伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2012年07月

いよいよ「吃音の夏」本番 隠岐行ってきます。


 明石から隠岐へ

 昨日は、明石でことばの教室や,難聴学級の担当者の研修会でした。兵庫県の明石市を中心にした地域の難聴言語障害教育の研究会です。以前からの知り合いである先生が、今年で退職されます。されまでに一度私を研究会に呼びたいと計画してくださいました。そのときのことはまた報告できればと思っています。

 今伊丹空港のラウンジです。パソコンが設置され、インターネットが使えましたので、この記事を書いています。 前にも報告していますが、島根県では毎年、島根スタタリングフォーラムが開かれています。島根全県から参加がありますが、「隠岐の島」はやはり遠くて浜田市でするフォーラムには参加できません。昨年の島根県の担当者の研修会に参加していた人と夜の懇親会で盛り上がり、来年は隠岐でもしようということになり、6つきに島根のフォーラムをしたのですか、ひの隠岐版が明日から始まります。

 日本中ほとんど行っているのですが、隠岐ははじめてです。観光気分ではないのですが、やはり初めて行くところは、うれしいです。小さな島で、私を待ってくれている人たちがいる。そのことだけでも、私は幸せな気持ちになります。さて、どんな出会いが待っているでしょうか。とても楽しみです。

 その後、千葉市での吃音講習会が待っています。30から40人ほどの参加を考えていたのが、なんと100名ほどの参加になりそうです。うれしい悲鳴をあげています。隠岐でも基調提案の内容について考えなくてはなりません。 まあ、それでもはじめての地は心踊ります。 では、伊丹空港から出発です。

 日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2012年7月27日

第23回吃音親子サマーキャンプの芝居

吃音親子サマーキャンプ芝居の合宿
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 楽しい写真は研究会のホームページにアップしてあります・

先週末、8月末の吃音親子サマーキャンプの時に、子どもたちと取り組むお芝居の事前レッスンがありました。千葉県や三重県などからスタッフ総勢27名。お寺の講堂で合宿です。ずっと長い間、竹内敏晴さんが、脚本を書いてくださり、合宿して私たちに演技指導をしてくださっていました。亡くなる直前に、この芝居のレッスンをしてくださったこと、忘れられません。
 その後を、帝塚山大学の渡辺貴裕さんが引き継いでくださって、3年目です。
 「コニマーラのロバ」5年ほど前にしたものですが、みんなすっかり忘れています。それを丁寧に渡辺さんが演出・指導してくださいます。実際にみんなで演じていけば、ぼちぼちと思い出してきました。とても楽しいお芝居です。竹内敏晴さんの脚本、舞台構成のすばらしさをあらためてみんなは感じました。子どもたちと取り組むのが楽しみです。

 それにしても、キャンプそのものだけでも参加は大変なのに、27名もの人が、交通費を使って集まってくる。それは、私たち自身がとても楽しいからです。子どもたちのためにだけでは、22年もキャンプは続けることはできません。
 キャンプには仕事の都合で参加できない人が、ホームページに掲載したいと、カメラマンとしてつきあってくださいました。写真はホームページでも是非ご覧ください。

 レッスンの後、メールをくださった人の感想紹介します。
 
 「おもしろいお芝居でした。最初あまり声がでていなかった人が、最後ではどんどん大きな声が出て、素晴らしい舞台になりました。みんなの力を感じました。
ああしてもみんなが頑張っている姿を見ていると、吃音親子サマーキャンプは、大阪スタタリングプロジェクトが、しっかり支えてきたのだということがよく分かります。
 みなさんと一緒に取り組めるありがたさを思います。鈴木さんが、報道カメラマンとして一日目ずっと写真を撮って下さっていました。徳田さんが横断幕をつくってくれています。キャンプそのものには参加できなくても、大阪吃音プロジェクトの大きな活動だと思えます。お疲れ様でした」

