ほっとする、島根の人達

 
 210年6月12日・13日
 第12回島根スタタリングフォーラムに行ってきました。
 私は12回全てに参加しています。こんなに回を重ねるとは考えもしませんでした。
 1999年6月、第1回とすることもなく、島根県の親の会の30周年の記念事業として、吃る子どものキャンプが行われました。誰も継続して行われるとは思わなかったことでしょう。私は、講演と親のための学習会の担当として呼ばれました。90名ほどが参加し、とても有意義な集まりでした。キャンプが終わって、実行委員会の人達と喫茶店でほっとして話し合っていたときに、このまま、これきりというのは、もったいないという話になり、来年もやろうとすぐに話がまとまり、それが、12回も続いたのです。すごいことだと思います。
 島根には、熱い思いをもつ、私によく似た「あほ」な人がいます。その人達が続け、その輪の中に、同じように「あほ」な人達が集まり、一年一年と続いているのです。私はこの「あほ」な人達が大好きです。このせちがらい世の中で、この空間は、別世界です。損得や打算では決して動かない、だけど、子ども達のためには、一所懸命になれる人達がいます。島根県の人達は、私を信頼し、毎年毎年私を呼び続けてくれるのです。この人達に会うと、私はとても元気になります。
 12回ですから、島根のことばの教室の担当者の多くは知り合いです。また、複数回参加している、お父さんやお母さんがいるので、その人達と出会うと、ふるさとに帰ったような、安心感がわいてくるのです。本当にありがたい人たちです。

 今年は、昨年よりも、新しい親子、新しいことばの教室の教師が参加していました。新しい出会いがありました。
 フォーラムの始まりに、親、子ども、スタッフの全員の前で、私が30分ほど話すことが最近の恒例になっています。これまでに、クロアチアでの世界大会の報告、そして、吃る有名人の話をしたようです。何を話したかすぐ忘れてしまう私は、これまで話したことをスタッフに聞いて、ダブらないように話さなくてはなりません。とっさに、今仕上げている吃音ワークブックに書いたことを話し始めました。
 自己概念の大切さを伝えるため、ライフスタイルは自分で決めたことだから、自分で変えようと決めさえすれば変えることが出来ると、私の人生を3期に分けて説明しました。

  ゝ匹蟷呂瓩討ら小学2年生の秋まで
 ◆‐学2年生の秋から21歳まで
  21歳の夏から現在

 この3期は、とてもクリアーに分かれます。
 小学2年の秋に学芸会でセリフのある役を外されたことで、吃音に強い劣等感をもって、「吃りたくないから、話すことから逃げよう」というライフスタイルを自ら作り、吃音を言い訳にして、人生の課題からことごとく逃げました。
 そして、では、治すことを諦めて「話すことから逃げないでいこう」と、ライフスタイルを変えました。´↓と、吃音の悩みや影響は違うのですが、吃音の症状は全く関与していません。どもりに対する受けとめ方が変わったのです。
 そこで、子ども達に、それぞれの時期にどんな出来事があったと想像するか、尋ねました。もちろん答えられない子はいましたが、答えてくれた小学生だったか、中学生がいました。私の本をよく読んでいた子どもでした。うれしいです。

 島根のこのキャンプに参加した保護者や子どもは、ほとんどの人が私の本を買ってくれて読んでいてくれるのですね。

 こうして、12回島根スタタリングフォーラムがスタートしました。
 
 2010年6月22日 

               日本吃音臨床研究会 伊藤伸二