するので、この第三部を予約しました。
 小三治は、もうずいぶん前ですが、盛岡市で開かれた親の会の全国大会で記念講演の講師として呼ばれていったときに、話を聞いたことがあります。
 今、空前の落語ブームとか。寄席がまだ空席が目立った時代を知っているので、今、なぜブームなのかと不思議な感じがしますが、いい落語家が育つのはうれしいことです。ことばひとつで、そこの空間に場を作り出す、落語のすごさをいつも感じます。
 
 鈴本演芸場では、終了する午後8時40分まで、たくさんの芸人さんが出演します。ひとりひとりの持ち時間は短く、少し物足りない気もします。長い時間、たっぷり聞きたいので、それぞれの独演会に行ってみたいと思っているのです。 今年も、寄席に足を運び、落語を楽しもうと思いました。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017年1月28日
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どもる子どもにとって、なぜ、対話が必要か

 年末年始の東京での滞在が、遠い過去のできごとのようになってしまいました。
 気を取り直して、3連休の東京行きの目的のひとつ、吃音プロジェクトの合宿の様子を報告します。吃音プロジェクトとは、日本吃音臨床研究会の中で、どもる子どもにかかわることばの教室や支援学教などの教員と、言語聴覚士でつくっている「吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会」の略称です。

吃プロ合宿

 合宿は、1月7日の午後からスタートしました。会場は、滝野川会館と北とぴあです。
参加者は、遠い沖縄、鹿児島、兵庫、大阪、愛知、栃木、千葉、神奈川などから、全員で14人です。交通費と時間を使い、参加して下さることに、仲間としての深い感謝と敬意を感じています。

 2017年のテーマは、吃音哲学。レジリエンス、当事者研究、ナラティヴアプローチ、オープンダイアローグなどの理解と、それをどう吃音哲学と結びつけ、ことばの教室での実践に活かしていくのか、考える場にしたいと思っていました。

 もうひとつは、どもる子どもたちのグループ指導のあり方です。全国的な流れかどうかは、明確ではありませんが、どもる子どものグループ指導をしていることばの教室は少なくないように思います。個別指導も大切だけれど、グループ指導で得られるものもとても大きいと思っています。加えて、新しい担当者がどんどん増えていく中で、1時間の授業の組み立て方も、提示していけたらいいなあと感じています。その中に、僕が提案する対話のレッスンや日本語のレッスンをどう入れていけばいいのか、具体的な提案をしたかったのです。
 
 これまで何度も会い、濃い時間を過ごしているにもかかわらず、それぞれが、ことばの教室で、指導の1時間をどう過ごしているのか、出し合ったことはありませんでした。ひとりひとりが、子どもがことばの教室に入ってきてから、どんなことばをかけ、指導がスタートするのか、話していきました。これはとても興味深いものでした。普段の様子から、らしいなあという時間の使い方が見られたし、自分のことばの教室でのあり方をふりかえる時間にもなりました。自分のスタイル、個性、地域性を大事にしながら、たとえば、こんなこともできそうだよという提案ができそうです。

 レジリエンス、当事者研究、ナラティヴアプローチ、オープンダイアローグなどを共通の理解として押さえておく基本的ポイントも確認しました。
 対話の大切さを言っていますが、なぜ大切なのだろうか、をみんなで出し合いました。一人で考えていたら、ここまでは出ないだろうなというような内容が、たくさん集まれば、どんどん出てきます。たとえば、こんなことが出ました。

なぜ対話が必要なのか。
・しっかり聞いてもらうために、認めてもらうために。
・対等性を保つために。
・ともに考えるためのツールになる。
・ことばは思考の道具と言われるが、対話によって、語れるようになれる。レジリエンスで大事なのは洞察で、洞察のためには語ることが大切。
・多様な考え方ができる。たくさんの考えに触れ、不登校が解消していった例もある。
・語ることのできる場が大事。場をつくっていくことによって、参加している子どもたちは、今度は自分で場を作れる立場になっていく。その練習にもなる。
・自分がないと対話は成立しないから、自己概念が確立できる。
・素の自分、裸の自分になれる。
・対話の中で、ヒットすることばに出会うと、それが行動に移すきっかけになる。
・対話するには、相手が必要。応答する力のある相手が必要になる。そして、返ってきたことに喜びをみつける。
・考えるようになる。
・ことばを大事にするようになる。ことばは万能ではないけれど、ことばの力を信じることができる子になる。
・自分をみつけることができる。
・言語化することができる。
・新しい価値観をみつけることができる。
・多様性を認めることにつながる。
・変わる力につながる。援助者の方が先に変わってもいい。
・話すことが好きになる。
・伝える力があることに気づく。
・生きやすさにつながる。つまり、自分の環境を自分の力で変えていくことができる。分かってくれない人間ばかりの中でも、伝えていかないと生きていけない。吃音に対して、理解してほしいと言うだけではなく、目の前の人に自分のどもりのことを伝える力が大事。それが生きていく上で、理解の輪を広げていくことになる。
・話す量を増やすことになる。おしゃべりな人間になり、それは結果的に言語訓練になる。

