どもる若い人たちへの応援のメッセージ


 9月2日は、吃音にとって特別の日となりましたね。「英国王のスピーチ」DVDが発売された日でした。そして、中学生日記が放送された日でした。

 7月4日、中学生日記を担当するNHK名古屋放送局のディレクター林弘毅さんが、寝屋川の私の自宅まで尋ねてきて下さいました。どもる中学生の応募を受けて、吃音についてインターネットでいろいろと調べられたそうです。私の著書「どもる君へ いま伝えたいこと」(解放出版社)を読んで共感し、吃音をテーマにする場合に注意しなければならないことを聞きたいとのことでした。制作前に、吃音関係者に意見を求めて下さる姿勢に、まず感銘を受けました。林さんは、中学生の思いを、ドラマや放送でどう受け止め、自分としてはどう表現したいかを、誠実に話して下さいました。そして、林さん自身の吃音への思いも話して下さいました。勇気をもって名乗り出た主人公の豊田啓介君に、何よりも応援になるようなドラマにしたい。2週間の制作の過程で、吃音と向き合い、成長していく姿が見たいと、話して下さったのは、うれしいことでした。いい「中学生日記」にしたいとの熱意が伝わってきました。安心して、私は放映の当日を迎えました。

 このブログだけでなく、大勢の人に、是非見て欲しいと宣伝をしました。10月初旬刊行予定の「認知行動療法と吃音」の共著者である慶應大学教授・大野裕先生からも、貴重な機会なので見ますとのメールをいただきました。何人もの人からすでに感想が届いてます。

 皆さんの感想はいかがだったでしょぅか。
 私は、林さんが担当して下さって本当によかったと思っています。豊田君だけでなく、どもる若い人たち、どもる人、どもる子どもを支援する、ことばの教室の先生、言語聴覚士のみなさんにも、応援になったと思います。
 吃音を理解し、吃音とともに生きる意味を、大上段に構えるのではなく、豊田君と相手役の大西あぐりさんのなにげない会話の中にみつけられたのではないでしょうか。林さんが伝えたかったことが、過不足なく含まれていたと、私は思っています。

 完全なドラマではなく、豊田君へのインタビューや独り言を入れ込んで下さったことで、ドキュメンタリー風にもなり、ドラマだけでは伝えきれなかった、吃音への理解、どもる人への、本質的な応援のメッセージが込められたのだと思います。

 わざわざ、大阪の寝屋川まで足を運び、私の著書のいくつかを読んで、吃音について勉強して下さり、林さん自身の感性ともいうべき、吃音に悩む人へのメッセージを、短い時間の中で、凝集して下さいました。

 豊田君が勇気ある一歩を踏み出して下さったこと。それを受けとめ、素晴らしいドラマにして下さった林弘毅さん。お二人に心からの敬意と感謝を申し上げます。

 先週末、第22回吃音親子サマーキャンプが無事終わりました。大分、福岡、佐賀などの九州地方から、埼玉、千葉などの関東地方まで、116名の参加でした。最終日の最後のプログラムでの感動的な振り返りを聞きながら、キャンプがとても有意義で、充実したものになっていたことを確信しました。キャンプには13名の中学生が参加していました。その子どもたちと、豊田君を重ね合わせて、私はドラマを見ていました。
 キャンプについては、また、後日、詳しくこのブログで紹介します。

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日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2011年9月4日
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