伊藤伸二の吃音(どもり)相談室

「どもり」の語り部・伊藤伸二(日本吃音臨床研究会代表)が、吃音(どもり)について語ります。

2011年03月

東北関東大震災 海外からの見舞いへの感謝

 
 国際吃音連盟の仲間からのお見舞い

 今回の大震災、世界で注目されています。さっそく、国際吃音連盟の役員の仲間から、吃音研究者から、私たちの安否の問い合わせと、お見舞いのメールが私たちにたくさん届きました。
 1986年、京都で開かれた、第一回吃音問題研究国際大会に参加した、アメリカの言語病理学者からも、日本のことを忘れずにお見舞いがありました。
 吃音を通して、世界とつながっている、心配してくれる仲間がいることは、とても勇気づけられました。

 国際吃音連盟の役員を始め、お見舞い下さった方々に、次のお礼のメールを出します。

 日本の大震災について、世界中の仲間から、私たちの安否の確認と、お見舞いをいただき、とても勇気づけられました。心から感謝します。
 日本吃音臨床研究会の仲間は無事でしたが、被害はありました。また、吃音親子サマーキャンプに参加している人の中には、被災地の人がいました。3年間参加していた女子中学生の無事がまだ確認されていません。父親と妹は避難所で無事が確認できましたが、母親と本人がまだ確認されていません。まだ、取り残されている地域や、確認できない地域があります。ただ無事を祈るばかりです。

 原子力発電所の破壊など、日本は甚大なダメージを受けました。首都圏では節電のための3時間停電が実施されるなど、混乱は当分続きそうです。その中でも私たちは励まし合って、復興しようとしています。その時、世界各地からの皆さんの励ましはとても大きな勇気づけになります。全国の仲間に、世界から見舞いや励ましがあったことを伝えます。ありがとうございました。

 あまりにも大きな犠牲ではありますが、ここから私たちは、学び、今後に生かそうとしています。被災地の子どもたちは、原子力発電の安全性について、仲間の力について、生き残った自分たちがどんな貢献ができるかを学び合っています。また、たくさんの避難所でボランティアとして活動をしています。
 豊かで、便利な生活に慣れてきた日本人は、今、謙虚に、新たな人生の構築を考え始めています。もう、経済力を誇る時代ではありません。
 不便でも、心豊かな生活を目指そう。
 日本が再生する大きなチャンスにしよう。
 これまでの便利すぎる生活を見直そう。
 原子力発電に頼らない生活をしよう。
 自分だけでなく、国の、地域の、仲間への貢献をしよう。
 こう考える人々が、子どもも含めて、全国的に広がりを見せています。
 日本は、立ち直ります。私も気分がめいり、元気が失われがちになりますが、私に課せられた、私ができることを誠実に取り組みたいと考えています。
 皆さんのお見舞いとご支援に心から感謝します。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二

東北関東大震災 ふたりの消息判明


 テレビの画面をみるたびに胸が締め付けられます。一人でも多くの人が無事でいてほしいと祈るばかりです。前回のブログに阿部さんの消息について尋ねましたところ、何人から心配しているとの連絡が入りました。人と人とのつながりを思います。そして、先ほど、仲間の渡辺貴裕さんから次の情報が入りました。ブログの大きな影響に驚いています。

宮城の阿部さん一家。 父・征弘さんと妹の弘愛ちゃんの無事は確認できたようです。 Google の Person Finder に今日の20時過ぎに、叔父の今野順夫という方 から次の情報が入っていました。
 容子の夫のお兄さんが、仙台から直接、女川に入り、夫・征弘さんと、次女・友愛の無事を確認したが、容子本人と長女の連絡が取れず、再度、明日、探してみることになったとの、連絡が征弘さんの従妹から寄せられました。

