人生をみつめるために〜東京・吃音ワークショップ

 2019年が始まりました。
 最近、新聞や雑誌で、よく「対話」ということばを目にします。政治の世界でも、教育の世界でも、社会全般で、今こそ「対話」が求められていると言うことでしょう。2018年の年末に金子書房から出版した、『どもる子どもとの対話〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力』というタイトルは、まさに時代が求めているそのものを言い表したものと言えます。
 今年は、この「対話」をキーワードに、活動を展開していこうと思います。
 そんな2019年の幕開けに、以前案内した「伊藤伸二・東京ワークショップ」を再度、案内します。

 正直に、率直に、自分のことを語る。
 自分が考えたことをことばにして他者に語る。
 他者のことばに耳を傾ける。
 困った時、悩んだ時は他者に助けを求める。
 常に複数の選択肢を考える。
 考え、選択したことを行動に移す。

 これらのことを大切にしたワークショップを、1月、東京で行います。毎年、この時期に東京で行ってきたもので、今回で第7回になります。
 僕は、思春期、ひとりで、吃音に深く悩んでいました。これらのことの必要性を教え、育ててくれる人がいたら、そして、実際に私がこうしたことができていたら、もっと早く吃音の悩みから脱出して、自分の人生を生きる道筋に立てたのではないかと思います。

 昨年の第6回東京ワークショップには、中学2年生の女の子が母親と共に参加しました。僕がする質問に対して彼女は考え、自分のことばで応答していきました。彼女が考えている時間や息づかいは今でもよく覚えています。深刻な話題だったけれど、爆笑する場面もあって、あっという間に時間が経過していきました。それくらい充実していたのです。それは、その場を支えるいい聞き手がいたからだったと思います。

 僕のことばの師匠である竹内敏晴さんは、いつも個人レッスンに入るとき、「意味あるレッスンになるかどうかは、立会人である周りの皆さんにかかっている」と必ず言っていました。
 最近の僕のワークショップは、ひとりに焦点を当てた、当事者研究風な、オープンダイアローグ的なものになることが多くなってきています。東京ワークショップも例外ではありません。僕もいつも、対話を始める前に必ずこの話をします。

 これまでの東京ワークショップでは、こんなことが話題になりました。

・若い人が将来の仕事について悩んでいました。どんな仕事を考えているのかを聞きながら、起こってくるプラス面とマイナス面を一緒に考えました。最終的には、どんな仕事に就いても、どもることの苦労はついてくる。それならば、本当に自分がしたいと思う仕事に就いてほしいと伝えました。
・どもりを隠さず、逃げずに、言い換えもしないで、話していきたいと思うが、苦しいという人がいました。逃げてもいい、言い換えてもいい、どんな手をつかっても、生き抜いていけばいい。それが僕たちのサバイバルだ。でも、どうあがいても出ないときはどもるという覚悟を持つことだ。強行突破しかないと思っていたその人は、気持ちが軽くなったと、ほっとしていました。
・自分のどもりと徹底的に闘っているという人がいました。その生き方は、しんどいので、変えたいと思うが、今更変えることができないと言います。僕は、変える必要はないんじゃないかと言いました。人それぞれの生き方がある。こうでなければならないと縛ることはないと思うからです。返ってきた僕の答えがその人にとっては意外だったようですが、それでいいと言ってもらえてよかったと言っていました。

 いろんな人が、さまざまなことを考えています。ひとりひとりの人生に寄り添い、自分を振り返ることのできる時間をご一緒しませんか。

   伊藤伸二・吃音ワークショップin東京
日時  2019年1月14日(祝日) 10:00〜17:00
会場  北とぴあ(東京都北区王子1-11-1 TEL03-5390-1100) 601会議室
参加費 5000円…当日、受付でお支払い下さい。
参加申し込み方法 〔樵亜´年齢 住所 づ渡暖峭罅´タΧ函´ο辰傾腓辰討澆燭い海箸篳垢たいこと О貌伸二・吃音ワークショップを知ったきっかけ を書いて郵送かFAXでお申し込み下さい。
問い合わせ・申し込み先  日本吃音臨床研究会
     〒572-0850 寝屋川市打上高塚町1-2-1526   TEL/FAX 072-820-8244


日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2019/1/1