伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2012年02月

吃音と面接 どもる人のサバイバル

 失礼します。ありがとうございました。

 2月24日の大阪吃音教室は、「ゲームを通して自分を知る」の講座でした。

 「今ある自分を作って来たのは?」という設問に、行動力、運、協調性など10の選択肢から自分に当てはまるものを選び、小グループで話し合うのですが、これが実に楽しくおもしろかったです。話し合いも、具体的に自分を示すものがあると、自分を語りやすいし、前から知っていた人の違う一面も見ることができました。

 後半は、「今これが欲しい!」のオークションです。参加者全員が「松本銀行」から1千万円ずつをもらい、自分が価値を置いている能力やことがら、具体的には「事務処理能力」から「世界平和」まで、39項目あるリストの中から自分の欲しいものを選んで、競り落とすという、たわいもないゲームなのですが、みんなが真剣になると、とてもおもしろいのです。

 「何かを信じる心」20万、「どもらずに電話をかける能力」30万、「人前でどもらずにスピーチする能力」950万や、「世界平和」のために全額1,000万を使うなど、その人の人生観、吃音をどう考えているか、将来をどのように展望しているかなど、知らず知らずのうちにオープンにされていくのです。大阪の乗りで、ヤジや突っ込みが満載で、涙が出るほど大笑い。そして、しんみりと。

 どもりカルタに、まじめに真剣に勝負する姿勢や、こんなゲームでも真剣に遊びにしてしまう、大阪のこのおもしろさは、他には見られないことでしょう。大笑いしながら、いろんなことを考えさせられました。
 
 「どもらずに本読みをする能力」10万、「どもらずに電話を受ける能力」15万、「どもりに悩まない精神力」3万と、意外に低額で落札されたものがあるかと思うと、「考えたことをすぐ実行に移す能力」300万、「どもりになってよかったと思える気持ち」555万と、かなり高額です。

 今日のゲームで、自分が何に価値を置いているか、他人がどのようなことに価値を置いているか分かっておもしろかったと、感想が出されました。


 そうそう、今日のテーマは面接です。

 私が吃音教室に着いた時はすでに始まっていました。初参加者の自己紹介と、その人の質問に各自が答えている時間でした。面接のことなどを話しているようだったので、最近の電話相談のこと、話の流れとは違うかもしれないと前置きして話しました。

 私の電話相談、吃音ホットラインは、子どもの吃音の相談が多いのですが、就職活動の人の相談も少なくありません。2日前の相談は、子どものころはかなりどもっていたが、積極的な性格なので、どんどん話していく中で、あまりどもらなくなった青年の相談でした。
 彼は、就活の面接に入れば、なんとか話す自信があるけれども、部屋に入るときの、「失礼します」と、面接が終わった後の「ありがとうございました」などの挨拶の語頭がどもって、声が出なくて困っていました。面接の時間すべて、どもるから困るという人ももちろんいますが、このような、挨拶が困るという人は、実は、とても多いのです。

 このような相談は、簡単です。まず、「失礼します」「ありがとうございます」が言えるようにするための練習は一切必要がないこと、ネットの治るという情報は、すべてインチキだと話して、どう対処するかを話します。

 これは何回も書いていることですが、「失礼します」「ありがとうございます」と一音一音きちんと言っているかどうかを気にする人はほとんどいません。
 「し」が出なければ「つれいします」「あ」が出なければ「りがとうございます」で、相手は、「失礼します」「ありがとうございます」と聞いてしまうのです。もっと気楽に考えようと、ちょっとアドバイスするだけで、十分なのです。その人は、自信がつきましたと、明るく電話を切りました。

 こんな簡単なことで、挨拶だけで困っている人には通用するのです。

 そんな話をした後、その初参加の人も含めて、ゲームを楽しみました。みんなの漫才のようなやりとりに初参加のその人も楽しそうに加わり、笑っていました。
 そして、最後の感想にこう話していました。