 合宿は、7日の午後からスタートし、夜の10時まで続きました。翌日の8日は、北とぴあで、伊藤伸二・東京ワークショップがありましたが、それが終わった後、午後6時から10時まで。最終日の9日は、渋谷でのイベントの直前まで続きました。
 参加した人が、たった3日だけれど、1週間にも2週間にも感じる濃い時間た゜ったと表現していました。
この熱気は、今年1年間の活動を支えてくれるに値するエネルギー源になりました。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017/01/27

どもりカルタ


どもりカルタを作ろう

 毎年、新年1回目の大阪吃音教室の講座は「どもりカルタを作ろう」が恒例になっています。
今年でこの講座は11回目です。11回目になるにもかかわらず、毎年毎年違うネタが出てくることには驚きます。それほどどもりのエピソードが多くあるということなのでしょう。それをカルタにすることによって大阪吃音教室の人たちと笑い合いながら共有できるこの時間は、すてきだなあと思います。

 講座の初めに、実は日本吃音臨床研究会が作成・販売している「学習・どもりカルタ」は、隠れたベストセラー、ロングセラーだということをお話しました。全国のことばの教室で、担当者の先生がどもる子どもたちと一緒に使って下さっています。それだけどもりカルタに魅力があるということなのでしょう。そこで、<私にとってどもりカルタの魅力とは>について、聞いてみました。

・考えるきっかけになる。年末に埼玉県越谷市に講演に行ったとき、自分が作ったどもりカルタを持ってきてくれた女の子がいた。読み札のひとつについて聞いてみたら、うまく答えられなかったようで、その子がショックを受けて、その後の話し合いに参加できなかった。しっかり考えていたので、うまく答えられなかったことが残念だったようだ。考える力があり、考えたからこその出来事だったといえる。
・読み札には、過去のエピソードがある。その過去の体験を、カルタを作ることで客観的に見ることができるし、少し気持ちも軽くなる。当時は悩んでいたものが変化する。
・日常生活で、困ったりどもったりしたときに、ネタができた!と思える。それによって、悩むことが軽減される。
・自分の体験を普遍的なものにできると同時に、私はこうだと個別化もできる。
・どもりを肯定的にとらえている仲間でカルタづくりに取り組むので、吃音を否定的に考えることにはならず、肯定的にとらえることにつながっていく。
・カルタのいいところは、五七五にこだわらないところで、川柳や短歌などと比べて、幅広く考えられる。絵を思い浮かべるので、考えやすいこともある。
・ひとりで考えてから、チームで作り上げるので、個人で考えるのとチームプレイで考えるのと両方のおもしろさを味わえる。

 これら出てきたどもりカルタの魅力については、今後、宣伝用に使わせていただこうと思いました。

 どもりカルタの講座は「読み札を作る」→「絵札を作る」→「読み札を味わう」→「カルタとり」の順に進められます。

‘匹濟イ鮑遒
 4つのグループに分かれて、読み札を作りました。今までの自分の経験を思い出し、まずはひとりで作り、それをグループ内で発表して、修正していきました。どもりにまつわるエピソードは共有・共感できるものが多く、話が弾んでいました。初めは静かに作っていくのですが、だんだんにぎやかになり、笑い声も大きくなっていきました。
どもりカルタ 読み札つくり2

絵札を作る
 読み札が完成したら次は絵札作りです。読み札を作る時に絵札のことを考える余裕がなかったグループは、いざ描こうとしてもなかなか描けず、苦労していました。
どもりカルタ 絵札つくり

