「吃音の夏」前半が終わりました

 早、8月に入りました。
 7月27・28日は、全国難聴・言語障害教育研究協議会全国大会・近畿大会が大阪で開催されました。僕は、そこで、午前中の吃音の講習会の講師と、午後からの吃音分科会のコーディネーターをしました。講習会には100名を超す方が、分科会にも100名近い方が参加して下さいました。

 まず、講習会の方ですが、広い会場にぎっしりでした。当日の朝まで、パワーポイントのスライドを作っていました。でも、いつものとおり、予定していたようには、パワーポイントを使うことはできず、その場で今生まれてくることばを頼りに、目の前の参加者の皆さんに語りかけていました。抜けたところは、大量の資料で補っていただけるものと思います。大きな流れは、吃音治療ではなく、子どもとの哲学的対話のすすめです。

全難言大会講習会 会場

 午後は、吃音分科会でした。滋賀県東近江市の4つの小学校の担当者が、どもる子どもたちのグループ指導の経過をていねいに発表して下さいました。吃音はグループ活動の意義か大きいと思います。それを計画的に継続して続けておられることの敬意を表します。

僕は、このグループに、昨年秋に一度、お邪魔して、子どもたちに会っています。事前に、子どもたちが質問を考えてくれて、直接、僕に質問してくれました。子どもらしい質問ばかりで楽しい時間でした。「伊藤さんは、吃音で何か困ることはありますか」という質問があり、その子と少しの時間、話をしました。そのやりとりのビデオを2分間ほど、会場で流して下さいました。今、僕たちが大切にしたいと思っている対話、哲学的対話に近いものになっているのではないかと思います。ことばの教室の担当者とどもる子どもとの間で、そのような対話ができればいいなあと思いました。

全難言大会講習会 福井さん

全難言全国大会講習会 スクリーンと伸二

全難言全国大会講習会 伸二
 
 僕が書いた書籍の展示・販売も、いつものように行いました。テーブルいっぱいに並べられている書籍を眺めると、これまでの吃音の取り組みの歴史が分かります。8階の書籍売り場は、僕の仲間たちのちょっとしたサロンになっています。以前は、書籍の販売を細々としていましたが、最近は、仲間が交代でしてくれて、にぎやかです。

 全国難聴・言語障害児教育の全国大会で、僕は吃音分科会の助言者・コーディネーターを何度もしています。 今年は発表が1本でしたが、例年は、各分科会で2本の発表があります。その2本のうちの1本を、僕の仲間のことばの教室の教員がし続けてきました。山口県大会、長野県大会、北海道大会、鹿児島県大会、石川県大会、神奈川県大会、東京大会、島根県大会と、ずっと続いています。「吃音と共に豊かに生きる」子どもをどう育てるかの実践を発表し続けてきたこと、仲間の熱意をうれしく思います。

 だから、毎年、全国大会に、僕たちの仲間が大挙して応援に駆けつけます。その度に、書籍売り場がサロンのようになっているのです。今回も、僕たちの仲間が発表したいとエントリーしましたが、発表は近畿地区から、1本の発表しか受け付けられなかったために、発表者はいませんでした。でも、午前中の講習会の講師と分科会のコーディネーターが僕だったので、全国の僕の仲間達が集まってくれていました。

 僕の考え方は、少数派だと常に言っていますが、全国大会で吃音分科会の助言者を何度もしていること、僕の仲間が発表者として発表し続けていることで、「吃音を治す・改善する」を主な目的としない考え方も、ずいぶんと浸透してきたのかもしれないと、少し、期待をしているのです。
 講習会の報告は次回にします。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2017/08/01