 「レッスンお疲れ様でした!本当に楽しい、幸せな2日間を過ごさせて頂きました。自身は吃音教室に参加したのが26歳のときで、今年で丁度10年目になります。この間に本当に色々なものが大きく変わったけれど、10年前と少しも変わらない、皆さんの本当に温かくて楽しげな笑い声、人を大事にする誠実さ、まじめさ真剣さ厳しさ、尽きることないユーモア、そして10年前からずっと変わらない伊藤さんのおなら!どれも懐かしくて本当に居心地のよいものばかりで、私は本当に大阪吃音教室やサマーキャンプの皆様の中で、人と向き合い、自分と向き合いながら「楽しく」生きる人生の基本を教わったのだと、つくづく噛みしめ感謝する2日間でした。人前でこんなに沢山セリフをしゃべって演じるのは人生で初めてです。やりたいことやるべきことから逃げ続け、自分を表現するあらゆる手段から逃げ続け、無力感の殻に閉じこもっていた、ちっぽけな少年の私に、「大人になったらこんなことしている貴方がいるんだよ!」と、タイムマシンがあれば見せてやりたい気持ちでいっぱいです。何とか少しでもセリフ覚えて、事前練習に向かわせていただきたいと思っております!

 「サマキャンの事前レッスン、ありがとうございました。はじめての体験と、はじめて会う人との交流で、レッスン中は緊張が続きましたが、とても貴重な時間を過ごさせていただきました。話に聞いたり、DVDやスタタリングナウで見聞きしていた通り、魅力を感じる体験でした。長年キャンプに参加している常連の人も、まだ浅い人も、初めての人も、みなさん生き生きしているなあ、と感じました。
 声を出すのも気持ちがいいし、体や声で自分を表現するのも本当に気持ちがいいですね。
他の人がのびのびと演じているのを同じ空間で見たり、人の声や表現が変化していくのを見られるのも、醍醐味ですね。「これがサマキャンの魅力か〜」と感慨深かったです」

 「事前レッスン、撮影を楽しませていただきました。写真を整理していると参加者の皆さんの顔が、一日の中で変化していく様子がわかり、本当に良い集まりだなと感じました。
ブログに掲載されるなら全体が写ったものが良いのではと思い、探しましたが、それぞれの人の表情を写すことに一生懸命になっていたようで、全体の写真が少ないことに気付きました」

 「事前レッスン、お疲れ様でした。お世話になりました。仲間の中にいる安心感と楽しさで本当に、幸せでした。みなさんのいつもと変わらない笑顔あえてに会えてうれしかったです。よかった!よかった!さあ、これから私も講習会を全力で頑張ります」

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2012/07/26
 
 

第一回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会


 8月4日5日の吃音講習会

 当初は、30人でも集まってもらえればいいねと話していました。「吃音否定」から「吃音肯定」への転換です。「吃音を治す・改善する」技法の講習会ではありません。一般受けしないだろうと考え、30名でもあつまっていただければ、じっくりと話し合えると、本当に思っていました。
 ところが、今日が締め切りですが、間際になって申し込みが相次いで、まったく予想もしなかった、90名近くの申し込みがありました。千葉の事務局と、大阪事務局、あたふたと準備を続けています。とてもありがたいことです。丁寧に私たちの考え、実践を話し、参加者のみなさんと、話し合っていきたいと思います。
 私は基調提案をしますが、ぎりぎりまで粘ってわかりやすい提案にしようと、がんばっています。明日は明石市でことばの教室や支援学級の担当者の教員研修で講演します。翌日は島根県の隠岐の島で吃音キャンプに出発です。島根から帰ってすぐに神奈川県の全難言大会に参加して、大会終了翌日が千葉市の吃音講習会と、ハードなスケジュールが続きます。 
 例年の「吃音の夏」が始まりました。