 二人の無事か確認できましたが、後の二人の無事は確認できていないようです。少しほっとしながら、後の二人の無事を祈るばかりです。このようなことがあって、阿部さんご一家のことが鮮やかに思い出されます。
二人を始め、多くの人の無事をただただ祈るばかりです。

日本吃音臨床研究会 伊藤伸二
 

東日本大震災お見舞い


 東日本大震災でお亡くなりになった方々に心からのご冥福をお祈りします。
 また、被災された方々のご病気やおけがの回復と、今後、できるだけ早く元の状態に、元の生活に戻りますよう、心からお祈りします。

 そのとき私は、大阪厚生年金病院の地下にいました。持病の糖尿病の診察でした。年末年始、新しい本の執筆と、2冊の冊子の編集に追われ、睡眠時間のとても少ない、大変な日々を送っていました。さらに、珍しく39度という高熱の風邪が長く続き、日課にしていたスロージョギングも散歩もできませんでした。食欲がないためにおかゆやバナナを食べて食生活が乱れていたこともあり、血糖値が高いことは予想していました。
 それが予想を超えて高かったために、地震の揺れが、地震とは思わずに、血糖値が高かったためのめまいか、立ちくらみなのかと思いました。なんともいえない変な気持ちでした。それが、めまいや立ちくらみでなく地震の揺れだったことは、すぐにテレビの速報で分かりました。しかし、周りの人も、「揺れたよね」程度だったので、あの気分が悪くなったことが、ここまで大きな災害になっているとは、想像もできませんでした。あの阪神淡路大震災のときも、そのような感じでした。
 テレビで見る映像が、現実のこととは思えず、ただただ驚きで見ていました。ひとりでも多くの人の命が助かることを願う、緊張感の中にいたためか、涙は出ませんでした。しかし、ここに来て津波の映像に加えて、被災された方々の声や映像が出るようになって、涙があふれてきました。だんだんと、現実のものとして受け止めざるを得なくなりました。

 私たちの、毎年夏に開かれる、吃音親子サマーキャンプには、全国から参加があります。昨年も鹿児島や、東北地方からの参加がありました。参加した人の中に、地震の起こった地域の人が2組いました。

 岩手県から3年間連続で参加し、昨年卒業式をした高校生の山口君と、宮城県の中学生の阿部さんです。
 山口君のお父さんとは電話がつながり、内陸部だったために皆無事でほっとしました。
 今年中学3年生の阿部莉菜さんは、お母さんの容子さんと妹と3人で、一昨年の第20回のキャンプに参加しています。小学6年生の時、初めて参加し、そのときはお父さんも含めて、家族全員で来ています。僕たちと出会えてよかったと本当に喜んでおられました。学校でのことを、キャンプの初日に話して大泣きをして、翌日ケロリとしていたことをよく覚えています。

 彼女の家が、宮城県牡鹿郡女川町で、平地はほぼ壊滅状態の地域です。
何度も電話をしていますが、つながりません。
ただ、無事に生きていて欲しいと祈るばかりです。
もし、ご家族の消息をお分かりの方がおられましたら、情報をお寄せいただけれはありがたいです。
 jspsi@iris.eonet.ne.jp です。

 今回の大地震の映像を見るたびに、胸が痛み、私自身の気力も萎え、仕事が手につきません。でも、生きている私たちが、うちひしがれて気力をなくしたら、亡くなられた方に申し訳ありません。亡くなられた人々の冥福を祈り、悲しみをもちつつも、自分の仕事はしなければなりません。

 皆さんの中にも、ご家族、ご親戚や知人に被災された方がおられるかもしれません。お見舞い申し上げます。大変な、困難な状況ですが、力を合わせて立ち上がらなくてはなりません。お互いに、がんばりましょう。
 阿部さんに関する情報のある方、是非お寄せ下さい。お願いします。
 この辛さをもちつつも、私は吃音についての発信を続けなくてはなりません。続けようと気力をふるい立たせています。自分にできる支援ができればと考えています。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 
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