F匹濟イ鯡わう
 ホワイトボードに書かれた全ての読み札を一つ一つ読み上げていき、絵札も同時に上げてもらいました。「なるほど」とうなずいたり、「なんやねん、それは」と思わず苦笑いが出たり、44文字そろうと圧巻です。一通り読み上げた後、自分が気に入った読み札に手を挙げてもらいました。(一番得票の多かったものは、以下の読み札一覧のところに☆印をつけました)どもりで同じような思いをしてきたからこそ、共感でき笑い合えるのだと思います。

ぅルタとり大会
 みんなで作り上げたカルタ(絵札)を床に並べ、読み札づくりのときのグループでの対抗戦です。みんな真剣にカルタを見てダイビングして取りに行く人、声で圧倒する人もいました。前半が終わったところで途中経過の発表。ほぼ横一列です。すべらないよう、けがしないよう、気をつけて後半戦に入りました。そして、最終の結果発表。4グループの結果は、11枚、11枚、12枚、10枚と、これまでにない接戦でした。大人が、キャーキャー言いながらカルタとりをするなんて、なんともいえない平和ですね。なんだか元気が出てきます。
どもりカルタ 床に並べた
どもりカルタ かるたとり2


2017年 どもりカルタ 読み札一覧

あ 明日はね きっと 天ぷら定食 食べてやる
い 要らんことばほど すっと出る
う うまかった!! どもって言えた オムライス
え 映画の中に どもり出てきて 胸がドキドキ
お おとといも昨日も今日も どもってる きっと明日もどもるだろう

か ☆壁ドンしたけど 声は出ず
き 今日もまた 飲んで どもって 寝るだけか
く 口よりも 脳が速く 回転し
け けんかしても どもりのせいで 妻に負け
こ 公表を するもしないも バレている

さ さあ今日は どもって言うぞと 決めたのに
し 知ることが どもりに向き合う 第一歩
す すっと出て つい気が緩み どもりだす
せ 専門家 治してなんぼと 勘違い
そ 騒々しいときを狙って 電話かけ

た たびだちは どもだちたちと 共に行く
ち 注文は メニューを見て 指をさす
つ つまっても どもらないふりする 音読の時間
て 手振り身振り 名前出てこず 変な奴
と どもだちは どもったおかげで できました

な 泣くもんか たとえ どもりと言われても
に にいちゃんも 確か 昔は どもってた
ぬ ヌートリアみたいに どもりも のさばろう
ね ねえちゃんも 確か 昔は どもってた
の NOどもり NOライフ

は 腹決めて 挑んだ発表 よくどもる
ひ 被告人 ひどくどもって 罪軽く
ふ 不思議だなあ どもった方が 伝わった
へ 返事出ず つくり笑顔で ごまかした
ほ ホッとする 留守宅訪ねた セールスマン

ま まいったなあ ああ 順番が 回ってくる
み みんな黙って聞いている たとえ 本読み どもっても
む ♪むすんで ひらいて 手をふって どもって♪
め メニュー見て 指さすだけで 用足りる
も もめごとに なったら オレはどもらない

や やってもた どもって声出ず ピンポンダッシュ
ゆ ユーモアで 乗り切りたいな 連発も
よ 呼び出し音 忙しいフリして やりすごす

ら 楽にして 力を抜いても ことば出ず
り リハーサル してもしなくても どもります
る 留守電に 一度も しゃべったことがない
れ 練習は 話して話して 話すこと
ろ ロマンチック どもりどもって 愛の告白

わ ワンダフル どもり語だらけの 吃音教室

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017/01/24

胸に響いた第九


第九コンサートホール

ウクライナ国立歌劇場管弦楽団による第九の演奏

2016年末、東京で過ごしたときのことをまだ書いていなかったので、少し書いていきます。

 年末といえば、第九。第九を、昔は、レコード、ラジオ、テレビで聞くことはたびたびあっても、年末に、生のオーケストラで聞く機会は、これまで残念ながらありませんでした。上野公園を歩いていて、東京文化会館に行くと、あちこちのコンサートホールの催し物のチラシが置いてありました。その中からみつけたのが、12月29日、東京オペラシティコンサートホールでの催しでした。

 ウクライナ歌劇場管弦楽団 名門オペラハウスが奏でるベートーヴェン不朽の名作。響き渡る圧巻の“歓喜の歌”と、チラシにはあります。ベートーヴェン「エグモント」序曲 作品84 と、同じくベートーヴェン交響曲第9番ニ短調 作品125 「合唱付き」です。