 日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2012/07/25

いじめは人殺しや

 大津市で昨年10月、中学2年生がいじめが原因で自殺をしました。学校のひどい対応、教育委員会、警察の無茶苦茶な対応。いまごろになって次々に明かされる真実。怒りを通り越し、むなしさ、絶望がこみ上げてきます。教育関係者なら未だに記憶になまなましい、「葬式ごっこ」。20数年前のいじめによる自殺の再現のようです。
 学校現場は、教育委員会はなぜこうも、いじめと自殺の因果関係を認めようとしないのか、隠蔽を繰り返すのか。それは、日本のリーダーの責任をとらない、くさいものはふたをする隠蔽体質にあります。戦争の責任をとろうともしない、認めようとしない政治屋ら。公害をみとめない、原発の危険性をみとめない、企業。いじめを見ても子どもを守らない教育現場。ことが起こっても責任を回避する教育行政。
 日本には責任をとらない体質が充満しています。
 次に紹介するのは、1994年、日本吃音臨床研究会を設立して、 発行し始めたニュースレター「スタタリングナウ」の第一号の「いじめ特集」の巻頭言です。この巻頭言の後、高校生の生々しいいじめられ体験がかたられるのですが、彼は確かに死んではいませんが、20歳ころ、統合失調症になり、今は引きこもり状態です。彼のいろいろとしたかった人生を、今は生きてはいません。彼の人生を奪ったいじめ。もっと国民ひとりひとりが「いじめは絶対にゆるさない」の決意と、行動をしないと、このような悲劇は今後も繰り返されます。
 「いい加減にしてくれ」と叫ぶ声もむなしく、落ちていきます。

2012年07月12日10時57分31秒0001



いじめは人殺しや
                   日本吃音臨床研究会会長伊藤伸二

 「いじめは人殺しと同じや。僕は本当に何度死のうと思ったか分からへん」
 彼は今、死なずに生きている。しかし、頭痛、胃痛、不眠、目の前のちらっき、等様々な身体症状は消えない。どもりが原因で幼稚園の頃から辛い体験を繰り返した。それでも、どもりでいじめられないようにと、彼はスポーツや勉強に打ち込む。
 そして、ラクビー部でも勉強でも人一倍がんばり、人からも認められ、自信がっく。いい中学校のスタートを切ったかにみえた時、いじめが始まった。いじめられている子供の味方にならなければならない教師が、反対にいじめの側にまわる。教師公認となったいじめは執拗に続き、彼の気力も体力も奪っていった。
 彼に、いじめられ体験を書いてくれるよう頼んだ時、この問題に決着をっけるためにも書きたいと言った。しかし、書き始めると、なかなか書けない。書くことで、辛く、嫌だった過去を思い出すからだ。思い出しては眠れない日が続く。
 「書こうとするけれど、書けません。聞いてもらえれば、話せると思います」
 伝えてあった原稿締め切り日の数日前に、彼から電話があった。
 私と向かい合い、マイクを前にして、彼は2時間近く話してくれた。その生々しい、いじめの実態に耳を傾け、怒りと、腹立たしさに、私のからだは震えた。
 彼は、昨夏の吃音親子ふれあいスクールに参加し、程度は違っても、どもりのために、からかいやいじめを体験している同年代の子供たちと出会った。また、かつてどもりに悩んだ経験をもち、現在は吃りながらも、教師やスピーチセラピストとして働く吃音の先輩と出会った。同じ悩みを持つ子供、先輩との出会いの中で、自分自身を見つめた彼は、少しずっ元気が出始める。そして、高校を卒業したら、大学では教育か心理の方面に進みたいとの意欲をもち始めた。
 しかし、意欲はあっても、あまりにも体が弱っていた。何度も病院で検査を受ける。検査の数値上では異常はないが、頭痛、胃痛その他のからだの変調は相変わらず彼を苦しめる。通っていた高校で、彼に対するいじめがあるわけではないが、からだがっいていかない。このまま、高校を卒業するまで、からだと気持ちをなんとかだましながら頑張れるだろうか? 彼は悩んだ。いろいろと話し合う中で、無理をして、からだに逆らってまで、学校にこだわる必要はないとの結論になり、彼は退学を決意する。
 大学に行きたいとの気持ちが堅かったため、自分のペースで学べ、大学受験の資格も得られる、通信制の高校に入学し直す事を考えた。両親も納得し、高校に退学届けを出した。その後、彼は高校に合格し、新しい道を歩み始めている。
 幼稚園の教師から、中学校の教師まで、彼は随分ひどい教師に受け持たれている。小学校1・2年の時の教師だけが彼を理解し、その時の彼は生き生きし、吃ることへの悩みもなかったと言う。
 子供のころに教師から受ける影響は絶大だ。
 彼の小学校の教師の場合、どもりに対する、無知、無理解というより、教師そのものの適性が問われるべきだと言いたい。中学の暴力教師は、「僕は、子供のために指導しているんだ。子供から嫌われる教師を目指す」とうそぶき、体罰教師として、反省することなく、教師の仕事を続けている。
 このような、体罰で子供を押さえつける教師がカを持つ学校は、学校そのものが、いじめを生み出す。暴力教師はもう、犯罪者だといえよう。
 彼のような暴力教師がいるかぎり、犠牲者は後を絶たない。この特集は怒りの告発でもある。

