演習中心の、楽しかった吃音講習会

 2018年7月28日から29日まで、千葉の教育会館で、子どものレジリエンスを育てる〜どもる子どもとの対話〜をテーマに、第7回親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会が開かれました。北は、宮城県、山形県から、南は鹿児島県まで、ことばの教室の担当者や言語聴覚士が集いました。
講習会1 幕
 今回、初めて講師を招かず、吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会のメンバーが、実際に自分たちが教室で行っていることを紹介しました。演習の時間をたくさんとり、実際に体験していただくことを重視した講習会でした。演習があるのはちょっと苦手だなと思いつつ、それでも何かを求めて参加して下さった方も多く、熱気あふれる2日間になりました。今回は、今年初めてことばの教室の担当者になったという人の参加も多かったようです。

 迷走台風のおかげで、気をもみましたが、無事開催し、終われたこと、ほっとしています。参加された皆さんが、プログラム中はもちろん、隙間の時間や休み時間、よく話されていたなあという印象を持ちました。この吃音講習会の常連の方も多いですが、今年初めて参加したという方もいらっしゃいます。どんなことをするのだろうと不安を持ちながらの参加のようでしたが、すぐに打ち解けて下さり、温かい雰囲気の中ですすんでいきました。

 僕の基調講演は100分の予定だったので、『100分で名著』のように、25分くらいの話題を4つ話すつもりで始めました。なかなか思うようにはいきませんでしたが、ゝ媛擦瞭団А´▲淵薀謄ヴ・アプローチの話 K佑梁慮魁´ず2鵑垢4つの演習の意味づけ
について話しました。講習会全体の導入として、聞いていただけたと思います。
講習会3 伸二
 午後は、吃音チェックリスト、吃音キャラクター、どもりカルタと演習を進めました。チェックリストは、実際に担当者に自分がかかわっている子どもをイメージしてチェックリストをしてもらい、それをもとに話し合いをしました。大阪吃音教室でしている成人のチェックリストの講座も紹介しました。吃音キャラクターも、実際にキャラクターを描いてもらいました。それぞれに素敵なキャラクターが完成し、掲示しました。作って終わり、にならないよう、その次のステップについても話し合いました。どもりカルタも、まずはカルタとりから始めました。どのグループも真剣勝負をしていました。その後で、読み札の意味を考えたり、アレンジしたどもりカルタの取り組みを紹介しました。
講習会4 伸二と全体講習会9 キャラクターいろいろ講習会10 カルタとり
 一日目の最後は、小グループでの振り返りです。それまでの演習でもたくさん話しましたが、ここでもそれぞれが持っていることを出し合い、講習会を振り返りつつ、シェアできたように思います。
 二日目は、国立特別支援教育総合研究所の牧野泰美さんによる基調講演でした。文科省から出ている指針、幼少期からの自分の体験、対話のもつ意味など、話していただきました。講習会11 牧野
 その後、今回の特別ゲストの登場でした。若い消防士に、僕がインタビューするのですが、その前に、そのインタビューを聞くときのキーワードについてまず説明しました。レジリエンスの構成要素とポジティヴ心理学のキーワードです。そのキーワードに沿って、グループごとに話し合いをし、発表し、全体でシェアしました。「何も考えてきませんでした」と言いながらも、その場で、振り返り、自分のことを自分のことばで話していました。実は昨年のサマーキャンプの親の学習会で一度、同じような取り組みをしています。悩んだ経験からつかんだものはとても大きいなと思いました。彼は、今もいろいろ困ったり悩んだりしていると最後に話しました。それでも、工夫し、サバイバルしているのでしょう。名前は知っていたけれど、会うのは初めて、会いたいと思っていたなど、生の声を聞きたいという方に、満足していただけたのではないかと思います。講習会12 伸二と雅貴
 午後は、演習の残りの言語関係図を紹介しました。2センチ角の木のブロック125個を使い、立方体の形に並べて、それぞれの軸を減らしていって、自分の言語関係図を作ります。吃音を外に取り出し眺め、さわってみることを経験しました。講習会15 ブロックのみ

最後は、全員で円く輪になり、全体で2日間の講習会を振り返りました。気づいたこと、感じたことを自分のことばで語る、とてもいい時間でした。講習会18 ティーチイン 伸二も
 午後7時まで公式プログラムがあるというハードなスケジュール、できるだけ多くの人と話せるようにと途中で何度かあった席替え、たくさんの演習など、ひと味違う研修会でしたが、最後の振り返りでの皆さんの話を聞いて、満足していただけたように思いました。求めてきたものに出会えたと感じていただけたようで、うれしかったです。

それぞれにエピソードがあるので、少しずつ紹介できればと思います。
まずは、吃音の夏の前半、吃音講習会が無事終わったことをご報告しました。

日本吃音臨床研究会会長 伊藤伸二 2018/08/02