 チケットが無いまま、会場に行ってみました。当日券は、1時間前に発売されるとのことでした。当日券はステージの後ろ側だけでした。それもすぐに完売でした。待って買えてよかったです。

 東京オペラシティコンサートホールは、とてもすてきな会場でした。音響効果のいい木を使った建物です。席は、ステージの後ろ側の2階の席。演奏する人たちの顔は見えません。後ろ姿しか見えません。でも、指揮者の顔はばっちり見えます。指揮者は、ミコラ・ジャジューラ。エネルギッシュで、表情が豊かで、演奏者ひとりひとりを際立たせ、細部にまで心を配って、指揮をしていました。その豊かな表情の顔や音楽に合わせて動く姿を見ることができ、とてもラッキーな席でした。
 ウクライナ国立歌劇場管弦楽団は、総勢70名を超す大所帯で、後ろにずらっと並んだ合唱団の人たちも100名を超えています。そして、ソプラノ、メゾ・ソプラノ、テノール、バリトンの4人もいます。

 今、オープンダイアローグの本を何冊か読んでいます。その特徴のひとつが、多声的な対話によって、新たな理解が生じるとする、ポリフォニーです。目の前の演奏者の姿、楽器をみながら、聞きながら、これがオープンダイアローグの目指すところかと、納得したのでした。

 生の演奏は、迫力満点でした。歓喜の歌は、よく知っていますが、演奏と合唱で、厚みが増し、厳かでいて、からだが弾んできます。おなかに響いてくる大迫力でした。
 毎年、年末に第九の演奏があちこちでされる訳が分かったような気がしました。演奏と歌声に包まれ、幸せな気分になりました。

 僕たちの年末の恒例の行事になりそうです。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017/01/16

どもりについて語ろう、吃音哲学のすすめ


 これまでの吃音ショートコースは2日3日で宿泊をともなう7ものでした。20回目のナラティヴ・アプローチを最後に20年の歴史の幕を下ろしました。これからは、これまで学んできたことを実際に生活の中でどう生かしていくか、みんなで考え、取り組むものになります。初めての人も、安心して参加できるように、ゆっくりとしたペースで進みます。どもる人も、ことばの教室の担当者も、言語聴覚士も、吃音に関心のある人なら、誰でも参加できます。宿泊は各自で確保していただくことになりますが、後は自由です。
 「吃音についての語らい、学びの場」になるよう、伊藤伸二もいろいろと考えています。とてもいいどもる仲間や、ことばの教室の教師に出会えます。興味のある方、ご参加下さい。
 
 
2016年度  新・吃音ショートコース 2017年1月21日〜22日

  吃音哲学〜吃音の豊かな世界への招待〜

 精神医学、臨床心理学、教育学、演劇など幅広い領域の、第一人者を講師に迎えて学び、体験してきた吃音ショートコースは、昨年の21回を最後に終了しました。

 これまでの吃音ショートコースの21年間で学んだのは、論理療法、アサーション・トレーニング、交流分析、認知行動療法、ゲシュタルト療法、当事者研究、内観、建設的な生き方、トランスパーソナル、からだとことばのレッスン、笑いとユーモア、サイコドラマ、ナラティヴ・アプローチなどでした。

 今後は、これらを、日常生活に、これからの人生設計に、また、どもる子どもの支援にどう活かすかを探っていきます。今、生活であまり困ることがなくても、こう考え、こう取り組めば、より楽しくより豊かに生きることができる。今回の新・吃音ショートコースは、そのような視点で生活、人生を見つめ直す場にできればと考えています。吃音を切り口に、生きることを考える「吃音哲学」が今後ずっと続くテーマです。

 最初からきちんとしたプログラムができているわけではありません。とりあえずのおおざっぱな流れはあるものの、参加者の希望や要望で、変えていく、柔軟な企画です。今、ここで感じたことを率直に出し合い、対話を通して自分に気づき、他者に気づいていく、そんな時間を共有していただければと思います。

 事前に希望、要望、提案をしていただければ、それに沿ったプログラムを組み立てます。遠慮なく提案して下さい。当日でも構いません。その場で、自分のこと、グループのこと、どもる子どもへの支援のあり方など、生活、人生を振り返り、今後の展望を考えましょう。ご参加をお待ちしています。


日時 2017年1月21・22日(土・日)

場所 尼崎市立園田地区会館
    〒661-0953 兵庫県尼崎市東園田町4-12-4 TEL 06-6493-0140
       最寄り駅:阪急神戸線「園田」駅から北西へ徒歩8分。
           「園田」駅は、大阪(梅田駅)から4つ目の駅です。

