吃音親子サマーキャンプ1 圧巻の「出会いの広場」

第29回目を迎えた今年の吃音親子サマーキャンプ。今年のサマーキャンプは、8月17〜19日の2泊3日でした。会場の彦根市荒神山自然の家は、前日までの酷暑が一休みしたようで、涼しく心地よい風が吹いていました。2日目の朝の気温は、19度。青い空と緑の山と参加した人たちの笑い声が響く場は、別世界でした。

最近は、大阪スタタリングプロジェクトの若いメンバーが早い電車に乗って、会場に一足早く着いてくれます。参加者に渡すしおりや芝居の台本の製本を、その場でしてくれるのです。全国からスタッフが集まってくるサマーキャンプは、事前に実行委員会をもつことができません。当日、初めて顔を合わせる人も少なくないのです。事前の準備はなかなか完璧にはできないのですが、できるだけのことをして、当日を迎えることにしています。

そろそろ参加者が乗ったバスの第一便が着く頃だというときに、大体の準備が終わります。一年ぶりの懐かしい顔、初めて会う顔、みんなを迎えながら、サマーキャンプが始まる幕開けのわくわく感を味わいます。広い体育館のような集会室で、開会の集いが始まります。自然の家の人からオリエンテーションを受け、すぐフリータイムです。この間に、スタッフ会議をします。自己紹介、顔合わせ、プログラムの説明、話し合いのグループに分かれての打ち合わせ、これらを小1時間で行います。初めて参加するスタッフは、とまどいの連続だと思うのですが、いつのまにか、慣れて下さって、それなりに動いて下さっているのが、いつも不思議です。「対等」を重視しているキャンプでは、世話する、世話されるという関係がないので、自分から積極的に動くことが求められます。
サマキャン オリエンテーション

スタッフ会議をしている間、参加者は、部屋に入り、休憩したり、荷物の整理をしたり、おしゃべりしたり、自由に過ごしているようです。このときの様子は見たことがないので、みんながどんなふうに過ごしているのか、分からないのですが、次に全員が集まったとき、いきいきとした顔で学習室に入ってくるので、楽しい時間を過ごしていたのだなあと想像しています。

 まずひとりひとりの参加者をどこから来たかも含めて紹介します。名前を呼んで、その場で立ってもらいます。あたたかい拍手が全員に贈られます。沖縄など、遠いところからの参加者には、一段と大きな拍手がおきます。「ようこそ。よく来たね。これから3日間、よろしくね」そんな意味をこめた拍手です。受付ということをしていないので、これが受付代わりになっています。
サマキャン 開会の集い 伸二挨拶
 そして、最初のプログラム、出会いの広場がスタートです。千葉市立院内小学校のことばの教室担当の渡邉美穂さんが担当してくれています。参加者の気持ちを少しずつほぐすように進行してくれます。
サマキャン 出会いの広場 ゲームサマキャン 出会いの広場 神輿サマキャン 出会いの広場 パフォーマンス
 最後には、来年30回を迎えるサマーキャンプの前年祭の意味をこめて、「村祭り」の替え歌をつくり、それに振り付けで踊るという、最初のプログラムとしてはかなり難度の高いパフォーマンスを提示しました。任意でできたグループごとに20分ほどでできあがり、全員の前で披露されました。それは、見事なものでした。初めて参加した人もいる中で、この完成度には驚かされます。これが、吃音親子サマーキャンプの伝統、文化というものでしょう。
替え歌の歌詞だけ、紹介します。

々喊聖海凌斥佑痢〆Fはめでたい30年
 どんどんどもろう どんどもろう
 どんどんどもろう どんどもろう
 朝からきこえる どもる声

∋海亮然の神様の 今年もやるぞサマーキャンプ
 ワイワイ ガヤガヤ 勇気が出るぞ
 ワイワイ ガヤガヤ 力がでるぞ
 朝から楽しい サマーキャンプ

みんなと一緒に30年 作文 劇に話し合い
 緊張しても がんばる劇
 共感できる 話し合い
 みんなで楽しく 祝いましょう

ずGはめでたい30年 カレーにのるのはエビフライ
 こんこんこんこん こんにちは
 わわわわ 私は伊藤です
 みんなでどもろう サマーキャンプ

こんな幕開けでした。歌っているうちに、元気が出てくるようです。初参加の二年生の男の子が、神輿の上に乗ってすてきな笑顔を見せていました。
今年もいいキャンプになりそうな、そんな予感のする出会いの広場でした。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2018/9/24