 これまで自分の吃音を公表したことがなかった。ここに来て初めてそれを言って、悩んでいるのは自分だけじゃないとよく分かった。仕事のことでみんなの話を聞けて、勉強になった。ここに来て良かった。

 本当におもしろい人たちのいる大阪吃音教室です。

 日本吃音臨床研究会・会長 伊藤伸二 2012年2月26日 

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 世界中に確実な吃音治療法が全くない中で、私たちは「吃音を治す」ではなく、「吃音を生きる」を目指します。吃音とうまくつきあために、交流分析、アドラー心理学、論理療法、当事者研究、ナラティヴ・アプローチ、認知行動療法、アサーションなどを、楽しく学んでいます。
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18人参加の、大阪吃音教室の運営会議

 充実して、楽しい運営会議
 NPO法人大阪スタタリングプロジェクトは、吃音に関して様々な活動をしています。吃音親子サマーキャンプや、どもる子どもの親のための相談会などです。しかし、一番大きな、中心的な活動は、毎週金曜日に開かれる、大阪吃音教室です。その年間スケジュールを決める運営会議が、2月18日、19日にありました。

 これまでは、合宿で2日間でしていたのですが、最近は泊まりはしませんが、それでも2日間をかけて行います。海外や、地方に転出した人は参加できませんでしたが、ほとんどの人が参加したことになります。毎回思うのですが、この結束力はすごいことだと思います。
 毎週の大阪吃音教室は、だいたい、25〜30名ほどが参加していますが、18名の運営委員がいるというのは心強いです。仕事が忙しくなったり、金曜日なので会議が入ったりして休んでも、これだけのメンバーが下支えしていると考えると、私も気楽に休むことができます。

 会議はまず、ひとりひとりのふりかえりから始まります。時間制限はないので、かなり話す人がいます。担当した例会のよかった点や反省点など、また周りの人も感想を言っていきます。みんなが真剣に自分が担当する例会への思いを語ります。努力したこと、工夫したこと、そして、周りの人も実に良く観察していて、覚えていて、レスポンスします。みんなが、支えてくれていると実感できます。

 吃音についての講座、コミュニケーションに関する講座、人間関係に関する心理学の講座、それぞれの人が、「今年はこれを担当します」と手を挙げて担当しただけに、真剣に勉強したあとが感じられます。みんな、本当にまじめな、誠実な人たちだなあと、ひとりひとりのふりかえりを聞いて思います。

 そして、みずから担当したい、挑戦したい講座に手を挙げていき、2012年度の年間のスケジュールが決まっていきます。今年のテーマを決めたり、新しい講座が新設されたり、一年一年変わっていきます。常にバージョンアップしていくのが、すごいことです。

 私は国際吃音連盟の役員なので、また世界大会に何度も参加しているので、世界のセルフヘルプグループがどんな活動やミーティングをもっているかよく知っています。大阪のような、充実した、役に立つ、吃音にとって意味ある例会をしているところは、世界にありません。おそらく、世界一だと私は思います。

 みんなも、いい仲間に恵まれている幸せを感じていたことだと思います。
 2012年度の例会は4月13日から始まります。こんなに長く続けていて、まったくマンネリにならないのが不思議です。また、新しい出会いが私たちを待ってくれています。楽しみです。

日本吃日本吃音臨床研究会・会長 伊藤伸二 2012年2月23日 

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 世界中に確実な吃音治療法が全くない中で、私たちは「吃音を治す」ではなく、「吃音を生きる」を目指します。
 吃音とうまくつきあうに、交流分析、アドラー心理学、吃音の当事者研究、ナラティヴ・アプローチ、認知行動療法、アサーション、論理療法などを学んでいます。
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吃音で心配だった高校面接、合格のうれしい電話