主催 日本吃音臨床研究会・伊藤伸二
    〒572-0850  寝屋川市打上高塚町1-2-1526   TEL/FAX   072-820-8244

参加費 5,000円(宿泊費・食事代は各自ご負担下さい)
     宿泊、ホテルは各自でご予約下さい。大阪市内ならどこでも便利です。

問い合わせ先 日本吃音臨床研究会
    〒572-0850  寝屋川市打上高塚町1-2-1526   TEL/FAX   072-820-8244

参加申し込み方法 申し込み書に必要事項を記入し、FAXか郵送でお申し込み下さい。

参加費の送金 申込書の送付と同時に、郵便振替用紙をご利用の上、ご送金下さい。
 加入者名 日本吃音臨床研究会  口座番号 00970−1−314142
 送金の際の半券を、当日、受付でご提示下さい。半券が、参加証になります。

プログラム案 (↓きイ瞭睛討牢望により組み立てます)

21日(土)

13:00~ 受付

13:30~15:00 セッション ―于颪い旅場・自己紹介…新しく出会う人が互いに知り合うと同時に、2日間で何をしたいか出し合い、2日間の計画をみんなで考える時間。

15:00~17:30 セッション

17:30~18:30 夕食

18:30~20:30 セッション 発表の広場…どもる人本人は自分の体験を、どもる子どもの親は子どもとのかかわりでの体験を、ことばの教室担当者やスピーチセラピストの方は実践を、研究者の方は研究を発表し、参加者全員で分かち合います。
 発表希望者は、申し込みのときにご連絡下さい。要項をお送りします。

20:30~

 22日(日)
9:00~11:30 セッション

11:30~12:30 昼食

12:30~15:00 セッション

15:00~16:30 セッションΑ,澆鵑覆埜譴蹐Ε謄ーチイン…参加者全員で吃音ショートコースを振り返ります。

セッション↓きァ‘睛討鰐つ蠅任后たとえば、こんなことができそうです。

☆公開面接<対話>…今、困っていること、悩んでいること、みんなで考えたいことがあれば、伊藤伸二と対話をして、今の課題を明らかにして、展望を探ります。
 
☆当事者研究…今、困っていること、悩んでいることについて、当事者研究の手法を用い、やりとりをしながら、今後の対処を明らかにしていきます。

☆論理療法、交流分析、アサーション、認知行動療法などのエッセンスを学ぶ…今まで学んできたものを生活に生かす具体的方法を探ります。初めての人もよく分かるものにします。

☆大阪吃音教室、ことばの教室のグループ学習体験…参加者の希望に沿って、その場で、これらを開講します。

☆日本語のレッスン…言語訓練とは違う、日本語のレッスンを体験します。日本語の発音・発声の基本を学び、日常生活の中で使えるトレーニングです。歌を歌ったり、詩を読んだり、芝居のせりふを言ったり、からだを動かし、声を出す楽しさを味わいます。


日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017/01/14

吃音のドキュメンタリー映画上映と、一ノ瀬かおるさんとのトーク

 1月9日、渋谷で開かれた「The Way We Talk」上映会とトークの集まりは、60名が参加して、楽しく、有意義な集まりになりました。それは後日、詳しく紹介しますが、大阪での企画のお知らせです。
 人が集まるお寺として有名な應典院(おうてんいん)で、毎年幅広い団体が参加する、應典院コモンズフェスタ2017参加イベントとして、この企画がされました。

 トークのゲストは、一ノ瀬かおるさんです。一ノ瀬さんは、漫画家として活躍する一方で、北海道浦河の「べてるの家の当事者研究」に強い共感と関心をもち、向谷地生良さん親子を大阪に迎えて事前の学習をするなど、準備を続けてこられました。そして、昨年10月、大阪大学で、530名が参加した「当事者研究全国交流集会大阪大会」を運営委員長として開催されました。大阪の地に当事者研究を根づかせた人です。

 その一ノ瀬さんをゲストにお迎えし、アメリカのどもる人、マイケル・ターナーが作った吃音の映画「The Way We Talk」の上映会とトークを行います。 
 マイケル・ターナーさんが日本に送ってくれたこの映画に、仲間が日本語字幕をつけました。大阪吃音教室の映像も、映画の重要なシーンとして使われています。
 吃音に限らず、現代日本で生きづらさを感じて暮らしているすべての人に、ご覧いただきたい映画です。
 お知り合いをお誘いあわせの上、観に来て頂ければ幸いです。

