ナラティヴ・アプローチと吃音の、新しい本が、金子書房から12月出版!


 1年間、取り組んできた『どもる子どもとの対話〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力』が、いよいよ12月上旬、金子書房から刊行されることになりました。
 共著者の国重浩一さんの、分かりやすいナラティヴ・アプローチの解説と、ことばの教室での具体的な実践、子どもとの対話の実例をたくさん紹介しています。
 ぜひ、手にとっていただければと願っています。


金子書房より12月刊行!
 『どもる子どもとの対話』
   〜ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力〜
                 定価 2200円+税  四六判250ページ
                 編著 伊藤伸二・国重浩一   
 「吃音に対する否定的な物語」を書き換えることが大切だとする、ナラティヴ・アプローチ。
 そのために、子どもと親、子どもとことばの教室の担当者や言語聴覚士に、どのような対話が必要か、ニュージーランドの大学院でナラティヴ・アプローチを学んだ臨床心理士の国重浩一さんと、吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会の仲間たちがディスカッションして作り上げた、実際の子どもとの対話に役立つ本。
……………………内 容…………………
序章 どもりのふしぎさ…国重浩一
 当事者でもない、吃音の研究者でもない国重浩一さんが、どもりについて率直に感じたことをナラティヴ・アプローチとからめた、この本の導入。
  1.どもりの原因   2.ふしぎなどもり   3.たくさん語ってもらうことの大切さ
  4.ナラティヴ・アプローチとは   5.いくつかの主要な用語

ナラティヴ・アプローチとは何か…国重さんが分かりやすく解説。
  1.ナラティヴ・アプローチの考え方
   物語としての問題/将来を示唆するアイデンティティ/
   コミュニケーション問題としてのどもり/ナラティヴ・アプローチの会話
  2.外在化する会話法(マップ1)
外在化する会話法の効果/外在化する会話法にはどんな影響があるのか
   自分の話し方の特徴を表現する言葉/問題を擬人化する
   問題の外在化だけではない、外在化する会話/外在化する会話における主語の作り方
  3.再著述する会話法(マップ2)
   再著述する会話法の方向性/再著述する会話への糸口/外在化する会話の再登場
   「行為の風景」と「アイデンティティの風景」/他者の視点からこそ語りえること
  4.関心を分かち合うコミュニティ
   
ナラティブ・アプローチで読み解く伊藤伸二の体験と、
     それをもとに解説する吃音の特徴、吃音問題の本質

 吃音に対する否定的な物語と、「吃音は治る、治すべきだ」との言説が人生を縛ったと考え、その物語を書き換えていった伊藤伸二が、吃音に悩み始めた原因と、悩みから解放されていったきっかけを整理。世界の吃音研究・臨床の動向やさまざまな領域から学び、対話を続けたことを基に、吃音の特徴と吃音問題の本質を解説。

子どもたちの吃音に対する否定的なストーリーを
      肯定的なストーリーに書き換える共著者としての実践

 ☆初めて子どもと出会うとき    ☆吃音チェックリスト・吃音の氷山
 ☆言語関係図           ☆どもりカルタ
 ☆吃音キャラクター        ☆当事者研究 
 これらの具体的な取り組みの中で、実際に対話している、ことばの教室での11の学習場面を、睫攅戚澄ε邉美穂・溝上茂樹・黒田明志が紹介。

それぞれのナラティヴが変わる
 どもる子ども、どもる大人、どもる子どもの親、言語聴覚士、ことばの教室の教員の体験。
 ☆世界的なミュージシャンのスキャットマン・ジョンの体験 
 ☆世界的な小説家のデイビッド・ミッチェルからのメッセージ
 ☆消防士になりたいという夢をもっていたひとりの青年のインタビュー
 ☆3人の言語聴覚士、野原信(帝京平成大学)、平良和(沖縄リハビリテーションセンター)、池上久美子(カナダ・アルバーター大学吃音治療研究所)らの、自身の経験を丁寧にみつめ直し、「吃音を治す、改善する」の考え方から変わっていった体験。北米の吃音事情の報告は貴重。

伊藤伸二が語る、「どもる君へ」のメッセージ
 16のメッセージは、子どもたちの周りにいる大人へのメッセージ。
 ☆どもりは病気でも障害でもない  ☆君は自分の人生を自分で選択する力がある
 ☆君には耐える力がある  ☆どもりと仲良くなろう  ☆「小さな悩み」になったらいいね ☆相手に敬意をもち、尊重しよう  ☆安全基地をもとう  ☆生活習慣は変えられる
 ☆実力をつけよう  ☆考える力をつけよう  ☆さわやかに自分の気持ちを表現しよう
 ☆自分で自分の苦労を研究しよう  ☆楽しく、幸せに生きることをまず考えよう
 ☆君の強みは何か、それを知って生活に使おう  ☆哲学的対話が君を変える
 ☆自分なりのゆっくりさを身につけよう

牧野泰美(国立特別支援教育総合研究所)による「対話への期待」とする推薦のことば



日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/11/21