 毎日3件ほどはある、吃音ホットラインの電話。当然のことながら最初から明るい声はあまりありません。昨日の電話は、珍しく明るい声で始まりました。

 「私、OOOOです」。
 実はこの出だしも珍しいです。最初から苗字を言う人はいますが、名前までフルネームで言う人はあまりいません。先だっての相談の電話の時も、この中学3年生はフルネームでのスタートでした。なので、明るい声で名前を告げられて、すぐに高校面接の相談のあった彼女だと分かりました。
 高校合格の知らせが届き、すぐに私に電話をしなければと思って、報告の電話をしてくれました。面接官は、柔らかい雰囲気で質問してくれたようで、楽に話せたようです。また、一所懸命話す彼女の姿を面接官は好感を持ってくれたようです。これで、自信がつきましたと話してくれました。そして、自分のことが書いてある私のブログを読んで、ブログの後に拍手まであって、うれしかったそうです。
 私も、あのブログを読んだ人から、もし電話が彼女からまたあったら、応援していると伝えて欲しい言われていたことを伝えました。とても喜んでいました。

 たくさんの電話があるので、その時は一所懸命なのですが、忘れてしまうことが少なくありません。だけど、あのようにブログに書くと、よく覚えているものです。だから、彼女からの電話ですぐに、相談の時の電話を思い出しました。「同じように困っている人に、少しでも役に立てばと思ってブログに書いたのですよ」と話すと、「私もうれしかった」と言ってくれました。

 今回は面接がうまくいったけれど、また今度いろんなことが起こるかもしれません。だけど、今回、人に相談して、自分なりに考えて頑張った経験は、今後も役に立つだろうと話しました。時間ができたら、私の書いた本で、紹介したものは是非読んでおいてねと伝えました。
 彼女は、私のブログの読者になってくれましたので、このブログも読んでくれていると思います。このように、報告をしていただくと、私もとてもうれしくて、吃音ホットラインの電話相談をしていてよかったと思います。

 これからは、印象にのこった相談については、プライバシーに配慮しながら、ブログに書いていこうと思いました。
 OOOOOさん、うれしい報告の電話、ありがとうございました。

日本吃音臨床研究会・会長伊藤伸二 2012年2月17日

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 世界中に確実な吃音治療法が全くない中で、私たちは「吃音を治す」ではなく、「吃音を生きる」を目指します。吃音とうまくつきあうには、吃音の当事者研究、ナラティヴ・アプローチ、認知行動療法など学ぶべきことがたくさんあります。
 役に立つ月刊紙、年刊研究誌などの見本をお送りします。500円分の切手を同封の上、お申し込み下さい。
〒572−0850 大阪府寝屋川市打上高塚町1−2−1526
日本吃音臨床研究会 代表 伊藤伸二
TEL/FAX 072−820−8244
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吃音についていっぱいしゃべろう会

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 2月11日、私の故郷である三重県津市のことばの教室に行ってきました。どもる子どもや保護者、ことばの教室の教師たちと出会うためです。
 近鉄の「津新町」駅に少し早く着いたので、どこか喫茶店をと探しましたが、駅の周辺にはありません。以前はあったような気がしていたのですが。懐かしくて、駅の周辺を少し歩きました。19歳までいた町です。よく行って叱られた駅前の映画館はもうありません。

 9時30分から私の講演が始まり、保護者との話し合い、子どもとの話し合い、懇親会とすべての行事が終わって近鉄「津」駅を出発したのが、夜の8時でした。吃音にどっぷりつかった私の一日が終わり、近鉄特急のシートに深々と座ったとき、温かい、満ち足りた気持ちが広がりました。

 40人程度と聞いていたのが、65人も参加してくれました。津市の人だけでなく、四日市や松阪、鈴鹿などからも参加して下さったようです。自分の担当している子どもたちに私と出会わせたい、共に話をしてほしいという願いから始まったこの企画が、このように広がったこと、小島玉子さんたち、ことばの教室の先生方の熱意のたまものです。

 小学2年生の秋から吃音に悩み始め、つらい、苦しいことばかりで、楽しい思い出のひとつもない故郷の津市です。その苦悩の原因となった吃音について、講演し、保護者やどもる子ども、その子どもたちとつきあう、ことばの教室の教師と話すことができること、私にとっては本当にありがたく、うれしいことです。人と人との関係を切り離した吃音のおかげで、今、私は、たくさんの人と出会っている。不思議なことです。

