東日本大震災でお亡くなりになった方々に心からのご冥福をお祈りします。
 また、被災された方々のご病気やおけがの回復と、今後、できるだけ早く元の状態に、元の生活に戻りますよう、心からお祈りします。

 そのとき私は、大阪厚生年金病院の地下にいました。持病の糖尿病の診察でした。年末年始、新しい本の執筆と、2冊の冊子の編集に追われ、睡眠時間のとても少ない、大変な日々を送っていました。さらに、珍しく39度という高熱の風邪が長く続き、日課にしていたスロージョギングも散歩もできませんでした。食欲がないためにおかゆやバナナを食べて食生活が乱れていたこともあり、血糖値が高いことは予想していました。
 それが予想を超えて高かったために、地震の揺れが、地震とは思わずに、血糖値が高かったためのめまいか、立ちくらみなのかと思いました。なんともいえない変な気持ちでした。それが、めまいや立ちくらみでなく地震の揺れだったことは、すぐにテレビの速報で分かりました。しかし、周りの人も、「揺れたよね」程度だったので、あの気分が悪くなったことが、ここまで大きな災害になっているとは、想像もできませんでした。あの阪神淡路大震災のときも、そのような感じでした。
 テレビで見る映像が、現実のこととは思えず、ただただ驚きで見ていました。ひとりでも多くの人の命が助かることを願う、緊張感の中にいたためか、涙は出ませんでした。しかし、ここに来て津波の映像に加えて、被災された方々の声や映像が出るようになって、涙があふれてきました。だんだんと、現実のものとして受け止めざるを得なくなりました。

 私たちの、毎年夏に開かれる、吃音親子サマーキャンプには、全国から参加があります。昨年も鹿児島や、東北地方からの参加がありました。参加した人の中に、地震の起こった地域の人が2組いました。

 岩手県から3年間連続で参加し、昨年卒業式をした高校生の山口君と、宮城県の中学生の阿部さんです。
 山口君のお父さんとは電話がつながり、内陸部だったために皆無事でほっとしました。
 今年中学3年生の阿部莉菜さんは、お母さんの容子さんと妹と3人で、一昨年の第20回のキャンプに参加しています。小学6年生の時、初めて参加し、そのときはお父さんも含めて、家族全員で来ています。僕たちと出会えてよかったと本当に喜んでおられました。学校でのことを、キャンプの初日に話して大泣きをして、翌日ケロリとしていたことをよく覚えています。

 彼女の家が、宮城県牡鹿郡女川町で、平地はほぼ壊滅状態の地域です。
何度も電話をしていますが、つながりません。
ただ、無事に生きていて欲しいと祈るばかりです。
もし、ご家族の消息をお分かりの方がおられましたら、情報をお寄せいただけれはありがたいです。
 jspsi@iris.eonet.ne.jp です。

 今回の大地震の映像を見るたびに、胸が痛み、私自身の気力も萎え、仕事が手につきません。でも、生きている私たちが、うちひしがれて気力をなくしたら、亡くなられた方に申し訳ありません。亡くなられた人々の冥福を祈り、悲しみをもちつつも、自分の仕事はしなければなりません。

 皆さんの中にも、ご家族、ご親戚や知人に被災された方がおられるかもしれません。お見舞い申し上げます。大変な、困難な状況ですが、力を合わせて立ち上がらなくてはなりません。お互いに、がんばりましょう。
 阿部さんに関する情報のある方、是非お寄せ下さい。お願いします。
 この辛さをもちつつも、私は吃音についての発信を続けなくてはなりません。続けようと気力をふるい立たせています。自分にできる支援ができればと考えています。

 日本吃音臨床研究会 伊藤伸二