伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2013年07月

吃音の旅は 新潟から鹿児島へ



 7月25・26日新潟県上越市にいってきました

 新潟県上越市で新潟県の難聴・言語教育の年に一度の県全体の研修会がありました。
3時間の講演と、前日はワークショップでした。
 100名ほどが参加して下さり、熱心に聞いて下さいました。よるの懇親会などで、新潟県の、すばらしいことばの教室の先生と出会えました。とても充実した2日間でした。
 
 また。報告しますが、今から鹿児島に向かいます。
全国難聴言語障害教育研究協議会の全国大会で、全体講演と吃音分科会の助言者をします。その後、臨床家のための2日間の講習会、翌日は保護者のための相談会と続きます。

 全体講演の原稿をつくるなど、準備が大変でブログの更新ができませんでした。8月10まで大阪を離れますが、帰ってきたら、世界大会の報告もまだなので、書きたいと思います。しばらくお待ち下さい。
暑い日が続きます。ご自愛下さい。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/07/29

吃音の夏は 鹿児島です。

         □■□ 情報ラック □■□

◇第42回全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会全国大会
 第37会九州地区難聴・言語障害教育研究会  鹿児島大会

   開催日 2013年7月29日(月)・30日(火)・31日(水)
   会場  かごしま県民交流センター 鹿児島市山下町14−50

全体記念講演供 。械案(火)13:45〜
     子どもと語る、肯定的物語〜吃音を生きて、見えてきたこと〜  伊藤伸二
  対談  30日(火)15:15〜   支えること、支えられること
       国立特別支援教育総合研究所の牧野泰美さんと伊藤伸二の対談
 
  問い合わせ先 鹿児島市立名山小学校 (TEL 099−224−7126) 
   
◇第2回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会in鹿児島
   日時  2013年8月1日(木)・2日(金)
   会場  宝山ホール

   テーマ 子どもとともに、ことばを紡ぎ出す
           〜当事者研究、ナラティヴ・アプローチ、レジリエンスの視点から〜
講師  高松 里 九州大学留学生センター准教授・臨床心理士
       牧野泰美 国立特別支援教育総合研究所 

   参加費 5000円
   問い合わせ先 日本吃音臨床研究会 (TEL 072−820−8244)

◇どもる子どもの親と臨床家のための吃音相談会in鹿児島…申し込み不要。当日、直接会場へ。
   日時  2013年8月3日(土)13:00〜16:00
   会場  宝山ホール
   参加費 1000円
 
  初めて鹿児島で吃音相談会を行います。日頃、子どもの吃音について悩んだり困ったり、疑問に思ったりしていることなどがありましたら、ぜひご参加下さい。
   子どもの吃音とどう向き合い、子どもとどう接すればいいのか、参加者の皆さんと一緒に考えていきましょう。保護者の方、ことばの教室の担当者や臨床に携わっておられる方のご参加をお待ちしています。
   問い合わせ先 日本吃音臨床研究会 (TEL 072−820−8244)

◇第24回吃音親子サマーキャンプ…お急ぎ下さい!!
   日時  2013年8月23・24・25日(金・土・日)
   会場  滋賀県 彦根市荒神山自然の家
   参加費 15000円(宿泊費、食費、保険など全て)
   申し込み方法  日本吃音臨床研究会事務局までもハガキかFAXでお申し込み下さい。
           所定の申し込み用紙をお送りします。ご記入の上、ご返送下さい。
           ホームページに掲載していますので、ダウンロードしていただくこともできます。
   申し込み・問い合わせ先  日本吃音臨床研究会 TEL/FAX  072−820−8244
       〒572−0850 大阪府寝屋川市打上高塚町1−2−1526

吃音と認知行動療法 逃げるが勝ち


 今更、音読なんてしなくていい

 2年前、認知療法の第一人者大野裕先生と共著の、「認知療法・認知行動療法 吃音とのつきあいを通して」(金子書房)を出版しました。今、北海道浦河のべてるの家の向谷地生良さんとの共著「吃音の当事者研究」の本の校正に追われていて、ブログの更新がなかなかできません。