 日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2012/07/12

日本吃音臨床研究会のホームページ 大幅リニューアル


 日々成長するホームページ

 日本吃音臨床研究会のホームページが、NPO法人大阪スタタリングプロジェクトの仲間の力の結集で、これまでのホームページとは、全く違う、バラエティーに富んだコンテンツを含むホームページに生まれ変わりました。
 7月2日公開されましたが、とりあえずの内容で、これから、どんどん更新され、新しいものに、日々成長し続けるホームページになります。吃音関係者の多くの方々と作り上げていくものにしたいとねがっています。
 ホームページからは、質問や、感想など自由にお送りいただけることになりました。このブログに関しての感想や質問なども大歓迎です。お送り下さったものには必ず返信をさせていただきます。ご連絡お待ちしています。
 興味のある方々にご紹介下さい。よろしくお願いします。
 
 日本吃音臨床研究会・会長 伊藤伸二 2012/07/08

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  2 ことばの教室の実践集 (日本吃音臨床研究会2005年度年報)
3 吃音を生きる子どもに同行する教師の会の実践 
4 全国のことばの教室の実践
5 言語聴覚士の実践
  6 子育てについての提案
  7 どもる子どもの親の体験

D 伊藤伸二 はじめに
  1 プロフィール
  2 研究業績 論文・著書
3 吃音相談会・講演会予定と報告
  4 講演記録集
  5 エッセー
  6 伊藤伸二語録

E セルフヘルプグループ    はじめに
1 セルフヘルプグループ 朝日厚生文化事業団のガイドブックより
2 セルフヘルプグループとは何か、社会的意義
  3 大阪セルフヘルプ支援センターの活動
  4 NPO法人・大阪スタタリングプロジェクト
  5 どもる人の体験−ことば文学賞
  6 セルフヘルプグループ論文集


F 吃音資料館 はじめに
  1 新聞記事・週刊誌にみる吃音
2 どもる人のセルフヘルプグループ言友会の歴史
  3 竹内敏晴さんの部屋
  4 内須川洸さんの部屋
5 水町俊郎さんの部屋
6 文芸作品・映画にみる吃音 

第一回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会




  第1回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会のご案内
     〜吃音否定から吃音肯定への吃音の取り組み〜
1 趣 旨