The Way We Talk
−私たちの話し方−
「自分らしく生きること」
カシー・クイン,MS CCC-SLP
ポートランド州立大学言語病理学助教授

 この映画の製作者であるマイケル・ターナーが初めてポートランドのサポートグループの例会に参加したのは4年前のことである。このことがきっかけとなって、多くの人の心を捉えるこのような魅力あふれる映画を作ることになるとは、彼自身夢にも思わなかっただろう。 映画では、マイケルの家系にどもる人が多いことや、吃音にまつわる人生の数々が語られるのだが、それ以上に深い洞察を観るものに与えてくれる。これはマイケルが吃音を受け入れていく心の旅であり、映画を観るわれわれはいつしか共に旅をしていることに気づくのである。

 吃音は表面的な症状として、音の反復や、引き伸ばし、ブロック、そして随伴行動としてチックなどが挙げられるが、マイケルは映画の中で、吃音を氷山に例え、吃音の主要な部分は水面下に隠されていると説明している。彼自身、自分の吃体験を探求しながら、セルフヘルプグループのメンバーのそれぞれの物語を紹介している。そして吃音のために孤立し、生きにくさを感じている人たちが、ありのままの自分を受け入れ、自分らしく生きようとする姿を丹念に描いている。それは、吃らなくても、生きにくさや孤独を感じている人たちも共感を覚えるはずだ。
 
 長いあいだ、われわれの仕事は「援助職」として分類されてきた。従って、学生も言語障害を「治す」ための技術を学ぶという発想を持って言語病理学を専攻する。われわれ臨床家は変わらなければならない。この映画はその変化を起こすきっかけとなっている。吃音を治すのではなくクライエントに伴走しながら、彼らが進むべき道を見定めることが出来るよう力を与え、彼らの主張を擁護するのが、われわれの仕事である。そしてセルフヘルプグループの活動とは、吃る人たちが吃音にとらわれることなく、あるがままの自分で大丈夫なのだと主張することができ、自分を受け入れられるようにサポートすることである。
あなたが吃る人であれ、吃る人が身近にいるという人であれ、吃る人たちに専門家として関わっている人であれ、このドキュメンタリーが伝える「どもっていても大丈夫」というメッセージは、あなたの心に深く刻まれるだろう。




「The Way We Talk」上映会とトーク  ~應典院コモンズフェスタ2017参加イベント~

  日時:2017年1月27日(金) 19:00〜21:30(開場18:30)
  会場:應典院(おうてんいん)(大阪市天王寺区下寺町1丁目1-27) 2F 本堂ホール
  参加費:一律500円(大阪吃音教室会員の方も未会員の方も、應典院寺町倶楽部会員の方もそうでない方       もすべて一律です)
  ゲスト:一ノ瀬かおる(漫画家・2016年・当事者研究全国交流集会大阪大会・運営委員長)
  主催:NPO法人 大阪スタタリングプロジェクト
  申し込み:不要。
       確実に申し込んでおきたい方、席を確保しておきたい方は、下記申し込みページをご利用ください。

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・OSP公式ブログ
http://ospblog.exblog.jp/

・同上、「The Way We Talk」上映会広報記事
http://ospblog.exblog.jp/26071038/

・「The Way We Talk」(日本語字幕版)予告編
https://www.youtube.com/watch?v=QSp-sW5x0sc

・事前申し込みWebフォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScwdl4gbBHZraYiW1p9H6eJGjbd6GIuVUnRIJsyAkm-SLa55g/viewform
※事前申し込みなしでも、ご参加できます。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017/01/14

吃音(どもり)の2017年 楽しく始動しました。

 年末年始東京で過ごしましたが、7日にまた東京に戻り、4日間過ごしました。
詳しくはまた報告します。年末のことも報告しますが、まずは、大阪の仲間へ出したメールです。

大阪スタタリングプロジェクトの皆さん

昨日、東京から帰りました。
今回の東京行きは、次のような目的がありました。
ゝ媛札廛蹈献Дト(吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会)の合宿
第5回 伊藤伸二・吃音ワークショップin東京
スキャットマン・ジョンを偲んで〜映画上映とトークの集い〜