 どもる子どもたちとの話し合いで、「せっかく、どもりになったのだからどもりを治したくない」という子がいました。その子は、私の書いた「どもる君へ いま伝えたいこと」(解放出版社)を読んでくれている子どもでした。ことばの教室の先生との吃音についての学習や、私の本を読むなどして、そのように考えるようになったのでしょうか。私が吃音に深く悩んだ吃音について、このように明るく話す子どもと出会って、長年吃音に取り組み続けてきてよかったと、心底思えました。
 その時の子どもたちとの話し合いの様子は、またブログで紹介したいと思います。

 その子どもの「せっかくどもりになったのだから」のことばの「せっかく」が頭から離れません。

 せっかく吃音に悩んだ当事者にとってできることは何でしょうか。悩んだから、「吃音を治し、改善しようね」と吃音治療を提案することでしょうか。悩んだけれど、今は楽しく生きています。

 吃音に悩みながらも、自分なりの人生を生きてきた私たちにできることは、吃音を治療することを求めたり、治そうと励ますことではなく、どもっていても、豊かな、楽しい人生を送ることができると、自分の体験をもとにして話していくことではないでしょうか。そうでなければ、せっかく吃音に悩んだ意味がありません。
 ところが、日本を、世界を見渡しても、吃音に悩んできた当事者で、相変わらず「吃音治療」の立場に立った発言を続けている人は少なくありません。いや、とても多いのです。それでは、自分の吃音人生を、失敗だったと言っていることに等しいのではないでしょうか。しかし、そのような人も、実際は、豊かに自分の人生を生きた人が多いのです。だから、私はとても不思議でならないのです。

 私は、吃音に深く悩み生きた21歳までの人生を、とてもいとおしく思うし、その後の吃音と共に楽しく生きた人生を誇りに思います。「どもりに悩んで本当に良かった」と心の底から思う私は、吃音と共に生きる人生を、トータルでは素晴らしいと考えているのです。

 このように考えてきたことを、今回も話してきました。そして、一所懸命書いてきた本が、少なからず多くの人に共感をもって受け止められていることを知りました。私の体験も役に立っていると実感できるのはとてもありがたいことです。近鉄特急の座席の中でずっと、今日一日を振り返っていました。
 日本吃音臨床研究会・会長 伊藤伸二 2012年2月12日
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 世界中に確実な吃音治療法が全くない中で、私たちは「吃音を治す」ではなく、「吃音を生きる」を目指します。吃音とうまくつきあうには、吃音の当事者研究、ナラティヴ・アプローチ、認知行動療法など学ぶべきことがたくさんあります。
 役に立つ月刊紙、年刊研究誌などの見本をお送りします。500円分の切手を同封の上、お申し込み下さい。
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QU−E(くえ)の300人ライヴ

クエライブ
クエライブ3
クエライブ2

1月29日、QU−E(くえ)の300人ワンマンライブに行ってきました。前にブログに書いたように、ボーカルのトミーが、私の古くからの友人の娘さんです。久しぶりの友人からの電話でこのライブのことを聞きました。
 私はそのころ、小児科医の全国研修会の原稿の締め切りを月末に控えていて、ライブに行けるかどうか五分五分だと書きました。結局、原稿が完成しないままに、私はライブに行くことにしました。徹夜しても、一日無理をいって原稿を遅らせてもらっても、20年ほど会っていない倉野さんとも会いたかったし、何よりも、クエのホームペーシで聞くことができた曲に共感したからです。やはりと言うか、当然というか、原稿は一日遅れて送ることになりましたが、問題はありませんでした。無理をして行ってよかったと、本当に思いました。