 「吃音症状の軽減・消失を指導目標とする従来の吃音観を持ち続ける限り、吃音指導に関わる臨床家の悩み、どもる子どもの悩みが解消されることはない。私たちは、この古い吃音観を転換し、新しい視点に立った子どもへの支援のあり方を探る必要性を実感し、講習会を開催する」
 2001年に岐阜大学で、愛媛大学・水町俊郎教授(当事)、岐阜大学・廣嶌忍助教授(当時)、日本吃音臨床研究会・伊藤伸二会長を中心に、「第1回臨床家のための吃音講習会」がこの開催趣旨のもと開かれました。そして第4回の島根大会まで、言語関係図や吃音評価、自己概念教育などが取り上げられました。
 この講習会で提示された、吃音を治すのではなく、吃音をどう生きるかという考えは、日々の現場の中で、どもる子どもとどう関わっていけばよいか、迷い、悩む私たちにとって、非常にインパクトのある内容でした。そして様々な取り組みやどもる人や保護者の体験から、私たちことばの教室担当者は多くのことを知り、学び、それを目の前にいるどもる子どもたちとの日々の実践に繋げていきました。さらに、ここで示された実践や考えが、15名の仲間の教師と作った、『親、教師、言語聴覚士が使える 吃音ワークブック』(解放出版社)に結びつきました。
 第1回講習会以降のこの10年間で、どもる子どもたちを取り巻く状況はどうなったのでしょうか。吃音を生きることを大切にしたアプローチが少しずつ拡がる一方で、依然として吃音の改善がどもる子どもや保護者のニーズだとする提案もなされ、むしろ近年こうした流れが強まっているように思われます。そこで今回、教師や言語聴覚士だけでなく、保護者も交えて、「どもる子どもたちと、吃音の何を学び合い、何に取り組むか」を考える講習会を開きたいと考えました。
 どもる子どもたちと関わる方、吃音に関心のある方々の幅広い参加をお待ちしています。
                      実行委員会事務局長 渡邉美穂 (千葉市立あやめ台小学校)   

2 主 催  吃音を生きる子どもに同行する教師の会(事務局 千葉市立あやめ台小 渡邉美穂)
NPO法人大阪スタタリングプロジェクト(代表 東野晃之)
日本吃音臨床研究会(代表 大阪教育大学非常勤講師 伊藤伸二)

3 後 援  千葉県教育委員会
       千葉市教育委員会
NPO法人全国ことばを育む会
千葉市ことばを育む会


4 日 時  2012年8月4日(土)10:00〜20:45
              5日(日) 9:00〜16:00

5 会 場  千葉県教育会館

  〒260−0013 千葉市中央区中央4−13−10
  TEL 043−227−6141  FAX 043−227−4555
        アクセス ◎徒歩JR千葉駅20分、JR本千葉駅12分、京成千葉中央駅12分
              ◎バス(JR千葉駅東口2、3番より乗車)中央4丁目下車 徒歩3分

6 内容・テーマ

 「吃音否定から吃音肯定へ」
 吃音臨床は、「吃音否定」を前提に進められてきました。かつて、公立小学校のことばの教室は、言語治療教室として出発し、言語聴覚士は、「吃音治療学」を学び、吃音を治療の対象としています。原因が解明され、治療法があっての「吃音治療学」で、実際に多くの人の吃音が治り、改善されるのであれば、「吃音否定」の前提もあまり問題はないでしょう。しかし、吃音の原因は解明できず、治療法はなく、治らない吃音が多い中で、「吃音否定」の前提が、「治さなければならない」と吃音の当事者や親を長年追い詰めてきました。吃音を否定することで、吃音を隠し、どもりたくないために、話すことから逃げ、対人関係に消極的になり、それが人生へも影響する人が少なくなかったのです。吃音に悩む人にとって、それは、深刻で大きな問題となっています。
 「吃音肯定」の臨床には、まず、これまでどもる子どもやどもる人に向けられてきた否定的なまなざしを、肯定的なものへと転換する必要があります。悩みから解放され、吃音にまつわるネガティヴな物語から、「どもりでよかった」とさえ言うような吃音肯定の物語を、当事者だけでなく、どもる子どもに関わる人々と共有したいと思います。
 この新しい転換を推し進めるために、精神医療、福祉、心理臨床の分野で大きな注目を集め始めている、ナラティヴ・アプローチや当事者研究などの理論や手法を学んでいこうとしています。
 新しく担当になった人も、長年経験のある人も、リラックスした雰囲気の中で楽しく学び合います。