について、簡単に報告します。
 会場は、渋谷のロフト9。飲みながら、食べながら、ライブハウスをしたり、映画の上映をしたり、トークショーをしたり…という、ほのかな灯りがともる、おしゃれなところでした。普段、私たちが研修会を行うような所とは全然違って、なんか、さすが東京!という感じです。(さすが東京!って何なんだ、と言われそうですが)
 入場料として1000円、ワンドリンク以上の飲食をするというのが条件です。私たちの仲間は、始まる前から、お酒を飲んでいました。

 午後1時ちょうどに、スキャットマン・ジョンの映像と軽快な音楽が流れて、それがオープニングです。そして、すぐに、「The Way We Talk」の上映が始まりました。これが80分間。その後、少し休憩して、壇上に、進行役の永田浩三さん、トーク者として伊藤伸二と、白石正明さんが登壇しました。永田浩三さんと白石正明さんが、どういう人なのかは、下記のとおりです。詳しくは、添付したイベント資料をご覧下さい。

進行・永田浩三(ながた・こうぞう)
主にドキュメンタリー、教養・情報番組に携わる。特に『クローズアップ現代』『NHKスペシャル』などのプロデューサーとして、NHKの看板番組を支え続けた。現在は武蔵大学教授。練馬区を拠点に、市民や学生たちと取材・制作した番組を、さまざまな映像祭やケーブルテレビなどで発表。また、精神保健福祉士として、自殺対策や認知症患者とともに生きる社会の実現のための活動に力を入れている。

白石 正明(しらいし・まさあき)
大学卒業後、中央法規出版に入社。96年に医学書院へ。担当する「シリーズ ケアをひらく」は、『べてるの家の「非」援助論』(浦河べてるの家)や最新刊の『介護するからだ』(細馬宏通)など計30冊刊行中。同シリーズの『逝かない身体』(川口有美子)が大宅壮一ノンフィクション賞、『リハビリの夜』(熊谷晋一郎)が新潮ドキュメント賞、『驚きの介護民俗学』が医学ジャーナリスト賞を受賞。近作としては『ユマニチュード入門』(イヴ・ジネスト他)、『オープンダイアローグとは何か』(斎藤環)など。現在、「緊張と自由」をテーマにした書籍を企画中。

 トークは、1時間20分くらいでしたが、進行役が素晴らしく、無駄がなく、中身の濃い時間となりました。トークが終わった時点で、大体午後4時。会場を借りられるのが、4時30分だったので、少しお客さん同士が話したり、飲食した自分の支払いをしたりして、全員が会場を後にしたのが、ぎりぎり午後4時30分でした。
 トークの内容は、後日、何らかの形で、紹介したいと思いますが、吃音についてのとらえ方、スキャットマン・ジョンが基金で目指したかったこと、今、注目しているナラティヴ、レジリエンス、オープンダイアローグ、当事者研究につながることなどでした。登壇している3人が、自分のことを語りながらスキャットマンや映画の内容に触れていくという見事な構成でした。

 参加者も、果たして何人参加して下さるだろうかと心配していたのですが、予約だけでなく当日参加もあり、約60名。遠くは沖縄、鹿児島、山口からの参加もありました。また、大阪からは、東野晃之会長も参加してくれました。呼びかけ人の横浜のことばの教室担当者の土井さんが作ったチラシを見て、これは参加しないといけないと思ったと、東野さんが言っていましたが、このことばは、土井さんの労をねぎらって余りあるものとして伝わりました。

 会場関係者も、単なる音楽や映像ではなく、何か社会に向けてメッセージを発信していくということを大切なねらいとして持っていて下さるようでした。ここが私たちの願いとぴったり一致したということなのでしょう。

 終わってから、登壇者、吃音プロジェクトのメンバー、大阪の東野さん、そして、TBSのニュースバード「報道の魂」で、サマーキャンプや大阪吃音教室を取材・放映して下さったディレクターの斉藤道雄さんも加わって、懇親会をしました。斉藤さんのプロフィールは、下記のとおりです。

斉藤道雄:ジャーナリスト。TBSテレビ報道局の記者、ディレクター、プロデューサー、解説者として報道番組の取材、ドキュメンタリー番組の制作に従事。2008年から5年間、手話と日本語の二つの言語で教育を行う明晴学園の校長、現在は理事長を務める。


