人は出会うべくして会うものです


 吃音ワークショップの話は小休止て、うれしいであいについて書きます。

 今、当事者研究、認知行動療法、ナラティヴ・アプローチ、他力思想の法然・親鸞、西田幾多郎などか関心の中心になり、本棚は、それらが占拠するようになりました。
 そのナラティヴアプローチの書籍の翻訳をしておられる国重さんに、ワークショップを依頼するメールを出しました。その時、国重さんはニュージーランド。私のホームページを見て下さり、私たちの活動に関心をもって下さいました。スクールカウンセラーとして学校現場で働きながら、吃音は意識外だった、吃音について知りたいと言って下さり、ホームページで吃音ワークショツプで東京に行くことを知り、今から日本に行き、東京で2日ほどいて仙台などに行く、東京で会う時間を作りましょうと、わずかな東京滞在の日程を調整して私たちに会うことを約束して下さいました。うれしいうれしい出会いでした。今日は、国重さんの読売新聞のインタビュー記事をまず紹介します。


  横並び教育見直すべき    臨床心理士 国重浩一さん

 学校現場での子どもたちの現状を語る国重さん
 ―スクールカウンセラーとして、発達に課題のある子どもたちをたくさん見てきたが。

 「よくここまできた」という子どもたちもいる。診断名が付いていないために、親が「何でうちの子はこういう行動を取るのか」を理解していない事例も目にする。たとえば、本当は自閉傾向があるのに、親が「うちの子は自閉症じゃない」と誤解したままだと、自閉関連の情報は素通りし、耳に入らない。

  ―どのように対応してきたのか。
 支援や理解が不十分な現状では、「この子が生き延びるにはどうしたらいいのか」を考えた。このため理想論に陥ることなく、「現時点でこの子のために利用できるものは利用しよう」という姿勢でやってきた。

 子どもや親には、「うまくいかない原因には周囲の環境もある。自分がだめだからと思い込むのはやめようよ」と語りかける。自信を失って将来の夢を投げ出すことなく、年齢を重ね、その子なりの成長に寄り添うようにしてきた。

 ―学校現場の負担が大きいとの指摘もあるが。

 教員にも支援が必要だ。親は教員に相談するが、教員も発達障害の専門家ではない。発達障害児一人ひとりをケアするには全然人手が足りない。予算と人材を確保しなければ対応は難しい。

 ―日本の教育のあり方にも問題はあるのか。

 たとえばニュージーランドでは、出来ないことは致命傷ではない。ギフテッド教育といって、足りない部分に焦点を当てるのではなく、本人の持っている能力を伸ばすことに重点を置いた教育を行っている。一方、日本は横並びで、全員を同じ目標に到達させようとする。その人に応じたゴールに修正しないと、どこかで無理が生じる。

 ―今後、どのような取り組みが必要か。

 県内に小、中、高校1校ずつでもいいから、特別支援ができる学校を作るべきだ。そこで支援のノウハウを構築し、他校の教員も研修できるようにする。モデル校があれば、ほかの学校も参考にできる。専門家と呼ぶにふさわしい人材を育成することも不可欠。的確な診断と治療、安心して相談できる機関の設置を望む声は多い。

 ■経歴 東京都出身で、現在はニュージーランド在住。47歳。ニュージーランド・ワイカト大カウンセリング大学院修了。2003年から約8年間、鹿児島県内の中学校でスクールカウンセラーを務めた。今年5月には宮城県の要請を受け、緊急派遣カウンセラーとして東日本大震災で被災した高校生の精神的ケアにもあたった。
                       (2011年8月27日 読売新聞)

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二 2013/01/24