7 講師 <記念講演> 浜田 寿美男 奈良女子大学名誉教授
 1947年香川県生まれ。発達心理学・法心理学者。発達心理学を批判的に捉え、「私」というものがどのように成り立っていくかを主要テーマにしている。また、冤罪事件での自白や目撃の心理に関心をよせ、それらの供述鑑定にも関わる。現在、兵庫県・川西市子どもの人権オンブズパーソン。
 著書に、自閉症など、障害のある人の生活世界を描いた『障害と子どもたちの生きるかたち』(岩波現代文庫)、自閉症の子どもの自我形成の問題から発想して理論化を試みた『「私」とは何か』(講談社)、無実の人の自白を論じた『自白の心理学』(岩波新書)、『発達心理学再考のための序説』(ミネルヴァ書房)、『<うそ>を見抜く心理学』(NHKブックス)ほか多数。

     <基調提案> 伊藤 伸二 大阪教育大学非常勤講師
  1944年、奈良県生まれ。日本吃音臨床研究会会長。小学校2年生の秋、どもるため学芸会の主役を降ろされて吃音に劣等感をもち、悩み始める。21歳の時、セルフヘルプグループ言友会を創立。大阪教育大学専任講師(言語障害児教育)などを経て、ライフワークである吃音に取り組む。
 第1回吃音問題研究国際大会を大会会長として運営。現在40か国以上が加盟する国際吃音連盟の礎を作る。1994年、日本吃音臨床研究会を設立。論理療法、交流分析、アサーティブ・トレーニング、認知行動療法などを活用し、吃音と上手につきあうことを探る。著書に、『ストレスや苦手とつきあうための 認知療法・認知行動療法〜吃音とのつきあいを通して』(金子書房)、『親、教師、言語聴覚士が使える、吃音ワークブック〜どもる子どもの生きぬく力が育つ』(解放出版社)、『どもる君へ いま伝えたいこと』(解放出版社)、他多数。

     <対談司会> 牧野 泰美 国立特別支援教育総合研究所主任研究員
 岐阜県生まれ。横浜国立大学大学院教育学研究科障害児教育専攻修了後、岐阜県立岐阜聾学校教諭を経て、1992年8月より国立特別支援教育総合研究所。現在、主任研究員。専門は言語障害児教育、言語獲得、コミュニケーション障害とその支援など。「全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会(全難言協)」をはじめ、各地の「きこえとことばの教室」の担当者や、親の会等と連携しながら、子どものことばやコミュニケーションへの支援の在り方、きこえとことばの教室の役割などについて研究活動を進める。教員養成の大学や言語聴覚士養成の専門学校で言語理論や言語指導の講義も担当している。著書に、『言語障害のおともだち』(ミネルヴァ書房)。論文は「言語に障害のある子どもの教育と自己肯定感への支援(発達、106号)」(ミネルヴァ書房)、「関係論的視座からのコミュニケーション障害研究の動向(特殊教育学研究、第42巻第1号)」日本特殊教育学会、他多数。

8 日 程
  【第1日・8月4日(土)】
  10:00 受付
  10:30〜12:30    基調提案 伊藤伸二  新しい吃音臨床の提案〜吃音否定から吃音肯定へ〜
  13:30 〜15:30   講演 浜田寿美男   障害と子どもたちの生きるかたち(仮題)
  16:00 〜18:00   対談 浜田寿美男  伊藤伸二   司会:牧野泰美
                     治す文化に対抗する力
  19:15 20:45   グループや全体での話し合い

【第2日・8月5日(日)】
9:00 ことばの教室担当者や言語聴覚士による、子どもへの取り組み
      ことばの教室担当者や言語聴覚士、どもる人の体験・実践発表をもとに全体で討議する。

13:00〜16:00 親による、どもる子どもへの関わり、ことばの教室担当者や言語聴覚士による、親への関わり
           実際の保護者の相談・面接を通して、親の子どもへの関わりを考える。