 懇親会での話は、絶滅危惧種ともいえる少数派のもつ力を再確認でき、知的好奇心を大いに満足させる、すてきな時間でした。2017年のスタートを、これほど気持ちよく迎えられたこと、幸せに思いました。
 そんな余韻を持って、大阪に戻りました。冷めないうちに、今年の活動をスタートさせていきたいと思います。
 1月は、大阪吃音教室、新・吃音ショートコース、コモンズフェスタと続きます。参加する中で、考え、行動し、自分らしく生きることにつながる力を再発見できたらと願っています。
 今年もよろしくお願いします。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017/01/11

吃音のドキュメンタリー映画と、生き方を巡るトークの集い

年明け早々のイベントが近づいてきました

 オープニングは、スキャットマン・ジョンの軽快な音楽と、アメリカのどもる青年が制作したドキュメンタリー映画「The Way We Talk(私たちの話し方)の上映、その後は、生き方を巡るトークと、盛りだくさんの内容です。
渋谷で、お会いしましょう。


  I’m stutter, so what? 〜わたし、どもりますけど、なにか?〜
    日時  1月9日(月・祝)13時(上映開始)
    会場  Loft9 Shibuya(ロフトナイン渋谷)
    内容  ドキュメンタリー『THE WAY WE TALK(わたしたちの話し方)』(80分)
         ちょいワルおやじたちの生き方トーク
    ゲスト 進行  永田浩三さん(ジャーナリスト、武蔵大学教授)
         トーク 伊藤伸二さん(日本吃音臨床研究会 会長)
              白石正明さん(医学書院 編集者)

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日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017/01/06

吃音と向き合い、語り合う 伊藤伸二・吃音ワークショップin東京

東京でのワークショップが近づいてきましたので、再度、ご案内します。


 年末年始を東京で過ごし、一旦大阪に戻りました。
 そしてまた、明日から、東京です。
 3日間の合宿をするのですが、その合間に、イベントがふたつ、あります。

 8日(日)は、東京での吃音ワークショップです。
 普段は、関西での活動が多いため、なかなか巻頭からは参加がしにくいようです。直接お会いできるこの機会にぜひ、お出かけ下さい。お待ちしています。
 今日中でしたら、お電話、FAXで申し込んでいただけたら、対応できます。
 当日、直接来られても、大丈夫です。

 現在、高校生、言語聴覚士、どもる子どもの保護者、どもる当事者、ことばの教室の担当者などが申し込んでいます。
 再度、紹介します。


第5回 
吃音と向き合い、語り合う 伊藤伸二・吃音ワークショップin東京

 「吃音を治すことにこだわらず、どもりながらどう生きていくかを目指そう」と、大阪を基盤に活動している日本吃音臨床研究会の伊藤伸二と一緒に、どもる問題について考えたり話し合ったりする関東地方でのワークショップです。参加者ひとりひとりの吃音の悩み、知りたいこと、体験したいこと、学びたいことに関わり、それを皆で共有するスタイルで進めていきます。
 吃音について深く考えたい方、どもりながら生きていく上でいろんな思いを抱えている方、どもる仲間とじっくり話したい方、伊藤や日本吃音臨床研究会の活動に関心があっても大阪まではなかなか行けない方、この機会にぜひご参加下さい。内容は参加者の要望によって組み立てますが、次のことが考えられます。
◇吃音を生きる、論理療法、交流分析、認知行動療法、アサーティヴ・トレーニングなどについて
◇吃音で苦戦している問題についての具体的対処、当事者研究
◇どもって声が出ないときの対処・サバイバル
◇吃音を治す言語訓練に代わる、日本語の発音・発声のレッスン
         
□日時 2017年1月8日(日)   10:00〜17:00
□会場 北とぴあ 
   東京都北区王子1−11−1  TEL 03−5390−1100
      JR京浜東北線「王子」駅北口徒歩2分  
      東京メトロ南北線「王子」駅ト崕亳直結
□定員 18名  
□参加費 5,000円(当日、受付でお支払い下さい)
□申し込み方法 
 〔樵亜´年齢 住所 づ渡暖峭罅´タΧ函´ο辰傾腓辰討澆燭い海箸篳垢たいこと О貌伸二・吃音ワークショップを知ったきっかけ  を書いて郵送かFAXでお申し込み下さい。
□申し込み締め切り 2017年1月6日(金)
□問い合わせ・申し込み先  日本吃音臨床研究会
     〒572−0850 寝屋川市打上高塚町1−2−1526
           TEL/FAX 072−820−8244

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017/01/06
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