 もちろん、これまでもコンサートやライブには行ったことがありますが、当然つきあいのない人です。今回は古くからの、とても親しい人の娘さんのライブです。やはり格別の思いがありました。
 会場に着くと入り口ですぐに倉野さんに会いました。お互い年はとりましたが、時間は一気に縮まります。会場には早く着いていたので、ずっと倉野さんと話していました。不思議なことに、これまでまったく知らなかったことをたくさん聞きました。知っているようで知らなかったこと、やはり久しぶりの友人とは無理をしてでも会うものだと思いました。開演前の30分ほどの立ち話でしたが、人生についての深い話ができ、ライブ前のこれだけで私は満足していました。

 ライブが始まりました。トミーは挨拶の中で、最初はお客さんが3人ほどしか入らなかった時もあり、路上ライブやいろんな経験の中で、100人、150人と、お客さんが少しずつ広がっていったこと、今回の300人のライブは初めてで、大きな冒険だったことを話されました。音楽や演劇などの世界は、それだけで食べていける人はごくわずかです。その中で、一歩一歩、夢を忘れずに進んできた二人に、300人びっしりとつまった会場の全員が大きな拍手で、共に喜び合っていました。著名な、人気のあるミュージシャンのコンサートもいいのですが、このようにまだ広くは知られていないが、一所懸命な若い人のライブは、格別のすばらしさがあります。

 若い人たちの中に、中年の人もかなりいました。宮本亜門の「金閣寺」はほとんどすべて若い人といった感じだったので、意外でした。しかし、ライブが始まって、それがなぜかが分かりました。
 若い人へのメッセージというよりも、弱さやしんどさを抱えて生きる人たちへの応援歌のような、優しさがありました。名前は忘れましたが、前半の最後に歌った新曲は、私のこれまでの、ある意味孤独な、吃音の取り組みに対しての応援歌のような歌でした。CDが発売されれば、是非買いたいと思いました。
 会場と一体感のあるライブは、ラストの2曲で最高潮になりました。みんながペンライトを出して曲に合わせてふり始めました。夜光虫のようです。会場のみんながこの若い二人を心から応援しているのがよく分かりました。
 倉野さんに紹介してもらって、娘さんに挨拶をと思ったのですが、ライブが終わった後はCDのサイン会で、お客さんがずらりと並んでいたために、名刺だけを置いて、会場を後にしました。無理をして来て良かったと思いました。
 特に、私の好きなラストランナーの詩を紹介します。

    ラストランナー
足の遅いランナーがいた ゴールが見えなくて泣いてた
途中何度も走れなくて 何度も転んで怪我もした

速い人 沢山いる 近いゴールも沢山ある
自分の走りをすればいい 一生懸命走ればいい

※1番になる為に 走ってるんじゃない それぞれゴールがあり 走るスピードも違う
遅れてもいいんだよ 一生懸命なら 君が歩いたこの道は ちゃんと輝いてるから

転んだのは進んだから 迷うのは進みたいから
こけてもいいから進もうよ たとえ小さい一歩でも

願うのなら望むのならば 立ち止まらずに頑張ろうよ
一人で走ってるんじゃない あなたが横にいてくれたね

※リピート

どうしても進めなくなったら 振り向いてゆっくり休めばいい
速く走ろうと 思わなくていい そのままのスピードでいいよ

1番になる為に歌ってるんじゃない それぞれの歌があり それぞれ声も違う
うまく歌えるじゃなく 心で歌うかで 今歌ったこの歌は いつかみんなに届くでしょう

※リピート

1番最後のランナーが ゴールした時 1番祝福されたこと 気づきました
最後まで走れたのが ゴールでした ラストランナーはその日 1番輝いてました


日本吃音臨床研究会・会長 伊藤伸二 2012年2月7日

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 世界中に確実な吃音治療法が全くない中で、私たちは「吃音を治す」ではなく、「吃音を生きる」を目指します。吃音とうまくつきあうには、吃音の当事者研究、ナラティヴ・アプローチ、認知行動療法など学ぶべきことがたくさんあります。
 役に立つ月刊紙、年刊研究誌などの見本をお送りします。
 500円分の切手を同封の上、お申し込み下さい。
 〒572−0850 大阪府寝屋川市打上高塚町1−2−1526
 日本吃音臨床研究会 代表 伊藤伸二
TEL/FAX 072−820−8244
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どもる子どもと親、教師、言語聴覚士のための集い