16:45   全体討議

9 参加費  5,000円

10 参加申し込み
参加ご希望の方は、参加申込書に必要事項を記入し、郵送、またはメールに添付し下記の申し込み先までお送りください。折り返し参加費送金用の振込用紙をお送りします。入金確認ができましたら、受講票をお送りします。
申し込み締め切りは2012年7月25日(水)です。なお、参加費は当日キャンセルされてもお返しできません。受講票は他の方にお譲り下さい。

11 申し込み先 吃音講習会事務局 千葉市立あやめ台小学校 渡邉美穂
〒263−0051 千葉市稲毛区園生町446−1
Mail:kituon-kosyukai@live.jp

12 実践発表について
 今回の講習会のテーマに沿ったみなさんの実践発表を受け付けます。発表を希望される方は、その旨お知らせ下さい。詳細について折り返しご連絡いたします。ふるってご応募下さい。

13 実践発表、その他電話によるお問い合わせ先
日本吃音臨床研究会 TEL/FAX 072−820−8244
〒572−0850 大阪府寝屋川市打上高塚町1−2−1526
14 宿泊その他
宿泊につきましては、各自直接お申し込み下さい。参考までに千葉市内のいくつかのホテルを紹介します。また、講習会中の食事に関しては、教育会館1Fのローソンもしくは周辺のファミリーレストラン・食堂等をご利用下さい。なお、研修会場内での飲食も可能です。

 

吃音講習会、楽しく豊かに

親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会の実行委員合宿

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 先週の週末は、第14回島根スタタリングフォーラムと、翌日の島根県のことばの教室の教師の1日研修会、そして、今週は吃音講習会のための合宿で東京へ。
 7人が参加しての実行委員会は、根っからの吃音大好き人間ばかりなので、いつものように話は熱を帯びます。大体の大枠はきまっていたものの、具体的なものは何一つありません。土曜日の午後1時に集まり、日曜日の午後6時まで、あきることなく、熱く語り合える仲間に、本当に感謝です。このような人たちと一緒に考え、行動できるから、私は45年も、ずっと吃音一筋に走り続けることができたのです。これまで、つき合って下さった多くの方々に、感謝の気持ちが広がっていきます。

 2日間のプログラムを一つずつ、具体的にどのように進行していくのか、話し合いますが、最初いいと思ったことがどんどん覆されていきます。私たちの話し合いはいつもこうです。吃音ワークブックを作っている時も、最初の原案がほとんど形がなくなるまで、変わっていくことがたびたびでした。これが、とてもおもしろいのです。どんどん変わってく、新しいアイディアが生まれる、その場にいる人たちの「語り」によって、練りに練って新しいものが生まれていく、臨場感にあふれるこのような合宿の話し合いは、まるで、大学生のサークルのようで、実に楽しいのです。

 今回も思いがけない、アイディアが出され、従来の「講習会」と名付けられるようなものとは、かなり違うものになりそうです。確定したプログラムではなく、参加者の語りによって、どんどん変形していくものにしました。あらかじめ決めた路線でいけば安全です。失敗はあまりないでしょぅ。しかし、それではおもしろみに欠けます。参加者の発言によって変わっていく可能性があるのは、ある意味危険です。うまくいかないかもしれません。形式的なシンポジウムのような、実践交流会ではおもしろくない。今回はおもしろいものになりそうです。
 また、どもる保護者のための3時間枠をどうするかでも、二転三転しました。親の個人面接、グループの話し合い、公開吃音相談会など、参加者が確定していない段階で、どう変わっていくか分からないとしながらも、冒険することにしました。オーソドックスな失敗の少ないものよりも、挑戦することを選びました。
 実行委員の私たちも、当日どのように進行していくか、つくりあげるプロセスをみんなで作り上げる、そんなわくわくするようなものになりそうです。
 講習会は、8月4日、5日千葉市で開かれます。次回は詳しい案内を掲載します。関心のある人なら誰でも参加できます。興味がもてましたら、ご参加下さい。日本吃音臨床研究会のホームページにも案内は掲載されています。

 日本吃音臨床研究会・会長 伊藤伸二 2012/07/01
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