群馬キャンプなどの報告のその前に

 前回、大阪吃音教室に参加した人を紹介したいと書きました。続きを書きます。

 その後、千葉や、栃木、群馬のキャンプと関東地方を回っていて書けませんでした。群馬のキャンプなどの報告を後日 しますが、その前にうれしいニュースです。

 10月頃、吃音親子サマーキャンプの卒業生から、スピーチに伊藤さんの名前を出してもいいかという電話がありました。聞くと大学の英語のスピーチのコンテストで、みんなに吃音について知ってもらいたいので、スピーチをしたいとの話です。予選と本選にゆけるかどうか分からないけれど。とにかく「吃音」について話したいと言いました。

 しばらくして、予選を通過して本選に出場できるファイナリスト6名に選ばれたとファックスが入りました。

 「私自身、どもりに悩んでいる実体験を踏まえて、「どもり」を多くの人にしってもらうために、懸命に伝えて本選にすすむことができて、本当にうれしいです」

 英語の原稿を送ってくれました。そして、本選の11月2日にコンテストで見事優勝したいのです。そのことを、11月8日の大阪吃音教室に報告しに来てくれたのです。

 実際に大阪吃音教室でもそのスピーチをしてくれました。
 最初、流暢に話し始めたのですが、途中、ぴたりと、声が出てこないブロック(難発)の状態になりました。それをなんとか声にしていきスピーチを終えました。本選の当日も、私たちの前でつまって声が出ない状態になり、3分間というもち時間をかなりオーバーして、減点をされたにも関わらず、内容がすばらしいと優勝したのです。

 あまりどもらなくなったから、ではなく、今、どもっていても、「どもり」について理解をして欲しいと、自ら立候補した彼女の勇気すごいです。彼女の年で、私にはとてもまねの出来ないことです。
 私が、書籍などで、「どもっても、話していくことが大切」と書いたとき、私の主張に反対し、どもらない話し方をすべきだと「リズム効果法」を提唱していた、埼玉県の望月勝久さんは、著書で「番茶も出花の、うら若き女性に、どもっても話すなんて無理だ」と書いていました。その若い女性が、自らどもることを承知の上で、大勢の前で、どもりながらスピーチをする。

 吃音親子サマーキャンプに参加した女性は、男性以上に大勢の前で吃音についてスピーチをしています。これまでも、NHKのコンクールに出たり、ラジオ放送をしたり、ことばの教室の担当者の研修会で講演したのも、中学生、高校生、大学生でした。
  
 大人が考える以上に、子どもたちは、たくましく成長していきます。吃音親子サマーキャンプや、全国各地で出会う、私たちの仲間のことばの教室の先生に教育された子どもは、本当にすごいど思います。

 彼女の大学のホームページの記事を貼り付けます。

 英語でのスピーチ力を競う「第29回中高大合同イングリッシュオラトリカルコンテスト」が開催され、学生、生徒らがレベルの高い英語力を披露しました。[2013/11/11更新]


 武庫川女子大学・短大の学生と附属中学・高校の生徒が英語でのスピーチの能力を競う「第29回中高大合同イングリッシュオラトリカルコンテスト」の本選が11月2日、附属中学・高校で行われました。大学・短大部門では、総勢29人が参加した予選を勝ち抜いた6人が出場、素晴らしいスピーチを披露し、国吉真夕さん(生活造形学科1年)=写真右=が優勝、木原慶子さん(薬学科4年生)=写真左=が準優勝しました。

 優勝した国吉さんは「Stutter’s Challenge」というタイトルで、自身が直面してきた困難とそれに立ち向かう姿勢について、説得力のあるスピーチをし、聞いている人を惹き付けました。準優勝した木原さんは「“Omoiyari” -The Key to Communication」のタイトルで、コミュニケーションにおける「思いやり」の大切さについて、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」の話を交えながらスピーチ、素晴らしいアイコンタクトでも聴衆に感動を与えました。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/11/28