2012年02月06日22時33分24秒0001


 千葉市のことばの教室の教師が中心になって、どもる子どもの交流会をしています。私も何回も参加したことがあるのですが、もう26回になるのだそうです。
 誰でも参加できます。関東地方へは行く機会が少ないので、関東地方の方で、興味のある方は是非ご参加下さい。
       講演は、 −映画「英国王のスピーチに学ぶ
                 「吃音否定」の物語から、「吃音肯定」の物語へ−

 参加ご希望の方は、「英国王のスピーチ」のビデオがレンタルされていますので、観ておいていただくとありがたいです。詳しくは、連絡先にお問い合わせ下さい。
 日本吃音臨床研究会・会長 伊藤伸二 20012年2月6日

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 世界中に確実な吃音治療法が全くない中で、私たちは「吃音を治す」ではなく、「吃音を生きる」を目指します。吃音とうまくつきあうには、吃音の当事者研究、ナラティヴ・アプローチ、認知行動療法など学ぶべきことがたくさんあります。
 役に立つ月刊紙、年刊研究誌などの見本をお送りします。500円分の切手を同封の上、お申し込み下さい。
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吃音で悩みつつも、高校入試の面接に向かう女子中学生

 さわやかな中学3年生
 
 私の電話相談、吃音ホットラインには毎日3件ほどの相談があります。
 たくさんの声と出会います。昨日の電話です。
 「私○○ですが、吃音のことで相談してもいいですか? 」
 第一声から、吃音に悩みつつも、明るく、積極的な人のように感じました。
 「これまでどもりについては、困ることはあっても、親にも相談したことがなかったのが、高校入試の面接が不安になったためか、学校では以前よりどもるようになった。入試の面接も心配だけど、あと少しの中学生活も、充実して楽しく終わりたい」。
 先日初めて親に悩みを話して、爆発したとのことでした。

 面接では、本題に入るとそれなりに話せるのですが、「失礼します」「お願いします」などの挨拶が言えない。推薦入学の面接だから、礼儀作法の善し悪しも判断になるといいます。本当は礼儀正しいのに、どもって言えず礼儀のない奴だと判断されるのが嫌だ。
 聞いていて、本当にそうだと思いました。彼女の場合、珍しいのですが、語頭よりも語尾が出ないと言います。「しつれい・・・・・」となるそうです。どうしたら自信をもって面接に臨めるのかという相談でした。

 「面接までになんとか、どもりを改善したい、いい方法がないか?」の相談ではないことが私にはうれしいことでした。吃音のサイトには、こうしたら「吃音が治せる、改善できる」の情報があふれています。そのサイトも見ながら、そこではなく、私のところに電話をかけて下さったのが、まずうれしかったです。

 「自信は意識してつけたり、とったりできるものではない。自信なんてなくても、そのままのあなたで面接に臨めばいい。入試で、どもるからといって落ちることは、100パーセントない」
 と言い切りました。そして、挨拶の対策です。「今から僕が挨拶しますから、よく聞いていてね」と言って、
 
 「・れいします」「・ねがいします」「しつれい・・」「おねがいし・・」

 少し大きめの声で「れいし」「ねがい」を強調し、語頭を言わなかったり、語尾をあいまいにしました。
 どうですか。「お願いします」「失礼します」と聞こえましたかと尋ねると、十分にそう聞こえたと言います。ある場面で、日本人が言うことばは、あらかじめ相手は予測している。だから多少曖昧でも大丈夫。この人は一音一音きっちりと発音したなんて誰も気にしていません。

 これは、挨拶が苦手という人には必ず言うことです。
 そうして言ってみても、どうしても声が出なかったら、挨拶もちゃんとできない礼儀のない人と思われるのはいやだから、「私が挨拶でこのようになるのは、どもるからです」と自分のどもりについて説明すれば、とてもいい面接になるよと話しました。

