動画配信中2 自分の体験を読む・大阪吃音教室の講座風景

 大阪吃音教室を運営するNPO法人大阪スタタリングプロジェクトと日本吃音臨床研究会では、ホームページの充実の中で、動画配信に力を入れています。
 吃音親子サマーキャンプの卒業生でもある、井上詠治さんが、撮影・編集に力を注いでくれているおかげですが、吃音親子サマーキャンプの卒業生は、キャンプのスタッフとして参加するだけでなく、「吃音と共に豊かに生きる」実践者としてさまざまな活動に力を入れてくれています。
 そのような仲間の力に支えられて、僕も、吃音のネガティヴな側面だけでない人生をいろんな形で発信をしていこうと考えています。
 前回は、一問一答を紹介しましたが、他の動画を紹介します。その中でも、ことば文学賞の受賞作を作者自身が読むコーナーが、僕は大好きです。ぜひ味わってください。 
吃音の動画
吃音の動画のコーナーにあるいろいろな映像

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 大阪吃音教室では、話すことだけでなく、書くこと、読むことなど、コミュニケーション力を育てることにも力を入れています。その中の、自分の体験を綴ることは、「ことば文学賞」として、一つの文化を作ってきました。自分の体験を書くことは、客観的に人生を見つめ直し、自分自身で体験を整理することにもなり、また、後に続く人たちへの財産にもなります。ここでは、吃音体験を綴った本人が、自分の書いた作文を読んでいます。文字で読むのとはまた違ったものが伝わってきます。

 應典院コモンズフェスタにおける映画上映会とトーク
 大阪吃音教室が毎週金曜日に開かれる会場の應典院が主催して開催されたコモンズフェスタに参加しました。企画したのは、アメリカのどもる青年が作ったドキュメンタリー映画「The Way We Talk」を上映し、その後のトークイベントです。漫画家で、生きづらさをテーマにした当事者研究を大阪で主催している一ノ瀬かおるさんを交えてのトークの様子を見ることができます。

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【吃音キャラクターづくり】
 僕の仲間のことばの教室の教員は「吃音キャラクター」の実践を積み重ねています。
 「自分のどもりをキャラクターにしたら、どんなものになる?」と、どもる子どもに投げかけます。ポケモンなど、キャラクター文化に親しんでいる子どもたちは、すぐにいろんなキャラクターを描きます。紙粘土で作る子どももいます。自分のどもりを外に出すイメージです。これは、ナラティヴ・アプローチの外在化です。そのキャラクターに、名前をつけて会話をします。吃音の客観視です。教員を交えての対話を繰り返す中で、自分ではどうしようもない怖いものだと考えていた吃音が、自分の力でなんとかできる、つきあうことのできるものに変わっていきます。子どもたちの実践を真似て、どもる大人も取り組んでみました。その様子を映像で紹介しています。

【吃音チェックリスト】
 とらわれ度、人間関係開放度、回避度の3つのチェックリストの紹介と、その結果をどう考えるか、グループで話し合っています。

【言語関係図】
 X軸=どもる症状、Y軸=聞き手の態度、Z軸=話し手本人の受け止め方の3方向からなる箱の形、大きさ、容積で、その人の吃音の問題の量と質が分かります。自分の吃音の問題を分析し、それをこれからの生活に活かしていくために、何ができるか、話し合います。

 っ歹睇卆欧気鵑ら学んだ、からだとことばのレッスン 
 吃音の改善を目指してはいないけれど、相手に届く、表現力のある声は出したいと考えます。そのために、誰にでも役に立つことばのレッスンをしています。これは、「からだとことばのレッスン」をしていた演出家・竹内敏晴さんに学んだことを受けています。竹内敏晴さんとのつきあいは長く深く、大阪での、竹内さんの「からだとことばのレッスン」の事務局を10年以上続けてきました。吃音親子サマーキャンプで子どもたちと取り組む芝居のシナリオ作り・構成・演出を、竹内さんはして下さっていました。耳が聞こえなかった経験をもつ竹内さんは、僕たちのことを仲間として、大切に考えていて下さったのです。亡くなられた後、「竹内さんから学んだ、からだとことばのレッスン」と題する日本語のレッスンを大阪吃音教室では続けています。

 このほかに、前回紹介した「吃音Q&A」のシリーズが3回分あります。これについては、次回にまわします。

日本吃音臨床研究会 会長 伊藤伸二 2019/5/25