 オランダの世界大会のことも書きたいことがたくさんあるのて、ぼちぼち書きますが、今日は、昨日の大阪吃音教室の「認知行動療法」の講座の報告です。

 オランダ大会や沖縄行きなどで、大阪吃音教室は1か月以上参加できませんでした。久しぶりに参加した吃音教室、やはりわたしにとっては、ホームグラウンド。うれしいものです。私にとっては新しい人もいて、新鮮でした。

 今日のテーマの認知行動療法の担当は正原さん。3月に年間スケジュールを決めるときに、私が担当しますと手を上げのは、よく知っているからではなく、講座を担当することで、勉強ができるからで、皆さんに助けてもらいながら進めますと、前置きして講座が始まりました。
 これが大阪吃音教室のすばらしいところです。得意なこと、よく知っていることでなくても、挑戦する。時には、しどろもどろになるときもあります。それをみんなで支えながら作り上げていく。講座担当の一人に責任を負わせるのではなく、みんなが責任をもつ。だから、新しく世話人になった人も、難しいと思える講座も担当出来るのです。
 正原さんは、介護の仕事をしている忙しい中で、3冊の本を読み、手作りの小道具も作っていました。その熱心さにまず、敬意があつまります。

 認知行動療法の基本的な説明があった後、9つの認知のゆがみを、吃音に関連づけて確認した後、一人一人の参加者が9つの認知の歪みの中で、自分は何が一番多いか、体験を通して話します。一人一人が自分の体験を語る、いい時間でする。その後、今悩んでいることを、今回で3回目の参加という、私は初めての女性が自分の問題を出して、みんなで考えていきました。

 状況、気分、自動思考、根拠、反証、代わりとなる考え、気分の変化の7つのコロム表の作成です。
 状況は これまで吃音に困りながらもなんとか、楽しく生きてきたが、職業訓練校でデザインの勉強に言っているとき、教科書順番に読ませる、音読が必ずある。普段の会話はいろんな工夫であまり困らないが、20人の受講生一緒の教科書をもち、それを読んでいくのだから、言い換えなどはできない。まさか、社会人になって、音読をするなんて思わなかったから、どもって声が出ないとき、心拍数があがって、勉強に集中できないというのです。
 憂鬱、不安、恐怖などの気分が70パーセントです。

 自動思考と、その反証をみんなで考え、その人の気分は50パーセントに下がりました。

 彼女は、柔軟で、強い人だと思いましたので、ゆがんだ認知を変えるだけでなく、状況そのものを変えることができると、私は提案しました。職業訓練校で、それもデザインの講座で、音読で悩むなんてばかげています。損です。その講師がつまらない講義しか出来ない人なのです。そのために、自分が気分が落ち込んだりするのは、とても損です。

 ・ 私はどもるので、音読ができないと講師に話して飛ばしてもらう。
 ・ すごくどもって、講師をが「君はもういい」と言わせるようにする。

 デザインの勉強をしに行っているという、本来の目的に照らせば、音読などする必要はないのです。
 できないことはできないと、逃げるが勝ちです。一方で、その心臓がどきどきすることをしばらく経験して、耐性をを着けるのもひとつありだと、彼女は、後での喫茶店で話していました。

 実際に逃げなくても、みんなの前で今困っていることを話し、「逃げる」という、これまで考えもしなかった選択肢をもったことで、彼女は楽になるだろうと思います。
 さて、実際、何を選択したか、次に会ったとき聞くのがとても楽しみです。

 オランダの世界大会で、世界各国のミーティングがどのようにされているのかを聞きました。すべてのグループが吃音についての体験を話し合うだけなのに比べ、一つのツール、技法を学習し、それを元に考えていくミーティングを続けているのは、大阪スタタリングプロジェクトの大阪吃音教室だけです。いい仲間のいる幸せを思いました。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/07/06
 



 
 
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