 彼女は十分に話を理解し、一段とさわやかで明るい声になりました。
 面接はこれで大丈夫だけれど、これから将来吃音がもっと大きな問題になるかもしれないから、インチキ情報の「治せる、改善できる」に振り回されないように、僕の書いた本を読んでほしい。せっかく親に爆発したのだから、高い本じゃないから買ってもらってねと伝えました。

 「どもる君へ いま伝えたいこと 解放出版社 1260円」

 高校に合格したら、私のホームページを読んで、このブログもときどきのぞいてねと話して、電話を切りました。うれしい、温かい気持ちになりました。

日本吃音臨床研究会・会長 伊藤伸二 2012年2月5日 
 
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 役に立つ月刊紙、年刊研究誌などの見本をお送りします。500円分の切手を同封の上、お申し込み下さい。
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土井敏邦監督の映画、「”私”を生きる」大阪で上映会

2012年02月04日16時03分15秒0001


 前のブログに、年末年始滞在していた湯布院で、友人の中曽根さんからこの映画のDVDをいただいたことを書きました。そのDVDを見て、涙がこぼれました。一人、大きな壁に向き合い、闘っている人がいる。何もしてこなかった私は、少し後ろめたい気持ちになりました。

 私は1944年生まれですから、全共闘世代です。私の通っていた明治大学は封鎖され、大学は長く休校でした。心情的には闘っている彼たちに深く共感しながらも、少しは関わったものの、思い切りは関われませんでした。家がとても貧しくて学費をすべてアルバイトで稼がなくてはならなかったこと、創立したばかりのどもる人のセルフヘルプグループ・言友会の活動を優先しなければならなかったことなどが原因です。

 その時に感じたようなものに近い、後ろめたさです。だから、権力と闘う3人の「私を生きる」にとても共感するのです。3人の生き方を長期にわたって撮影し続けた、土井監督に心からの敬意と、感謝の気持ちでいっぱいです。ブログなどを通して、知り合いに、この映画のこと、情報を伝えることがせめてもの私にできることです。この映画が、多くの人に観てもらえるように心から願っています。

 昨日の朝日新聞の夕刊に、大阪での上映会の記事がありました。是非、多くの人に観ていただき、仲間と語り合っていきたいと願っています。

 この映画存在を知ることができた湯布院の写真も添付します。P1000264
P1000281
P1000238


日本吃音臨床研究会・会長 伊藤伸二 2012年2月4日

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故郷の三重県津市で、吃音の講演や子どもたちとの交流をします。

 私は小学1年生から高校を卒業するまで、三重県の津市にいました。3歳ごろからどもり始めたようですが、明るく元気な子どもでした。ところが、小学2年生の秋の学芸会で、セリフのある役から外されたことで、吃音に強い劣等感をもって、悩み始めました。小学、中学、高校と本当につらい生活でした。友だちもなく、教師からもいじめられたので、故郷の津市には楽しい思い出は何ひとつありません。ところが、ずいぶん前にブログで中学の同窓会のことを書きましたが、今では津市はいい町になりました。
 2月11日、津市の小学校で講演や話し合いがあります。ことばの教室に来ている子どもや、保護者、ことばの教室教師が参加対象ですが、このブログで興味を持たれた方は、主催者にご連絡下さい。故郷とは言いながら、そんなに行く機会はありませんので、参加できる人、参加したいという人がおられたら、引き受けて下さいます。
 その案内と、以前の記事を紹介します。読売新聞の連載の1回目だけ紹介しました。7回の連載でした。日本吃音臨床研究会のホームページには、以前の新聞記事など掲載されていますのでお読み下さい。このブログを読んで下さった方と、お会いできればうれしいです。来週のことで、日程が迫っていますが。また、お知り合いにご紹介いただければ幸いです。

2012年02月02日22時19分00秒0001基本的信頼2012年02月02日21時53分23秒0002

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