大阪セルフヘルプ支援センターの私のかかわり

2009年2月7日、私がずっと関わっている大阪セルフヘルプ支援センターの主催する、20回目のセミナーがありました。私はこのセミナーには第一回から参加しています。このセミナーの様子は次回お知らせしますが、まず私のセカターとの関係について書いておきます。
 九州大学の高松里さんが、こんなセミナーがあるよと知らせて下さり、高松さんと一緒に参加しました。それが第一回のセミナーてじた。様々なグループ、セルフヘルプグループを研究する人たち、専門職、立場の違う人たちが、セルフヘルプグループという共通の関心、課題で集まる、一つのセルフヘルプグループでもあったわけです。セルフヘルプグループに関心を寄せる人たちがこんなにもいるのかと、その時のうれしさ喜びをよく覚えています。
 たくさんのグループが参加し、それぞれのグループのかかえる課題を参加者で話し合う。セルフヘルプグループの意義を確認し合う。グループのリーダーであるが故の悩みを率直に出し合う。私がずっとそんなセルフヘルプグループの支援センターのようなものがあればいいなあと思っていました。そのときの私の発言は今でも覚えています。
 「セルフヘルプグループのリーダーは孤独です。仲間はもちろんいてその意味では孤独ではないのですが、リーダー特有の孤独があります。反対があっても何かの決断をしなければならない時がある。誰もこなくても会場に行くときがある。たくさんの仕事に押しつぶされそうな時がある。誰もいなくても自分だけはしなければならない時がある。リーダーであっても、つらいとき苦しいときでも、メンバーに愚痴をいえない時がある。個人のことや、グループでの運営上の悩みを出し合い、智恵や工夫を共有できる、リーダーのためのセルフヘルプグループが必要だと、ずっと考えてきました。だから、この大阪セルフヘルプ支援センターの活動は今後とても重要になると思います」
 正確に覚えているわけではありませんが、こんなことを発言したのだろうと思います。その場で今後一緒に活動をしたいと表明しました。それから10年ほどは私は大阪セルフヘルプ支援センターでかなり積極的に活動をしました。私自身が所属する吃る人のセルフヘルプグループはもちろん楽しいですが、この支援センターの活動もとても楽しいものでした。吃る人のグループは当然吃る人が中心です。しかし、支援センターには様々なグループのリーダーが参加します。セルフヘルプグループを研究する学舎、精神科医やソーシャルワーカーなどの専門職者。毎月一度の月例会がとても楽しみでした。吃る人のセルフヘルプグループを作ったとき、毎週の例会が待ち遠しくて、恋人に会いに行くような感覚でしたが、再び私はその感覚を味わうことができたのです。
 同じような悩みや困難の体験をしているわけではないのに、こんなに楽しいのはなぜか。セルフヘルプグループが大好きで、セルフヘルプグループをもっと社会に広げたいと考える人たち人たちの真剣さと人間としての温かさでした。この人たちと一緒に活動したいと思ったのです。月例会、電話当番と可能な限り活動をしました。
 阪神淡路大震災の時、被災地にセルフヘルプグループをつくりたいと、現地に行ったときのことは、強い記憶として残っています。信貴山で合宿し、明け方近くまで話し込み、「信貴山宣言」なるものも作りました。毎月の月例会には毎回15名ほどが参加して、とても活発でした。私が担当した電話当番の時には、5件ほどの相談がありました。
 その中で、少しずつセルフヘルプグループのことに社会が関心を持ち始めました。
大阪セルフヘルプ支援センターの活動に注目し、1995年、NHKが「週刊ボランティア」という番組で取り上げてくれることになりました。たくさんのグループが活動をしていたのに、私のグループに焦点があてられ、大阪吃音教室や、大阪の東野晃之会長の自宅までカメラが入りました。スタジオには、現在支援センター代表の松田博幸・大阪府立大学准教授と難病の筋無力症友の会の浅野さんと私の3人が出演しました。当時のビデオを学生の講義の度にみせていますので、懐かしく毎回みています。
 2000年、NHKの「にんげんゆうゆう」に出演できたのも、この支援センターの活動のおかげでした。朝日新聞厚生文化事業団がセルフヘルプグループについて冊子を作りたいと企画がもちあがり、それを編集したのが私でした。12人の人が自分のセルフヘルプグループについて、社会学者、臨床心理学者からみたセルフヘルプグループについて描いて下さり、セルフヘルプグループの本は多くある中で、いまでも、私は、この冊子が一番セルフヘルプグループについて理解する上で素晴らしいものなっていると思っています。それは当事者の、専門家のセルフヘルプグループへの深い愛情が色濃く出ているさっしだからです。私としてはとても苦戦した、大変な作業の編集でした。この冊子をNHKのディレクターに読んでもらったところ、すぐに4回シリーズの「仲間がいるから乗り切れる」という番組に結びつきました。
 2000年死別の会、薬物依存、パニックディスオーダ、吃音と4つのグループがえらばれました。とてもいい番組でした。スタジオには私と、上智大学の岡知史さんと出演しました。この番組は、吃音とは何かを知る上で貴重なものになっています。
 その後、解放出版社から一問一答形式のセルフヘルプグループの本を出版する話になり、この本も、仏教大学の中田智恵海さんと編著で出しました。
 ・NHK「週刊ボランティア」への出演
 ・NHK「にんげんゆうゆう」への出演
 ・出版 「セルフヘルプグループ」朝日新聞厚生文化事業団 500円
  「セルフヘルプグループ一問一答」解放出版社 1060円
 このようにセルフヘルプグループについての活動ができたのも、大阪セルフヘルプ支援センターで活動ができたおかげです。私にとって、とても大切な活動なのですが、年々忙しくなり、週末はほとんどスケジュールがつまるようになり、土曜日の月例会はまったく行けなくなり、電話当番もできなくなりました。
 そのような状態の中でもずっと活動を続けて下さったのが、大阪府立大学の松田博幸さんと、大阪商業大学の豊山宗洋さんです。このふたりのおかげで、支援センターの旗がずっと立っているのです。この二人には感謝の気持ちがいっぱいです。そして、20回のセミナーがひらかれたのです。その時の様子は次回報告します。
 そうそう、もうひとつありました。当時のメンバーだった読売新聞の森川明義記者が。私のはんせいのようなものを記事として7回シリーズで掲載してくれました。とても大きな記事で、全国から反響がありました。その記事は日本吃音臨床研究会のホームページにありますので、是非お読み下さい。これも大阪セルフヘルプ支援センターで活動していたおかげです。
 「セルフヘルプグループ」朝日新聞厚生文化事業団 500円
この冊子はセルフヘルプグループを知る上で最適の本だと私は考えていますが、在庫が私のところにあります。必要でしたら、500円分の切手を同封してお申し込み下さい。送料は私負担でお送りします。
 572−0850 寝屋川市打上高塚町1−2−1526
                                  伊藤伸二